2008年4月4日(金)「しんぶん赤旗」

大阪で党演説会

情勢と綱領の響きあい 志位委員長、縦横に語る


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(写真)つめかけた聴衆を前に訴える志位委員長=3日、大阪市

 大阪市の府立体育会館で三日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた演説会が開かれました。「志位さんの話を一度聞きたい。私でも参加できるのでしょうか」などの問い合わせが各地の党事務所に寄せられ、第二会場、ロビーを含め九千人が参加。参加者は大型ビジョンにも映された志位氏の話に聞き入り、候補者に大きな声援を送るなど熱気あふれる演説会となりました。

 衆院近畿比例ブロックの吉井英勝衆院議員、宮本たけし、瀬戸恵子の各予定候補があいさつ。吉井氏は「大企業とアメリカべったりの自民党政治を大本から変えるのは日本共産党の躍進にかかっています。近畿ブロックから四人の国会議員を必ず生みだしてください」と訴えました。

 志位氏は冒頭、チベット問題と道路特定財源の問題にふれたあと、「ルールなき資本主義」と「アメリカいいなり、軍事優先政治」の異常を告発。労働、社会保障、食料と農業、在日米軍、未来社会の問題などで綱領と内外の情勢の響きあいを縦横に語りました。

 この中で志位氏は、実施されたばかりの後期高齢者医療制度をとりあげ、「高齢者の怒りは負担増だけにとどまらない」と指摘。七十五歳以上の人を別枠の制度に囲い込み、保険のきく医療を制限する同制度による高齢者差別の実態を詳しく告発しました。

 例えば▽通院では、主治医を一人に決め、保険から支出される医療費を定額制にする▽入院では、「退院支援計画」をつくって退院させた病院への報酬を増やし、病院からの追い出しを奨励する▽亡くなったときに支払われる「葬祭費」まで減らす―志位氏が一つひとつ告発すると、会場からどよめきが起きます。

 志位氏が「七十五歳になったらみんなでお祝いし、医療費は無料にしましょうというのが当たり前の政治です。差別医療は撤回させるしかない」と訴えると大きな拍手がわき起こりました。

 食料と農業の問題については、経済誌でも「自給率39%の危機 日本が餓え死にする」(『週刊エコノミスト』四月一日号)という特集が組まれたことを紹介。地球温暖化や人口増にともなう食料需給の逼迫(ひっぱく)、「投機マネー」による穀物価格の高騰などで「カネさえあれば外国から買える」という考えは通用しなくなっていると述べました。

 その上で自給率向上を正面から掲げた党の「農業再生プラン」を紹介し、農産物の価格保障と農家の所得補償、無制限な自由化ストップなどの柱を紹介。これらが欧米では当たり前に実施されていると力説しました。

 演説後、志位氏と青年のライブトークも行われ、会場いっぱいの二百人が参加。盛んに質問が出され、なごやかに懇談しました。

 初めて参加した男性(24)=箕面市=は、「志位さんは若者の望みを言ってくれていました。働きたくても働くところがない。派遣でも安定して働ける環境がほしい。弱者のことを考える政党だとよくわかりました。元気がでました」と話しました。