2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」

参院神奈川補選

志位委員長の訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は、六日告示された参院神奈川選挙区の補欠選挙で「庶民大増税ストップ、憲法九条を守りぬく、米軍基地のない神奈川――県民の三つの願いを、日本共産党へ」と力強く訴えました。

 志位氏は冒頭、衆院選での支援に感謝を表明。そのうえで、今回の選挙が衆院選後初の国政選挙であり、「日本の国の進路にかかわる大きな意味がある選挙です」と語りかけました。このなかで小泉政権が“数の力”をバックに“おごり”と“暴走”を強めていることを、庶民増税や改憲などの問題を詳しくのべながら告発。「いま、暮らしを守り、平和を守る議席をのばすことが必要です。小泉政権の“暴走”に、国民の立場で正面から対決できるのは日本共産党しかありません」と力説しました。

 そのうえで、今回の選挙で問われる三つの争点(1)庶民大増税を許さない(2)憲法九条を守りぬく(3)米軍基地の強化ノー――を、それぞれ解明しました。

■庶民大増税を許さない

 庶民大増税の問題で志位氏は、自民党が「政府税調のサラリーマン増税はやりません」といいながら、選挙後になって、政府税調の方針=定率減税廃止や控除見直しによる所得税増税、消費税増税の検討をいい出したことを批判。無駄な大型公共事業や米軍への「思いやり予算」などにはメスを入れず、大もうけをあげている大企業に相応の負担を求めることにたいしても、「大企業をいじめると海外に出ていく」と拒否する小泉政権の姿勢について、「国民は海外に逃げられない。だから増税なのか」と痛烈に批判すると「許せない」の声がわきおこりました。

 民主党も、消費税の値上げ、控除廃止による増税で、小泉政権と同じレールで競い合っていることを批判し、「庶民大増税ストップの願いは日本共産党へ」と訴えました。

■憲法九条守りぬく

 志位氏は、第二の憲法の問題でも自民党と民主党が「改憲草案づくりで競い合いを始めています」と指摘。両党とも、戦力不保持をうたった九条二項をなくし、「海外で武力行使ができる国」にかえることが目的であることを解き明かし、「こんなことを、国民のだれが望んでいるのか。望んでいるのはアメリカだけです」と批判しました。

 「毎日」の世論調査(五日付)では「九条を変えるべきでない」が62%、「九条は平和に役立った」が80%に達していること、「九条の会」が全国で三千以上もつくられていることを紹介し、「この九条守れの声、平和を守れの声をすべて日本共産党にお寄せください。憲法を守るただ一人の候補・はたのさんを勝たせてください」と訴えました。

■米軍基地強化ノー

 第三の米軍基地の問題で志位氏は、キャンプ座間に米陸軍第一軍団司令部の移転が進められようとしていることを厳しく批判。

 このなかで、▽同司令部が指揮する部隊は、女性や子どもを殺りくしたイラク・ファルージャ掃討作戦のような野蛮な作戦を勝ちぬく「ストライカー旅団」であること▽陸上自衛隊の海外派兵専門の部隊=中央即応集団司令部も配備されようとしている――ことを告発しました。

 神奈川では、すでに横須賀基地で、米海軍と海上自衛隊の司令部が一体化していることをのべ、「神奈川を、海軍でも陸軍でも、海外への戦争に打って出ようとする部隊の根拠地にしようとしている。こんな恐ろしい計画は絶対に許せない」と力を込めました。

 一方で、自民党の候補が、県内への基地移転を“抑止力を維持する観点から必要”と主張し、民主党の代表も、移転反対の県民世論に対し「木を見て森を見ず」と非難し、「県民を説得する」立場に立っていることを批判。「日米両政府は、県民の怒りを恐れ、まだ正式には(移転計画を)決められないでいます。はたのさんが勝利すれば、ストップへの大きな道が開けます。これ以上の米軍基地は絶対にゴメンです。基地のない神奈川への思いを、日本共産党・はたのさんにたくしてください」と訴え、聴衆から大きな拍手が送られました。