2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」
参院選公示前日の十一日、日本記者クラブ主催の七党党首討論会が都内で開かれました。日本共産党の志位和夫委員長は「私たちは、『ストップ貧困、憲法九条をまもれ』――この願いは、『たしかな野党』・日本共産党にこぞってお寄せくださいということを訴えてたたかう」と表明しました。
![]() (写真)党首討論会で発言する志位和夫委員長(右から3人目)=11日、東京・日本記者クラブ |
志位氏は冒頭の発言で、「消えた年金」問題について、これまで建設的提案をしてきたことにふれ、「国の責任で一人の被害者も残さず解決するまで力を尽くしたい」と強調しました。
さらに、「経済大国といわれる日本で貧困が深刻になっているのは大問題だ」と指摘。「ストップ貧困」のために住民税、消費税の増税の中止、医療、介護などで国民の負担を軽減する「緊急福祉1兆円プラン」の実行、最低賃金の抜本的引き上げなど、日本共産党の具体的な提案を訴えました。
憲法問題では、自民党がマニフェストで三年後に改憲を発議するとしていることに対し、「憲法九条を投げ捨て、『海外で戦争をする国』につくりかえることは絶対に許してはならない」と強調。「党をつくって八十五年、反戦平和を貫いた日本共産党が伸びることが、憲法九条を守り抜く一番たしかな力になる」と力を込めました。
党首同士の討論で、志位氏は、安倍晋三首相と論戦しました。志位氏は、全国で激しい怒りの声が殺到している住民税増税の根源にある定率減税の廃止について、与党側が年金財源のためと説明していたことをあげ、「では基礎年金の国庫負担はどれだけ増えたのか」と追及。安倍首相は「数千億円だと思う」とのべました。志位氏は「政府答弁では五千百億円だ。二・八兆円の増税分の二割弱にすぎない。『年金財源のため』といって増税しながら、大企業などのための減税にばらまかれたのではないか。国民を欺くやり方だ」と批判しました。
さらに、安倍首相の消費税増税発言について、「わが党は消費税を上げることに絶対反対だが、秋の税制改正で消費税を上げる可能性があるなら、事前にこの参院選で国民に審判を仰ぐべきだ」と指摘。「増税後に既成事実の追認を国民に迫るのは、税金のあり方を国民が決めるという国民主権にもとる」と迫りました。
安倍首相は「税制の抜本改革のなかで議論していく」と発言。志位氏は、「質問にこたえていない。消費税は、導入の際も増税の際も、一度も事前の審判を仰いでいない公約違反の税金だ。これを三度繰り返すことは許されない」と批判しました。
志位氏は、記者から「九条改正をどう阻止するのか」と問われ、「憲法九条を守り抜こうとの一点で、国民の多数派を形成する。そのために共産党が、今度の選挙で前進したい」とのべました。