2008年11月3日(月)「しんぶん赤旗」

景気対策

大企業応援から家計応援へ

暮らし守るたたかいと一体に総選挙勝利めざす

志位委員長が訴え 都内3カ所


 米国発の金融危機への対応と、日本経済の立て直しが国政の最重要課題となるなか、日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長は二日、それぞれ東京と大阪を駆け巡り、街頭から訴えました。三連休の中日の日曜日、どこでも多くの買い物客や観光客が次々と足を止め、大きな声援と盛んな拍手を送りました。


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(写真)駅前広場いっぱいの人たちに訴える志位和夫委員長(左)=2日、東京餐赤羽駅東口

 志位委員長は、都内三カ所で演説し、現在の政局への対応と、景気対策に関する党の見解をのべました。

 志位氏は、「麻生内閣は、国民の批判に追い詰められて解散をずるずると先延ばしにしてきましたが、先に延ばしてもいよいよ展望がなくなる。これからの政局は解散の可能性をはらみながらの展開となるでしょう」と指摘。「日本共産党は、景気悪化から国民の暮らしを守るたたかいに力をつくすとともに、論戦と運動で自公政権を追い詰め、いつ解散・総選挙になっても勝利できるよう力をつくします」と表明しました。

 そのうえで志位氏は、アメリカ発の金融危機と景気悪化のもとで、「政治の責任が問われている」として、三つの点を強調しました。

バクチ失敗のツケまわすな

 第一は、「バクチ経済」の失敗のツケを国民に回してはならないということです。トヨタをはじめとする巨大企業がいっせいに「派遣切り」をはじめていること、三大メガバンク(巨大銀行)が中小企業の貸しはがしの先頭に立っていることを厳しく批判し、「大企業と大銀行に、雇用と中小企業を守る社会的責任を果たさせる政治の責任が強く求められている」とのべました。

雇用と社会保障の安心こそ

 第二は、外需頼みから内需主導に、大企業応援から家計応援に、経済政策の軸足を転換し、日本経済の体質を土台から改革していくことです。

 志位氏は、「『外需頼みから内需主導に』ということは、いまではどの党もいうが、日本の経済をここまで『外需頼み』のもろい経済にしてしまった責任は、大企業応援の『構造改革』路線にあります。その転換こそ求められています」と強調。そのために、(1)派遣労働などの「使い捨て」労働をなくし安定した雇用を保障する、(2)後期高齢者医療制度、二千二百億円の社会保障費削減路線を中止し、安心できる社会保障を築くことなどが大きな柱になると訴えました。

消費税増税にストップの審判を

 第三は、麻生内閣が打ち出した「追加経済対策」についてです。志位氏は、「この『対策』には、景気悪化から国民の暮らしを守る実効ある施策も、雇用と社会保障の不安を解消する施策も、何も打ち出されていない」と批判。「最大の『目玉』とされているのが、一年かぎりの『二兆円の給付金』のばらまきだが、三年後に消費税の大増税が待っていて、どうして景気がよくなるか」「大企業・大資産家には追加の減税のばらまき、大銀行には十兆円もの公的資金で応援、庶民には消費税の大増税。この『逆立ち』した姿勢を根本から改めよという審判を」と訴えました。