2007年1月11日(木)「しんぶん赤旗」

志位委員長、ベトナム書記長と会談

世界の平和秩序、理論交流などで意見交換


 【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナムを訪問中の志位和夫・日本共産党委員長は十日午後、ハノイのベトナム共産党中央委員会本部でノン・ドク・マイン書記長と会談し、アジアと世界の諸問題、ベトナムのドイモイ(刷新)と社会主義の前途、両党関係の発展などについて意見交換しました。


写真

(写真)会談するノン・ドク・マイン書記長(右)と志位和夫委員長=10日、ハノイ

 志位委員長は、「国連憲章に基づく平和の国際秩序を守り、どんな国であれそれを侵犯する覇権主義を認めないことが二十一世紀の世界で何よりも重要なことだ」と述べ、「アジアで軍事同盟から地域の平和共同体への大きな変化が生まれている」として、東南アジア諸国連合(ASEAN)や上海協力機構(SCO)の役割を高く評価しました。

 その上で、「アジアで解決が迫られている問題が二つある」として、イラク問題と北朝鮮の問題について述べました。

 イラク問題について志位氏は、両党が五年前の東京での首脳会談でイラク戦争反対で一致したことを指摘。「その後のイラク情勢の展開は両党の立場の正しさを証明した。米軍の期限を区切った撤退が必要だ」と述べました。

 マイン書記長は志位委員長の発言に深くうなずき、「あなたがたと全く同じ見解です。イラク問題をうまく解決できなければ事態はいっそう深刻になる」と述べました。

 志位委員長はさらに北朝鮮問題について、「国際社会が一致して平和的・外交的解決を図ることが大切だ」と強調。北朝鮮に核兵器・核開発の放棄を求めた国連決議順守と二〇〇五年九月の六カ国協議の共同声明順守の重要性に触れ、「この共同声明は日朝共同宣言の重要性を確認している。共同宣言は北朝鮮の核問題、拉致問題、過去の清算を含んでいる。六カ国協議が成功し、日朝関係が正常化すれば東南アジアの平和の流れは北東アジアに広がる」と述べました。マイン書記長は「あなたがたの意見に完全に賛成する。それ以外の解決の道はない」と強調しました。

 志位委員長は原水爆禁止世界大会にベトナムが毎年、代表を送り、国家主席が毎年、心のこもったメッセージを寄せていることに触れ、ベトナムの幾世代にも影響する枯れ葉剤被害に言及、大量破壊兵器廃絶の重要性を指摘し、「地球規模で核兵器を廃絶する課題で協力していきたい」と述べました。マイン書記長は「ともに大量破壊兵器の悲惨さを体験した国として核兵器廃絶のために協力したい」と応じました。

 志位委員長はベトナムのドイモイが前進し、ベトナムが政治的にも経済的にも国際社会での役割を高めていることを喜んでいると述べました。また両党関係について、今回の訪問が「指導部の訪問としては八年ぶりであり、抗米救国戦争いらいの四十一年間の両党の友好・連帯を二十一世紀にふさわしい形で発展させたい」と表明。午前中の双方の理論交流がたいへん有益だったことにも触れ、両党の間で理論交流を発展させていきたいと述べました。マイン書記長は、両党の理論交流について歓迎するとともに、「今回の訪問は、両党関係、両国関係の発展にとって、大きな意義をもつものとなりました」と述べました。

 会談後、マイン書記長主催の歓迎夕食会が開かれ、両氏は、二時間半にわたって、世界とアジアの諸問題、社会主義運動の前途、党建設など多岐にわたって和やかに懇談しました。