2007年1月11日(木)「しんぶん赤旗」

市場経済を通じての社会主義めぐり意見交換

志位委員長とベトナム共産党社会科学院長


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(写真)ドー・ホアイ・ナム社会科学院院長(左から3人目)と会 談する志位和夫委員長(右から4人目)=10日、ハノイ

 【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナムを訪問中の志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団は十日午前、ハノイのベトナム共産党本部でドー・ホアイ・ナム中央委員・ベトナム社会科学院院長らと、市場経済を通じての社会主義をめぐる理論的問題を中心に約三時間にわたり会談しました。

 ナム院長は、ベトナムが一九八六年のベトナム共産党第六回大会でドイモイ(刷新)路線を打ち出し、集中管理的経済体制から商品生産、多セクター経済体制へと進み、さらに二〇〇一年の第九回党大会で「社会主義志向市場経済」へと進んだこと、ベトナムが追求する社会主義としては「国民が豊かで、国が強く、公平、民主的、文明的な国の建設」をめざしていると、ドイモイ二十年の総括と目標を紹介しました。

 志位委員長は、市場経済を通じて社会主義に進むことを展望する日本共産党の立場について説明。双方は、(1)ドイモイにかかわって社会主義への志向性を保障するための国家経済、集団経済の主導性の獲得について(2)生産手段の社会化の内容である、生産者が主人公となることについて(3)社会主義への道を前進させる上での資本主義の害悪を国民に広く知らせることの意味(4)経済のマクロ管理と貧困削減のかかわり(5)ベトナムの資本主義世界市場への参加―など五つの問題を中心に意見を交換しました。

 ナム院長は現代資本主義をめぐる問題について今後、研究を深めたいとして、日本共産党が日本の資本主義の害悪とたたかっている経験を詳しく聞きたいと希望。社会主義をめざすベトナムと高度に発達した資本主義のもとで活動している日本共産党が、それぞれの経験を紹介しつつ、双方の関心や問題意識に即して討論する心のこもった交流となりました。