2008年3月30日付「しんぶん赤旗」

安心操業へ平和な海に

千葉・いすみ 演説会で志位委員長


 千葉県東部、外房のいすみ市で二十九日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えて、演説会が開かれました。同市で委員長を迎えた演説会は初めてです。地元の党地区委員会と議員、支部が演説会の案内ビラを配り、声かけをするなかで、「共産党が演説会を開くらしい」などと市民の間で話題になり、会場いっぱいの六百人が集まりました。会場には地元と近隣市町の幹部や保守系議員も参加しました。

 演説会では、イージス艦に衝突された漁船「清徳丸」が所属する新勝浦市漁協の外記(げき)栄太郎組合長も駆けつけ、「(事故直後)現地に来ていただいた志位委員長をはじめ、党役員の方々にお礼を申し上げたい」とあいさつしました。

 演説で志位氏は、漁協組合が記者会見したことが真相を明らかにし、勝浦市議会も、原因究明と再発防止などを求める意見書を採択したことに言及し、「当然の要求であり、党としても実現のために全力をつくす」と述べると、大きな拍手が起こりました。

 「本来、国民の安全を守るはずの自衛艦が海のルールを破る無法者とは絶対に許せない」と怒りを込めて告発した志位氏。「日本に誇る千葉県の漁業を守るため、漁業者が安心して操業できる平和な海を取り戻すために力をつくします」と力強く訴えました。

 つづいて志位氏は、内外の情勢と日本共産党の綱領の立場が響き合っていることを縦横に語りました。週刊誌でも「日本共産党宣言」と題して、志位氏のインタビュー特集を掲載していることなどを紹介し、「政治の夜明けは国民のみなさんが行動を起こすことで実現します」と、党への支持を呼びかけると会場は大きな拍手に包まれました。

 暮らしと経済の問題では、若者を使い捨てにする派遣労働の実態や、お年寄りを差別する後期高齢者医療制度の問題を告発。輸入自由化、米価市場任せの日本の農政の実態を示し、「いつまでも『食料は安いものを外国から』ではすまない。『安心できる食料は日本の大地から』―このことが何より大事です」と述べ、党の農業再生プランを紹介すると、会場からは「その通り」との声と拍手があがりました。

 さらに志位氏は、アメリカいいなり政治からの転換を求める党綱領の立場が世界の流れとかみ合っていることを詳しく解明、「平和の願いは党をつくって八十六年。反戦平和を貫く日本共産党にこぞってお寄せください」と力強く訴えました。

 衆院南関東比例ブロックの、はたの君枝、小倉忠平両候補が「今度の選挙で日本共産党を大きく躍進させ、国民の暮らし、福祉と営業を守る政治へ切り換えよう」と訴えました。


新勝浦市漁協組合長

外記氏あいさつ

 二十九日、千葉県いすみ市で開かれた日本共産党の演説会で、イージス艦衝突事故で犠牲となった漁船が所属していた新勝浦市漁協の外記(げき)栄太郎組合長があいさつしました。要旨を紹介します。

 私は勝浦市の自民党員です。勝浦市の児安利之市議(日本共産党)とご縁があり、今日の催しの案内がありました。イージス艦事故で志位和夫委員長はじめ党のみなさんが川津支所までお見舞いにきていただいたお礼に、お邪魔させていただきました。

 原油高騰によって水産業は大変厳しい状況に置かれています。特に私たち軽油を使って仕事している漁協には大変迷惑な状況が続いています。

 清徳丸とイージス艦あたごの事故について、防衛省の発表が二転三転しました。何とか船頭の名誉を守らねばと考えました。最初にイージス艦から緑の明かりがみえたといいますが、僚船はみな赤い航海灯をつけていたのになぜ赤い明かりが見えないのか、おかしいと思いました。イージス艦が自動操舵(そうだ)で走っていて一分前に手動にしたということも判明しましたが、あの海域を自動操舵で走るようなことは考えられません。真実は一つしかないのに、なぜ真実が国民の前に明らかにできないのか。悪かったなら悪かったというのが国民の信頼を得るもとです。朝出港した船が元気で帰ってこられない、こんな悲惨な事故は二度と起こしてはなりません。

 事故対策本部に全国から温かいお見舞いや激励をいただきました。いまの日本の政治は、東京ではゴタゴタして国民からみれば何やってる、日本はどこへいっちゃうのかと思うが、日本人の底辺はしっかりしています。

 事故後、川津まできてくださった志位委員長、児安市議、党役員の方々に厚くお礼申し上げ、ごあいさつといたします。