2007年9月9日(日)「しんぶん赤旗」

新しい政治 探求の時代 主導的に切り開こう

日本共産党 第5回中央委員会総会開く

「綱領と日本の前途を語る大運動」提唱

志位委員長が幹部会報告


 日本共産党は八日、党本部で第五回中央委員会総会(五中総)を開きました。会期は二日間です。志位和夫委員長が幹部会を代表して(1)参院選の結果と教訓(2)「新しい政治プロセス」を前進させるための「二重の構え」のとりくみ(3)総選挙の方針(4)国政選挙で勝てる党建設―の四つの主題で報告。「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」を提案し、総選挙勝利に向けた活動をただちに開始しようとよびかけました。


志位委員長が幹部会報告

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(写真)第5回中央委員会総会で幹部会報告をする志位和夫委員長=8日、党本部

 志位氏は、参院選の総括について、常任幹部会声明と党創立八十五周年記念講演会での二つの講演の中心点を改めて確認したうえで、政治論戦と選挙活動全体の二つの角度から総括を深めました。

 政治論戦では、自公政治を追いつめる上で日本共産党がはたした役割について詳述しました。同時に、「『たしかな野党』の責任をはたし、日本改革の方針を広く国民に語る」とした二十四回党大会決定の「二重の構え」でのとりくみを貫いたかどうかを問題提起。とりわけ、綱領と日本改革の方針を語ることを「党の日常の活動として抜本的に強める」点では、党中央のイニシアチブに弱さがあったと述べました。

 参院選後の新しい政治プロセスをどう前進させるか―。志位氏は、「二大政党づくり」の動きに新しい特徴が生まれ、その中で日本共産党の積極的な役割の発揮が求められている、と強調。政治的衰退がきわまった自民党の末期的な姿にふれるとともに、「反自公」を前面に掲げた「対決戦術」をとったが、自民党政治の「三つの異常」を共有し、路線的な問題点が変わったとはいえない民主党の矛盾など、政党状況の新しい特徴を解明しました。

 その上で、日本共産党が、次の「二重の構え」のとりくみを強化することが、新しい政治プロセスを前進させる上で重要だと強調しました。

 第一は、直面する熱い焦点で、間違った政治に反対をつらぬくとともに、国民の切実な要求を実現するために、積極的役割をはたすことです。

 第二は、党綱領と日本改革の方針を広く国民に語り、国民の利益にかなった「新しい政治」とは何かを、国民とともに探求するとりくみを、思い切って強化することです。

 志位氏は、このとりくみを「草の根から起こしたい」と述べ、「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」を提案。すべての支部が、国民の関心にこたえながら綱領を指針に日本の針路を語り合う「集い」を開くことなどを呼びかけました。

総選挙―「比例に力集中」の新方針

 きたるべき総選挙でどうたたかうか。参院選の総括などをふまえ、志位氏は、新たな方針を提起しました。

 一つは、得票目標は、今回の参院選で掲げた「六百五十万票以上」とし、これを当面、衆参の国政選挙の共通の全国的目標として掲げて、その達成をめざすことです。

 もうひとつは、比例代表での前進に力を集中できる選挙態勢をとることであり、そのために、「すべての小選挙区での候補者擁立をめざす」としたこれまでの方針の見直しを提起しました。

 第一は、小選挙区での立候補について「参院比例得票を8%以上獲得したところで、日常的、系統的に活動できる力量ある候補者を擁立できる選挙区」と「各都道府県で一選挙区以上」で候補者を擁立してたたかうことをおよその目安にして、都道府県の自主的判断で決定することです。

 第二は、比例代表選挙の候補者は、ブロック全域で活動する候補者に加えて、すべての都道府県から擁立することです。

 志位氏は、この方針見直しについて、いまの党の力量をリアルに検討した上での提案であると説明。全党が知恵と力を合わせて開拓すべき探求課題として、総選挙の比例代表選挙で前進するための活動を文字通り日常不断のとりくみにする、党機関と幹部の力を比例選挙に集中できる利点を最大限生かし切る、という二点を強調しました。

 国政選挙で勝てる党建設の問題では、「政治と理論の面で、そして組織の面で、強く大きな党がどうしても必要だ」として、この間のとりくみなどをふまえ五点について重点的に提起しました。

 幹部会報告を受けた討論では十八人が発言しました。