2006年10月4日付「しんぶん赤旗」南関東版に掲載

安倍首相答弁 “従来と比べ大後退”

「迫力あった志位質問」

教育で価値観押付けるなんて


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(写真)傍聴者に安倍首相の答弁の問題点を解説する志位氏(写真右)=3日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は三日、臨時国会衆議院本会議での代表質問後、傍聴した七十人を超える人たちと国会内で懇談しました。

代表質問後に傍聴者と懇談

 志位氏は懇談で、日本の侵略戦争を正しかったとする“靖国史観”の問題やアジア諸国の人たちを苦しめた従軍慰安婦問題について、安倍首相がみずからの見解を示さなかった点について「大問題だ。小泉前首相でさえ『政府の考えは靖国神社の考えと違う』と言っていたのと比べても大後退だ」と批判しました。

 東京地裁が違憲・違法と断じた東京都教育委員会による学校での「日の丸・君が代」の強制について、安倍首相が「適切」と答弁したことについて、志位氏は「(都教委のような『日の丸・君が代』指導の徹底を)『全国的に取り組む』という答弁は許せません」と厳しく指摘。「今後も予算委員会で歴史問題などを追撃していきます。みなさんからの大きなご支援をお願いします」と表明しました。

 旧日本陸軍兵士だった山室勝司さん(81)=横浜市港南区=は「終戦のとき上官の命令で世話をしていた馬を自分の手で殺しました。安倍首相の答弁には戦争できる国づくりをすすめようとする野望が見え隠れしていた」とカンカンです。

 山梨県内の男子学生(18)は、教育基本法改悪への意欲を示す安倍首相の答弁を聞いて、「国が教育で一方的に価値観を押しつけることにすごい怒りを覚えます」とのべました。

 宅配ピザ屋を経営する萩野和江さん(52)=千葉県鎌ケ谷市=は初めて国会質問を傍聴し、「志位さんの質問は迫力がありました。中小業者の経営は大変で、廃業する人が相次いでいます。がんばってこんな政治をかえたい」と話しました。

 傍聴と懇談には、谷川智行参院比例候補、はたの君枝参院神奈川選挙区候補(前参院議員)、浅野ふみ子参院千葉選挙区候補、花田仁参院山梨選挙区候補も出席しました。