2007年7月27日付「しんぶん赤旗」

大激闘 東京・大阪・京都

比例5・選挙区必勝を

志位氏 宮本・成宮押し上げ


 「日本共産党の前進で、貧困と戦争から国民の命を守る政治をつくろうではありませんか」

 日本共産党の志位和夫委員長は参院選最終盤の二十六日、大阪市と京都市入りし、比例五議席の絶対確保と、横一線、大激闘を繰り広げる大阪選挙区(定数三)の宮本たけし候補と、京都選挙区(同二)の成宮まり子候補の必勝を訴えました。

大阪で

 大阪で志位委員長は、商店街を練り歩いたのをはじめ、大阪駅頭など四カ所で宮本候補らとともに街頭演説しました。大阪選挙区は、多くのマスコミ調査で、最後の二議席を、自民党、公明党、日本共産党の三候補が“横一線”でしのぎを削っています。

 南北に長さ約二・六キロ、“日本一長い”天神橋筋商店街で、宮本候補とともに訴えた志位氏は、洋品店、薬屋、たこ焼き屋などで、商店主や買い物客とがっちり握手。時には店の奥まで駆け込んで手を差し伸べます。気迫の志位氏に、「今回は商売がかかった選挙ですわ。絶対勝ってや」「消費税上がったらかなわんわ」などの期待の声が次々とかけられました。

 志位氏は演説で、「ストップ貧困、九条守る」の「二つの約束」をおこないました。このなかで、消費税増税問題で、安倍首相がごまかしをつづける一方、大阪の自民党候補が消費税10%を主張していることを取り上げ、「これでは頭隠して尻隠さずです。定率減税廃止の増税戦犯、公明党、消費税値上げの自民党、この増税連合に絶対に負けるわけにはいきません。自公政治ノーの一票をこぞって日本共産党と宮本候補へ」と全身の力を込めると、どこでも大きな拍手と歓声がわきおこりました。

 大阪駅前の歩道橋で足を止め聞いていた男性(50)は「大きな革新政党がなければ政治はよくならない。志位さんに党首討論に出てもらいたい」と語りました。

 南海なんば駅前で志位委員長とともに訴えた山下よしき比例候補は「自公政治にたいする国民の怒りはパンパンにふくらんでいます。政治を変える願いは、草の根で国民とむすびつく日本共産党にこぞってお寄せください」と訴え。宮本選挙区候補は「先日、東淀川で、『ごはんがたべられない』と書き残して一家四人が無理心中しました。みなさんの痛みや悔し涙をまっすぐ国会に届けさせてください」と気迫を込めました。

京都で

 志位委員長は京都では、近鉄東寺駅前など三カ所で訴え。「共産党なら政治の間違いをきちんというてくれそうやな。聞いていこか」という女性など、どこでも聴衆の注目と大歓声に包まれました。京都選挙区は、最後の一議席をめぐって、自民候補と日本共産党の成宮候補が文字通り、一票を争う大激戦となっています。

 侵略戦争を賛美する「靖国」派の自民党候補と争う京都では、志位氏は、庶民大増税の問題とともに、憲法九条を守る意義と決意を正面から訴えました。

 「日本が戦後、一人の戦死者も出さなかったのは、自民党政治のおかげではありません。九条があったおかげではないでしょうか。これを正面から壊そうという安倍首相のたくらみは絶対に許すわけにはいきません」

 志位氏は、十八日に死去した日本共産党の宮本顕治元議長の生涯とともに、京都が生み、治安維持法の弾圧下、テロによって命を落とした山本宣治氏以来の京都の反戦・平和の伝統にふれ、「これらの先輩の頑張りがなかったらどうなったでしょうか。評論家の加藤周一氏は、『宮本顕治さんは反戦によって日本人の名誉を救った』という言葉を寄せてくださいました」と強調。憲法九条を守り抜く日本共産党のたしかな立場を訴えぬきました。

 そのうえで志位氏は、自民候補が「命を超える価値があることを教えることが徳育なのです」と語ったことをあげ、「人間の命より大事なものなど絶対にありません。命の尊さを教えることこそが教育のはずです。こんな候補者に絶対に負けるわけにはいきません。なんとしても成宮候補を押し上げてください」とのべると、聴衆は万雷の拍手で応えました。

 成宮まり子候補は「人間らしく働くルールをつくる、そして、子どもの未来に戦争はアカン、憲法九条の守り手として、どうか国会に送り出してください」と若さいっぱいに訴えました。

 南区の浅野和子さん(78)は「憲法を守るとのべた志位さんの話に胸が熱くなりました。改憲派には絶対に負けられない」と語りました。