2009年3月13日(金)「しんぶん赤旗」

違法献金疑惑

自民・民主は政党としての自浄努力を発揮せよ

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は十二日の記者会見で、西松建設の違法献金疑惑について、党の基本的立場を次のように語りました。


疑惑の構図は

写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=12日、国会内

 一、西松建設の違法献金疑惑は、国民の強い怒りと政治への不信を引き起こしている。疑惑の構図は、十年余で四億七千八百万円もの西松からの献金が、二つのダミーの政治団体をつうじて、自民・民主の多数の国会議員に渡っていた、西松は年間約一千億円にのぼる公共事業を受注していた、国民の税金が政治家に還流していた、ということだ。

 会社名を隠す形で献金した目的は何か。公共事業の受注に関する見返りを求めたのではないか。これらの重大な疑惑がきびしく問われている。

国民は納得せず

 一、なかでも小沢一郎氏と二階俊博氏への献金問題は、重大な焦点となっている。

 〇四年から〇六年に、西松からダミー団体をつうじて流れた金は、少なくとも小沢氏側に三千三百万円、二階氏側に八百六十八万円(パーティー券)となっている。

 小沢氏の疑惑は、西松からの献金を、政治団体からの献金であるかのように偽装した、その偽装を、公設第一秘書は知っていた、あるいは共同して行っていたのではないか、これが逮捕容疑だ。二階氏の疑惑も、西松からの献金を、政治団体からの献金であるかのように偽装したのではないかという疑惑では同じ構図だ。

 これに対して、両者の言い訳もまったく同じだ。小沢氏は、会見で、「(原資は)知らない」「詮索(せんさく)しない」と繰り返した。二階氏も、答弁で、「知らない」「詮索しない」と述べた。言い訳の言葉まで同じだ。しかし、三千三百万円、八百六十八万円という多額の金をもらって、「知らない」ではすまない。国民のだれも納得しない。それは、世論調査でもはっきりあらわれた。

 「しんぶん赤旗」(日曜版三月十五日号)は、西松の違法献金に関与した元幹部から証言を得た。「小沢さんや二階さんが、西松からの献金だということを知らないはずはない」、「二階さんは、運輸族のドンとして、港湾・空港工事やマリコン(海洋土木会社)などに大きな影響力があった。それに期待しての深い関係で、空港工事などを受注できた」、「東北、とくに岩手では、小沢さんに邪魔されるのが怖い。うちはどうしても胆沢(いさわ)ダムをとりたかった」との証言だ。公共事業をめぐるゼネコンと政治家の癒着が見えてくる。

全容の究明を

 一、これらの疑惑について両氏は説明する責任がある。同時に、重大なのは、自民・民主両党が、政党として疑惑を解明する自浄努力をまったく発揮していないことだ。

 民主党は、小沢代表の説明を「信じる」とし「一致結束」をいうだけだ。民主党として調査・究明が必要という声はまったくない。政府・自民党も、麻生総理は、「個別の事案についてコメントしない」という。自分の任命した閣僚の疑惑をひとごとのようにいうことは、許せるものではない。

 自民・民主両党に強く要求する。政党として、疑惑を自ら究明する自浄努力を行うべきだ。両党とも、調査する気になれば、いくらでも方法があるはずだ。とくに民主党は、「公共事業受注企業からの献金禁止」を公約し、そのための法案を国会に提出している。その公約にそむく行為を党首がやっていたという疑惑を自ら究明すべきだ。この当然のことをやらなければ、「二大政党」は、そろって政党ぐるみで疑惑隠しを行っていることになることをきびしく指摘したい。

 疑惑は、西松建設だけでなく、ゼネコン業界全体に広がりつつある。日本共産党はその全容を徹底的に究明するために、ひきつづき力をつくす。