2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」

基地強化ノー 島ぐるみの

たたかいの先頭にたつ市長を

沖縄市長選・東門みつこ総決起大会

志位委員長の訴え(大要)


 沖縄市長選(十六日告示、二十三日投票)での東門みつこさんの勝利を目指し開かれた総決起大会(七日)で、日本共産党の志位和夫委員長が行った訴え(大要)は次の通りです。


革新無所属でこそ、勝利への道開かれる

写真

(写真)連帯のあいさつをする志位和夫委員長=7日、沖縄市

 お集まりのみなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。日本共産党の志位和夫です(拍手)。私は、まず、東門みつこさんが、革新の統一と共闘のために、党籍をはなれ、無所属を決意されたことに、心からの敬意をのべたいと思います。(拍手)

 「市民の会」には、五つの政党と広範な市民・労働団体が結集していますが、革新無所属の人が中心になってこそ、幅広い勢力が、それぞれのもてる力を気持ちよく発揮して、勝利への道を開くことができる――これは沖縄の革新共闘の歴史が証明していることではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党は、東門さんの勝利のために、みなさんとがっちりとスクラムを組んで、最後までがんばる決意です。(大きな拍手)

「米軍再編」のゆくえを左右する重要な選挙

 いま、「米軍再編」の名で、米軍基地を強化・永久化し、米軍と自衛隊が一体になって海外での戦争に出撃する態勢がつくられようとしています。この動きの最大の焦点の一つとなっているのが沖縄県です。

 その沖縄県にあって沖縄市は、那覇市につぐ県内第二の都市です。その代表を選ぶこの選挙は、全国の「米軍再編」のゆくえを左右する、まさに重要な意味をもつたたかいであり、どんなことがあっても負けるわけにはいきません。(拍手)

島ぐるみの団結つくる条件が生まれつつある

 私は、今年二月に沖縄にうかがい、基地問題をめぐって、大きな情勢の変化がおこっていることを痛感しました。

 これまでは、一九九六年のSACO(沖縄にかんする特別行動委員会)合意をめぐって、沖縄県民が二つに割れていました。「SACO路線やむなし」という勢力と、「SACO路線による県内たらい回し反対」という勢力に割れていました。

 ところが、いま「米軍再編」の名で、沖縄におしつけられようとしている基地強化案は、SACO合意にくらべても、いっそうひどい代物であります。

 そのもとで、これまでSACO合意に賛成してきた人も、反対してきた人も、島ぐるみで基地強化反対の大同団結をつくる条件が生まれつつあります。(拍手)

県民だれも受け入れられない「沿岸案」

 名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部の海兵隊新基地計画は、県民だれもが受け入れることのできない最悪のものとなりました。

 これまでのSACO合意にもとづく海上基地案では、ともかくも「撤去可能なもの」とされていました。ところが沿岸案では、この建前さえまったくなくなり、文字どおりの恒久基地として建設されようとしています。

 滑走路が千八百メートルに延長され、桟橋つきの飛行場となるなど、格段の機能強化がはかられようとしています。

 このもとで、「沿岸案反対」では、島ぐるみの一致点がつくられています(拍手)。政府は、「微修正」でおしつけようと躍起ですが、そんなごまかしは県民には通用しないという審判を下していこうではありませんか。(拍手)

F15即時撤去こそ市民の願い

 嘉手納基地の米軍のF15戦闘機の訓練を「分散」する動きも持ちあがっていますが、これも負担軽減にはなりません。

 ローレス米国防副長官は「目的は訓練減少ではなく、自衛隊との共同訓練と相互運用性向上だ」とのべました。北原防衛施設庁長官は、航空自衛隊が嘉手納基地を共同使用する、そのための新たな施設をつくると公言しました。

 米軍のF15戦闘機の訓練を「分散」したとしても、自衛隊のF15戦闘機が嘉手納基地に入ってくれば、何にもならないではありませんか(拍手)。「星」のマークが「日の丸」になって(笑い)、だれが喜ぶでしょうか。日米両軍が一体になって世界に出撃する態勢強化など、だれものぞんでいません(拍手)。沖縄市民がのぞんでいるのは、市議会で全会一致の決議がされたように、事故と騒音をまきちらすF15戦闘機の即時撤去ではないでしょうか。(拍手)

東門さんの勝利で「米軍再編」にきっぱりノーを

 名護の沿岸案反対でも、嘉手納基地の強化反対でも、いま沖縄は、島ぐるみ、自治体ぐるみの大同団結をつくる条件が生まれつつあります。

 島ぐるみ、自治体ぐるみの団結をつくり強めるなら、私は、必ず、基地強化のおしつけをはねかえすことができると思います。(拍手)

 いま求められているのは、その声の先頭にたってたたかう市長であります(拍手)。「米軍再編」の名による基地強化・永久化に反対し、政府にむかって堂々とものがいえる市長を、みんなの手でつくることです。

 この仕事を安心してたくせるのは、東門みつこさんをおいてほかにありません。(大きな拍手)

 相手は、基地問題について、いろいろいっていますが、基地強化おしつけの張本人――自公政権にかつがれた人です。久間元防衛庁長官をはじめ自民党幹部が、入れ代わり立ち代わり選挙のテコ入れに入っています。政府・自民党まるがかえの選挙をやっている人で、どうして県民の立場でものがいえるでしょうか。東門さんの勝利で、「米軍再編」にきっぱりノーの審判をくだす選挙にしていこうではありませんか。(大きな拍手)

暮らし・福祉―市政の心にチムグリサンをとりもどそう

 沖縄市民の暮らしにとっても、この選挙のもつ意味は大きいものがあります。

 沖縄市の暮らしの実態は、お年寄りの孤独死があいつぎ、県内で一番空き店舗の多い街になってしまうなど、たいへん深刻です。

 その根本には、市の面積の三分の一を占める米軍基地の存在があります。

 同時に、市政が革新から保守に変わった、この八年間に、市政が「住民の暮らしを守る」という自治体としてのあたりまえの仕事を投げ捨ててしまったという大問題があるのではないでしょうか。

 新川革新市政の時代、沖縄市では福祉をリードするさまざまな施策がおこなわれました。高齢者や障害者への見舞金制度、介護浴槽車による自宅での入浴サービスなどであります。

 新川さんの口癖は、チムグリサン(拍手)――人の苦しみをわが苦しみと感じ、心を痛める――だったと聞きました。この心でおこなわれた施策を、保守市政はことごとく切り捨てました。国保会計への一般会計からの繰り入れは、革新市政時代の十四億円から二億円に激減し、国保料が高すぎて払えない世帯が20%にのぼっています。

 東門みつこさんで、市政の心にチムグリサンをとりもどそうではありませんか(大きな拍手)。平和への願い、福祉への願いをこぞって東門さんに集めて、必ず勝とうではありませんか。(大きな拍手)