2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」

小沢民主代表が辞意撤回

民意裏切る行動に反省なし


 民主党の小沢一郎代表は七日、同党の両院議員懇談会で、「もう一度代表を続けさせていただきたい」とのべて辞意を撤回し、総選挙に向け代表を続ける考えを表明しました。しかし、自民党との連立については「一つの方法じゃないか」と正当化し、民意に背いて大連立を進めたことへの反省の弁はありませんでした。


 小沢氏は、福田首相との党首会談で連立協議に応じようとしたことが混乱を招いたとして謝罪。一方で、連立で政権の一翼を担うことで、(1)「参院選後の楽観的な考え方では(総選挙での)勝利はおぼつかない」(2)衆参で多数党が違う「ねじれ国会」では主要政策のための法案成立は困難である―という「二つの問題を同時に解決する一つの方法かもしれない」と考えたと正当化しました。

 懇談会後の記者会見で今後の対応について問われた小沢氏は、「ひたすら総選挙に向けて頑張っていこうということだ」として、自民党との連立政権をとりあえず否定。新テロ特措法案についても「考え方の違いなので足して二で割る手法は通じない」として反対を表明しました。

 また、首相との党首会談について、今後は「中身を役員に検討してもらったうえで応じるか応じないか決めなくてはならない」とし、「基本的には特別、今後やるようなことにはならないんじゃないか」と、否定的な考えを示しました。

 会見では、二カ月前から仲介人を介し、首相の代理人と会うなど「大連立」についての水面下での交渉を行っていたことを明らかにしました。しかし、党首会談のさいに首相から民主党を含む閣僚名簿が示されたとの報道についての質問には、答えませんでした。

 四日の記者会見で民主党の政権担当能力を否定したではないかとの指摘には、「言葉足らずで誤解を生じさせた」と弁解しました。

志位委員長が会見

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(写真)会見する志位和夫委員長=7日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は七日、民主党の小沢一郎代表が同日、辞意を撤回し、続投する意向を正式に表明したことをうけて、国会内で記者会見し、次のように述べました。

 一、小沢代表の発言からは、福田首相との党首会談で、自民党との連立協議――大連立を推進したという、国民の民意を裏切る行動をとったこと自体が間違いだったという反省は、まったく聞かれなかった。これでは国民の理解はとうていえられないだろう。

 また、小沢氏が、自衛隊の海外派兵の恒久法づくりで合意をはかったと主張し、この危険な企てを進めようとしていることも、重大である。

 一、民主党は、自民党との大連立を推進しようとした小沢代表にたいして、無条件で代表続投を懇願し、それを認めるという態度をとった。これも、国民にまったく説明がつかない、筋のとおらない対応といわなければならない。