2006年12月15日(金)「しんぶん赤旗」

「オール与党」の「逆立ち」ただす
日本共産党の2議席を必ず

山梨 志位委員長の演説から(要旨)


 日本共産党の志位和夫委員長が十三日、山梨県内で行った演説のうち、山梨県政に関係する部分(要旨)を紹介します。(今後、地方政治についての演説要旨を随時掲載していく予定です)


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=13日、山梨県昭和町のアピオ甲府

 来年一月の山梨県知事選では石原秀文候補の勝利を、つづく四月の県議選では、甲府で、こごし智子候補、定数三となった南アルプスでは名取やすし候補へのバトンタッチを必ず果たしたいと思います。みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。(拍手)

「オール与党」の癒着で異常な「逆立ち」県政

 山梨県議会は、自民系二十七人、民主系六人、公明二人の全部が与党という「オール与党」県政です。日本共産党の二議席だけが野党です。

 知事選では、自民陣営が、現職知事派と元衆院議員派に割れ、民主党は現職知事を推薦しました。救いようのない「オール与党」の癒着ぶりです。日本共産党の二議席こそ、県民の願いを届けるかけがえのない役割をはたしている二議席です。

 「オール与党」県政で、山梨県はどうなっているのか。総務省の統計をみますと、土木費割合は全国一位の21・7%、民生費(福祉費)割合は全国四十三位の6・5%――福祉予算の三・五倍以上を土木費に使っています。この「逆立ち」は、ほんとうに異常です。

敬老祝い金・医療費削減 福祉切り捨て次つぎ

 一つは、福祉切り捨ての異常さです。たとえば敬老祝い金です。二〇〇四年から支給基準を厳しくし、対象者は五万七千人から一万一千人に激減しました。

 老人医療補助金でも、六十八、六十九歳の医療費の自己負担を一割に減額する県単独事業の対象を、〇五年度から非課税世帯だけに限定し、78%のお年寄りを制度から排除しました。

 県独自の上乗せ制度を削っていく――これは「住民の福祉と暮らしをまもる」という自治体の存在意義を自ら否定するものではありませんか。(拍手)

 もう一つは、マスメディアでも大きく取り上げられている高すぎる国保料と保険証の取り上げの問題です。山梨県では、四年間で国保料滞納世帯は、二万七千世帯から三万三千世帯に増え、資格証明書の発行は、千百三十二世帯へと倍加しました。

 国保の運営は市町村ですが、「オール与党」県政は国と一体になり、市町村に圧力をかけてきたのです。とくに二つの「指導」が大問題です。

 一つは、市町村の国保会計に一般会計からお金を繰り入れることをやめよという指導です。全国の少なくない市町村で繰り入れをし、保険料を引き下げているのとは対照的です。

 もう一つは、基金を積み立てて、保険給付費の25%という数値目標をおしつけてため込めというのです。石原さんが追及し、数値目標のおしつけはやめましたが、いまでも基金は10%をこえています。このお金を活用すれば、保険料を引き下げることができるのです。「高すぎる国保料を下げろ」「保険証取り上げをやめろ」――この声を日本共産党に託してください。(拍手)

ムダな巨大開発に税金 地元負担さらに膨張

 一方で、「オール与党」県政は、無駄な巨大開発を改めていません。

 たとえば、甲府市内の米倉山の南面に、四十四ヘクタールの造成地を百五十二億円かけて開発した「米倉山ニュータウン」です。マスメディアも、「米倉山ニュータウン ツケは税金」(「朝日」九月三十日付)と告発しました。県は無利子融資を流し込み、この四年間に八十億円、累計で百五十億円も注ぎ込んだのです。

 さらに、中部横断自動車道をつくる計画です。料金収入で建設費を賄うのでなく、「新直轄方式」といって、国と県が税金を使ってつくる方式です。地元負担は巨額で、県負担が約百八十億円、さらに三百二十億円まで膨張する可能性があります。「早くつくるにはこれが一番」といって知事を後押ししたのが、自民、民主、公明の「オール与党」です。

 みなさん、県にお金がないのではありません。「福祉の心」がないのです。「福祉の心」をもつ日本共産党の二議席のバトンタッチをぜひさせてください。(拍手)

かけがえのない日本共産党の議席

 もう一つ驚いたのは、県議会のありさまです。

 「オール与党」県議の醜態をさらす記事がつづけて「朝日」に載りました。一つは「知事の話よりマンガ本」「県議が熟読」「傍聴者憤慨」というものです(笑い)。「(知事の)演説中に、約50分間にわたってマンガ本を読んだ。傍聴席からよく見える位置だったため、傍聴者の中には『非常識だ』と憤慨する人もいた」(九月二十九日付)というのです。

 「県議会の質問で知事PR打診?」という記事(九月三十日付)も出ました。自民党県議が代表質問のさい、県側から「知事の功績を評価する内容の質問書を読んでくれと打診された」というのです。県側は「『慣例に従って質問作りのお手伝いをしただけ』と反論している」という。「慣例」というのは語るに落ちるというべきでしょう。県議会の質問でも「やらせ」が横行している。(笑い)

 もう一つは、海外豪華旅行です。四年間の任期中に議員一人あたり、一回九十万円の公費を使い、自民系二十四人、民主系五人、公明一人、無所属一人の三十一人が行きました。公明党も参加した北欧四カ国視察研修・報告書をみると、「観光行政視察」というのをやっている。豪華観光旅行ですよ。

 公明党は、前回のいっせい地方選前の全国会議で、「海外視察の自粛」を決めていました。聖教新聞は座談会で、「だいたい議員の海外視察といえば、悪評ふんぷんだった」「この不景気に、何十万円、何百万円も使って、何が『視察』だ、偉そうに!」(〇三年二月六日付)とまでいっているのです。全部、自分たちにはねかえるではありませんか。(「そうだ」の声)

 議員としての仕事をしっかりはたしているのは日本共産党だけです。乳幼児医療費の問題でも、県民の運動と共同し、日本共産党は本会議だけでも四年間で七回も質問、窓口無料化を実現しました(拍手)。県民の声を県政にとどける日本共産党のかけがえのない議席のバトンタッチを必ずお願いいたします。(大きな拍手)