2009年2月5日付「しんぶん赤旗」

志位質問に勇気“たたかい続く” 労働者ら決意

おれの事例だ


 「違法があれば、厳しく是正指導をおこなうべきではないのか」―。四日の衆院予算委員会で、人間をモノのように「使い捨て」する大企業の横暴をするどく追及する日本共産党の志位和夫委員長。派遣切りにあった労働者などから、質問を聞いて共感やともにたたかう決意が寄せられました。


首相「違法」認めた

いすゞ

 「勇気を与えてくれた質問だった」「思っていたことを言ってくれた」。神奈川県藤沢市にある、いすゞ自動車藤沢工場の元派遣社員、佐藤良則さん(49)と、期間社員、三浦慶範さん(27)は初めて国会審議を傍聴しました。

 志位委員長が麻生首相に詰め寄る場面を、じっと見つめます。

 佐藤さんは、志位委員長が質問で取り上げ、首相に「違法な働き方」をさせられていたと認めさせた「Tさん」です。いすゞの具体例が出されると、傍聴席で思わず、「これはおれのことだ」と、つぶやきました。

 質問後の傍聴者との懇談会で志位委員長が、「麻生総理に優秀な社員だったと、お墨付きをもらった佐藤さんです」と紹介すると、参加者から大きな拍手が沸きました。

 佐藤さんは現在、解雇撤回を求めて、裁判でたたかっています。「志位さんに取り上げてもらって、感謝しています。五年十カ月の間、いすゞで働いてきましたが、偽装請負の期間もふくめ、派遣だったと国会で認められた。裁判の大きな力になると思うし、勇気をもらいました。これからもがんばります」と笑顔で語りました。

 JMIU(全日本金属情報機器労組)いすゞ自動車支部で副委員長をしている三浦さんも、「本当にすばらしい質問をしてくれた」と語ります。「志位さんが、国がやる気になればできると追及していたが、自分が一番、言ってもらいたかったことだったので感激した」といいます。

 「個別の案件」だとして、具体的な答弁を避けた麻生首相の姿には、「まじめに解決しようとしているのかと疑問に感じた。いますぐやろうという意思が感じられなかった」と憤りを表します。

提案実現して

 いすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)で違法解雇された派遣社員で、JMIU栃木地方本部いすゞ自動車支部の古家賢一さん(21)もテレビ中継を見て、感想を寄せました。

 古家さんは「厚労相が、多くの非正規労働者が違法に働かされてきた事実を認めたものの、個別企業への対応では動こうとしない姿勢に不安を感じる。それだけに大企業に社会的責任を求めることが必要で、国会に経団連会長や大企業の責任者の出席を求めた志位委員長の提案はすばらしい。ぜひ、実現してほしい」と話しました。

迫真の追及 涙出た

パナソニック

 パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン若狭ディビジョン(福井県敦賀市)の「偽装請負」を福井労働局に訴えた派遣労働者の男性(31)=敦賀市=は「自分だけでなく、違法な就労状態で働かされている労働者はたくさんいる。企業の横暴を許さない志位さんの真に迫った質問に涙が出ました」と話しました。

 同社から昨年十月、「派遣切り」された敦賀市の男性(45)は「大企業に一人立ち向かう人間の小さな声をとりあげてくれた共産党に感謝しています」と語っていました。

100%そうだと思う

マツダ

 マツダの元派遣労働者は「志位さんの言ったことは百パーセントそうだと思う」として、次のように話しました。

 派遣会社とマツダは最初から派遣に戻すことを前提に派遣労働者を「サポート社員」にしていた。志位さんが言っていたとおり派遣会社とマツダがグルになってやっていたことだ。私が問い合わせていた時、派遣会社の担当者も認めていた。

 派遣会社でも採用してくれない。派遣労働者はすごく立場が弱く、パワハラなどを受けてもなにも文句が言えなかった。

 私のように五十歳を過ぎたらほかに行くところがない。長い間働こうと思っていたのに、昨年十二月五日にクビにされた。「大企業が人をモノのように扱い利益を上げるのは許されない」というのはその通りだと思う。

 いろんな党の議員の政治家の質問を見たが、国民の立場に立って質問をしていたのは志位さんだけだった。

 現在、組合に入ってたたかっている。これからもたたかいが続くが頑張っていきたい。