2005年4月16日付「しんぶん赤旗」

共産党都議団3つの値打ち

「オール与党」は石原暴政の推進役

志位委員長が訴え

東京・豊島


 日本共産党の志位和夫委員長は十五日、東京・豊島公会堂で演説し、七月三日投票の東京都議選に向けた遊説のスタートを切りました。豊島区では、六期務めた池田梅夫都議から、渡辺くみ子都議候補がバトンを受け継ぎます。志位氏は「首都の選挙でどの党が議席を伸ばすかは、東京のみなさんにとって大切なだけでなく、国の政治にも大きな影響をおよぼします。国政と都政での政党の値打ちを見極めて選んでほしい」と、七百五十人の聴衆に語りかけました。

 「対決の構図は『オール与党』か日本共産党かです」とのべた志位氏は、まず国政について、憲法改悪でも大増税・負担増路線でも、自民・公明と民主が競いあってすすめていることを指摘しました。「『二大政党』の正体は『オール与党』。日本共産党はまっとうな野党の旗をかかげ、国民とともに進みたい」とのべると、大きな拍手がわきました。

 都政に話を進めた志位氏は、福祉や憲法を敵視する発言を繰り返す石原知事の都政を「異常に乱暴で都民をばかにした暴政」と告発。その上で「こういう暴政は知事一人でできるものではない」として、都議会では日本共産党以外の「オール与党」が「行政のチェック機能を放棄するだけでなく、悪い政治の先導役・推進役となっている」と特徴づけました。

 志位氏は「都議会『オール与党』の三つの害悪と、日本共産党都議団の三つの値打ちを訴えたい」として、(1)福祉切り捨て(2)巨大開発のムダ遣い(3)「日の丸・君が代」の押しつけ―の三つの角度から解き明かしました。

 自民や民主がシルバーパスや寝たきりのお年寄りへの福祉手当切り捨てを都に迫ったことを、議事録をひいて紹介。そのなかで日本共産党都議団が乳幼児医療費をひろげるなど現実に都政を動かし、テレビ討論でも司会者から「福祉といえば、やはり共産党」と評価されたことを紹介しました。「知事と『オール与党』の福祉切り捨てコンビが最も恐れる日本共産党を前進させよう」と訴えると、会場は拍手でこたえました。

 また、日本共産党の追及に、石原知事が「行くも地獄、退くも地獄」と完全な破たんを認めた臨海開発に、「オール与党」が「首都東京の再生につながる」などと事業の継続を迫る質問を繰り返したことを告発。「ムダ遣いなくせの一票を日本共産党に」と訴えました。

 最後に志位氏は、豊島区が東京二十三区の三人区で前回唯一議席を守った選挙区であることを強調。「底力を発揮して必ず渡辺くみ子さんにバトンタッチさせてください」と呼びかけると、会場から大きな拍手と歓声がおこりました。

 吉田五男さん(80)は「志位さんの話を聞いて、『オール与党』がムダな臨海開発を推進していることに腹が立った。このことを多くの人に伝えたい」と語りました。保育園に勤務する女性(33)は「志位さんの話は、新鮮に感じた。日本共産党が住民の福祉を守っていることがよくわかった」といいました。