2008年1月12日(土)「しんぶん赤旗」

新テロ法再議決強行に抗議の緊急街頭演説

自主・平和外交へ転換を

志位委員長


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(写真)緊急街頭演説で訴える志位和夫委員長(中央)、(左端から)紙智子、井上哲士の両参院議員、一人おいて、司会の大山とも子都議、高橋千鶴子衆院議員=11日、東京・新宿駅西口

 「“数の力”による歴史的暴挙だ」―。与党が衆院で新テロ特措法の再議決を強行し成立させた十一日、日本共産党は志位和夫委員長を先頭に、東京・新宿駅前で緊急の街頭演説をおこない、再議決を厳しく糾弾するとともに、日本外交の自主的・平和的転換が痛切に求められていることを訴えました。帰宅途中のサラリーマンらも足を止めて演説に聞き入り、聴衆の輪が広がりました。

 志位氏は、「政府・与党の再議決強行は、ひとかけらの道理もありません」と指摘。この法律が(1)国民多数の民意に反していること(2)テロ根絶に逆行し、憲法違反であること(3)軍事利権の腐敗にまみれた勢力が推進したこと―の三点から解明。「このような暴挙には、必ず国民の厳しい審判がくだるでしょう。また歴史によっても裁かれるでしょう」と訴えると、街頭からは「その通り」との声援と大きな拍手がわき起こりました。

 志位氏は、民主党が新テロ特措法案の審議の最終盤で、政府案以上の危険な内容をもつ「対案」を出し、さらに継続審議を主張して、一時、廃案方針を撤回する対応をとったことを厳しく批判。くわえて民主党の小沢一郎代表が衆院での新テロ特措法案の採決のさい、退席、棄権という態度をとったことについて、「政府・与党が五十数年ぶりの三分の二での再議決という歴史的暴挙を行おうとしているときに、その採決を棄権するというのは野党第一党の党首として、あまりに無責任です」と指摘。「『ねじれ国会』というけれども、自民と民主の間にはたいした『ねじれ』はありません。『ねじれ』ているのは自民・民主の『二大政党』と国民の利益です」と訴えると、「そうだ」との声援が飛びました。

 最後に志位氏は、「新テロ特措法案をめぐる論戦は、日本外交に、いま大きな転換が求められていることを示しました」として、「二つの転換」が痛切に求められていることを訴えました。

 一つは、「アメリカいいなりから、自主・独立の外交への転換」です。志位氏は、すべての海外派兵立法の廃止、「米軍再編」の名による基地強化にストップをかけることなどを呼びかけました。

 二つは、「軍事偏重から、平和外交への転換」です。志位氏が、二十一世紀の世界は、「紛争がおこっても平和的に解決し、戦争をおこさない」「戦争のない世界」をめざすことが圧倒的な流れになっていることを示し、「『国際貢献=軍事貢献』という間違った考えから脱却し、九条を生かした平和外交・平和戦略をもった日本への転換が求められています」と訴えると、聴衆は大きな拍手と声援でこたえました。