2007年10月29日(月)「しんぶん赤旗」

政治動かす好機

ストップ改憲 なくせ貧困 雇用守れ

東京・国民大集会に4万2千人


 国民の声と運動が政治を動かしている―。東京・亀戸中央公園で二十八日、「10・28国民大集会」が開かれ、全国から四万二千人が参加しました。参院選後、国会や地方政治で起きている変化を目の当たりにし、草の根から共同してうねりをおこしていこうとの熱気につつまれました。


 「新テロ特措法案阻止 ストップ改憲!許すな消費税増税!なくせ貧困!いのちとくらし・雇用を守れ」を掲げて開かれた大集会。参加者であふれた会場には、「黙っていたら大増税」のむしろ旗、ちょうちん、「反撃のとき」のプラカードがひるがえりました。

 「マグマのような国民の怒りと運動が政治を動かした」と、後期高齢者医療制度での政府の対応と地域の変化を語るのは千葉県船橋市の男性(74)。地元で今月開いた集会の参加者は七割が開業医や町内会、老人クラブなど初めての顔ぶれでした。「地域から共同を広げ、制度を撤回させる以外ありません」

 七月の中越沖地震で被災した新潟県柏崎市の男性(57)は、住宅本体に公的支援する法改正の動きに、「何度も政府交渉した成果です」と胸を張ります。

 「今まで一円、二円の時給引き上げだったのが一気に九円。うちらの声が届いた」。岩手県盛岡市の男性(52)は例年と違う最低賃金の引き上げに顔をほころばせました。十五年目の臨時職員の店長ながら、月収わずか十二万円。今春、初めて最賃体験に挑み、生活できない最賃の実態を世論に訴えました。

 主催の実行委員会を代表してあいさつした全労連の坂内三夫議長は、「政治がこれだけ動いたことがあるでしょうか」と、運動が政治を動かしていることを強調。「すべての国民が力をあわせ、世の中を揺り動かす壮大な共同行動に立ちあがろう」と訴えました。

 政党から日本共産党の志位和夫委員長があいさつし、社民党の福島瑞穂党首のメッセージが読み上げられました。集会後、三コースに分かれ、デモ行進しました。


志位委員長があいさつ

写真

(写真)日本共産党を代表してあいさつする志位和夫委員長

 連帯あいさつに立った志位和夫委員長は参院選挙で国民がくだした「自公政治ノー」の審判は、国民の声、国民のたたかいが政治を動かす新しい情勢を生みだしていると強調。沖縄戦の歴史をゆがめる教科書改ざんの問題でも、後期高齢者医療制度の問題でも、国民の怒りが噴出し政府は一定の手直しをせざるを得ない事態に追い込まれているとのべ、「ここに確信をもち、あらゆる分野で暮らし、平和、民主主義を守るたたかいを豊かに発展させよう」とよびかけました。

 国民の要求を大本から実現するためには、自民党政治の古い枠組みの転換が必要だと訴え。社会保障を支える財源問題について、財源は消費税増税しかないとする政府・財界のでたらめな言い分を批判、大企業、大資産家へのゆきすぎた減税と軍事費にメスを入れれば財源はいくらでもつくれると対置しました。

 新テロ特措法をめぐるたたかいでは、(1)報復戦争でテロはなくせたか(2)海上自衛隊の活動が日本国憲法に照らして許されるか―いまその真剣な吟味が求められているが、答えは「いずれもノーだ」とのべ、自衛隊の活動は無法な戦争行為の一部であり、派兵を許さない新たなたたかいをとよびかけました。

 志位委員長が、最後に、直面する熱い問題でも、政治を大本から変えるうえでも「ここに集った国民各分野のたたかいと手を携え奮闘する」と決意をのべると、参加者は大きな拍手でこたえました。
 (あいさつ大要⇒)