2008年11月12日(水)「しんぶん赤旗」

大企業・大銀行応援でなく

国民のくらし応援を

景気悪化から国民生活を守る

共産党が緊急経済提言

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は十一日、国会内で記者会見し、「大企業・大銀行応援か、国民のくらし応援か 景気悪化から国民生活を守る日本共産党の緊急経済提言」を発表しました。小池晃政策委員長が同席しました。(全文


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(写真)記者会見する志位和夫委員長(右)と小池晃政策委員長=11日、国会内

 志位委員長は冒頭、「米国発の金融危機による景気悪化に対し、政治がどういう責任を果たすべきかという問題が厳しく問われている」と述べました。

 その上で、緊急経済提言の三つの柱である(1)「ばくち経済」(カジノ資本主義)破たんのツケを国民にまわすことを許さない(2)「外需だのみから内需主導へ」、日本経済の抜本的な体質改善をはかる(3)「カジノ資本主義」への追随からの根本的転換をはかる―に沿ってポイントを紹介しました。

 そのなかで、景気悪化のしわよせが表れている問題として、雇用の破壊と大倒産の危機にさらされる中小企業の問題を取りあげました。

 志位氏は雇用の問題で、トヨタなど大企業が派遣労働者などの「雇い止め」を進めている問題をあげ、「巨大な利益をため込んだ大企業が大リストラの引き金を引くことは許されない」と批判しました。

 中小企業の経営を守る問題では、貸し渋り、貸しはがしの先頭に立っているのが三大メガバンクと呼ばれる大銀行だと指摘。銀行に中小企業への貸し出し目標を明確にさせることや、政府が監督を強化することなどを求めました。

 志位氏は、麻生内閣の「景気対策」にふれ、最大の目玉にしている二兆円の給付金について、「ばらまき方も定まらない右往左往ぶりだ。党略の産物であり、公金を使った選挙買収といわれてもしかたがない」と批判しました。「残るのは、大企業と大資産家にはさらなる減税をし、大銀行には公的資金で応援するが、国民には三年後の大増税が待っている。景気対策に値しない」と指摘。「景気対策というのなら、大企業・大銀行応援から家計応援への抜本的な政策転換こそが必要だ」と強調しました。


日本共産党の緊急経済提言の骨子

(1)「ばくち経済」(カジノ資本主義)破たんのツケを国民にまわすことを許さない

【大失業の危険から国民を守る】

・大企業の身勝手なリストラをやめさせる

・雇用保険の6兆円もの積立金を活用して、失業した労働者の生活と再就職への支援をおこなう

【大倒産の危険から中小零細企業を守る】

・貸し渋り・貸しはがしをやめさせ、中小企業への資金供給という社会的責任を果たさせる

・円高の犠牲を下請企業に押しつけるなどの不当な単価たたきを許さない

(2)「外需だのみから内需主導へ」――日本経済の抜本的な体質改善をはかる

1、安定した雇用を保障するルールをつくる

2、安心できる社会保障をきずき、国民のくらしをささえる

3、農林漁業の振興・中小企業の応援・地域経済の再生を

4、消費税増税ストップ、庶民の家計を応援する減税を

5、財源は「二つの政治悪」にメスを入れてこそ

(3)「カジノ資本主義」への追随からの根本的転換を

・過度の投機を許さないルールを

・アメリカを手本にした金融自由化路線の転換を

 麻生内閣の「景気対策」――大企業応援、国民に消費税増税でどうして景気が良くなるか

 「二つの政治悪」を正す、「政治の中身を変える」という立場での対策こそ