2006年3月13日(月)「しんぶん赤旗」

横浜市長選告示 志位委員長が応援

市民に冷たい中田市政

松川さんで人間尊重へ


 横浜市長選挙が十二日告示(二十六日投票)され、「市民の市長をつくる会」の松川康夫候補(64)=無所属新、日本共産党推薦=が「憲法を生かして平和を守り、市民の声に耳を傾け、福祉の向上に力を尽くす市政の実現を」と第一声をあげました。同日午後には、日本共産党の志位和夫委員長が応援に駆けつけ、横浜駅西口で三千五百人の聴衆を前に、三つの争点を解明し、「松川さんで人間が人間として尊重される温かい血の通った市政を実現しましょう」と訴え、聴衆から大きな拍手と声援が飛びました。


 市長選には三氏が立候補しましたが、松川候補と、二期目をめざす現職の中田宏候補(41)=無所属、自民、民主、公明支持、ネット横浜支援=の事実上の一騎打ちです。

 志位氏は、耐震偽装やライブドア事件、貧富の格差の広がりなど小泉「構造改革」の実害が噴出しているとして、「こういう時こそ住民の福祉と暮らしを守る、弱い立場にある方々の暮らしに手をさしのべ、社会的格差をただす、本来の地方自治体の役割が求められています」とのべました。

 そのうえで、「ところが、中田市政は『改革』と称して、小泉政治に輪をかけた弱肉強食の冷酷無情の政治を押し付けてきた」と批判しました。

 志位氏は、重要な争点として三つあげました。

 第一の争点は、「改革」の名で福祉を根こそぎ破壊する市政を、大本から転換することです。

 中田市政は、敬老パスの有料化や介護援助手当の切り捨て、保育料の値上げ、保育所の民営化など市民向けサービスの全分野で市独自の施策を次々と廃止・縮小してきました。

 志位氏は、主な百の施策だけでも、年間百億円もサービスを切り捨てて、「福祉の心を投げ捨てた市長の責任は重い」と批判、こうした「中田改革」の大本に(1)国以上の仕事はしない(2)他市以上の仕事はしない(3)全サービスにコストに応じた負担を求める―という「お金のない人は、福祉から排除されてしまう『福祉破壊の三原則』がある」と指摘し、「松川さんで横浜の福祉を取り戻しましょう」と訴えました。

 第二の争点は、巨大開発には指一本触れず推進する「逆立ち」市政からの転換です。

 中田市政が、財界・大企業の要求にもとづく「MM21地区開発」や「本牧・南本牧の巨大埠頭」、高速道路関連の三事業だけで二千億円以上をつぎ込み、MM21地区への本社移転を決めた日産自動車には、巨額の助成金や減税、横浜駅東口から本社をつなぐ歩行者専用陸橋建設などで合計百億円を超える支援を推進していることを批判。「百億円の暮らしの予算を切り捨て、百億円を日産につぎ込む。こんな逆立ちした市政はありません。松川さんで税金の使い道を大本から変えれば、暮らし充実のための財源は十分つくれます」と訴えました。

 第三の争点は、基地のない横浜・神奈川、憲法九条を守る平和市政をつくることです。

 中田市長は、横須賀への原子力空母配備について、横浜市も深刻な放射能事故にあう危険性があるのに、「口をはさむつもりはない」とのべ、地元自治体との約束に反した「池子の森」への米軍住宅増設計画にも「反対しても建つものは建つ」と表明しています。

 志位氏は、米軍基地の再編・強化計画に、相模原市や座間市など全国各地で市長が反対運動の先頭に立っていることを紹介したうえで、「多くの市民が空母艦載機の騒音と事故に苦しめられ、新たな原子力空母配備に不安をつのらせているときに、こんな態度をとる人物に、市政をあずかる資格はありません」と厳しく批判。「基地のない横浜・神奈川への願い、憲法九条を守り生かす願いを松川さんへ」と力強く呼びかけました。