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山田知事の誕生で、暮らしと平和まもる本当の地方自治を

千葉県知事選 志位委員長が応援演説(大要)

 「明るい民主県政をつくる会」が二月二十六日津田沼駅頭でおこなった街頭演説で、志位和夫日本共産党委員長・衆議院議員が山田安太郎候補の応援演説をおこないました。その大要をお知らせします。

 みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫です。いつも地元のみなさんには、たいへんお世話になっております。

県民のたたかいあるところ庶民の弁護士・山田さんあり

 知事選挙がはじまり、激戦のたたかいになっています。さきほどお話しされた山田安太郎さんは、苦学して法律を学ばれ、それだけに庶民のみなさんの心がわかる正義の弁護士です。そして、千葉県で県民のみなさんのたたかいがおこったとき、つねに先頭に立ってこられた方です。

 川崎製鉄がまきちらした公害を許さない「あおぞら裁判」の画期的な勝利は、県民のみなさんと山田さんたち弁護士のみなさんの力が合わさった大きな成果でした。東京電力で働く労働者の差別を撤回させた裁判でも、山田さんの働きは大きなものがありました。「県民のたたかいあるところ山田安太郎さんあり」という、すばらしい働きをされてきた方を知事候補にすることができ、たいへんうれしく思います。

 どうかみなさん、山田知事が誕生できますように、お力ぞえをよろしくお願いいたします。(拍手)

古い自民党型県政の継続か、「県民が主人公」の新しい県政への転換か

二股をかけているだけの自民党

 さて、今度の知事選挙の対決の構図はどうなっているでしょうか。立候補しているのは、「明るい会」の山田安太郎さん、現職知事の堂本さん、東京の元国会議員の三人です。「ねじれている」とか「わかりづらい」という論評もありますが、対決の中身は、きわめてわかりやすい。古い自民党型県政を続けるのか、それとも「県民が主人公」の本物の地方自治を千葉県にうち立てるのか、この二つの流れの対決がその中身だということを訴えたいと思います。

 相手方は二人いますが、現職知事を支持しているのは、公明党と民主党と自民党の一部の県会議員です。もう一人の東京の元国会議員を支持しているのは、自民党の県連です。表向きは、自民党が現職知事に「対立候補」を立てた形になっていますが、実態はそうではない。自民党が二つに割れて、二股をかけているだけです。自民党にとっては、「どちらが勝ってもけっこう」というのが選挙の実態なのです。

現知事と自民党の一心同体ぶりは隠しようがない

 みなさん。前回の知事選挙で、堂本さんは「無党派」を最大の看板にし、それに期待をよせた方もいたと思います。しかし、その看板が偽りだったことが、この四年間ではっきりしました。

 最近読んだ「エコノミスト」誌(2月22日号)でも、痛烈に批判しています。「堂本知事『無党派』から…の変節」という記事です。「前回、堂本当選の原動力となった無党派の多くは、知事の変節に苦い思いをかみしめている」「環境や福祉を重視する市民たちの期待はやがて失望に変わる。堂本知事が就任直後から、県議会で多数を占める自民党にすり寄り、沼田武・前知事時代とあまり変わらない県政になったからだ」。「堂本支援に動いた市民たちが何より反発しているのが、大規模開発事業の継続だ」。

 私も、このとおりだと思います。この四年間を見ますと、堂本さんと自民党との一心同体ぶりは、隠しようがありません。双方の発言を紹介したい。

 自民党は、知事が就任して初めての県議会で、幕張新都心とかずさアカデミアパークは「継承するのか、見直すのか」と知事の姿勢を質しました。知事の答えは、「着実にすすめます」というものでした。これを聞いて、自民党の県議は「沼田前知事の後継者のような答弁で、安堵感をもって聞いた」と言いました。二年後の県議会では、ついに自民党の予算要望を丸のみし、自民党幹部は「(自民党の)新年度予算要望はすべてのんだ。ケンカする理由がない」と言いました。自民党からすれば、自分たちのいうことはなんでも聞く知事だということです。

自民党へのべったりぶりをしめした花沢事件 

 では、堂本知事の側はどうでしょう。知事と自民党のべったりぶりを象徴した事件がありました。昨年七月、自民党の県議会議員で議員会長だった花沢三郎さんという人が、役所に無法な圧力をかけて三千万円もの市民税、県民税を税金逃れして、逮捕されるという事件ありました。みんな、あきれました。ところが、もっとあきれたのは、逮捕された翌日の記者会見で、知事がこの県議を「たいへん真摯に千葉の将来について考えていた政治家だと思っている」と、天まで持ち上げたことです。そして、県議辞職が大問題になったときには、知事は「本人の決めることだ。参院議員時代、私の隣には何度も刑務所に入った人もいた」と発言し、かばいだてまでしました。

 この知事の擁護発言は、裁判でも利用されて、花沢被告の弁護側は、知事発言をひいて情状酌量を求めました。懲役二年の求刑が一年六ヶ月に短くされました。マスコミも知事発言を「税金問題で公判中の被告を擁護しておいて、問題がないといわんばかりの知事の姿勢には疑問が残る」と、きびしく批判しました。

 みなさん。自民党と一心同体の現職知事にも、自民党に公然と支持された元国会議員にも、県政を変える力はない、これは明らかではないでしょうか(拍手)。山田安太郎さんこそ、うずまく県民のみなさんの要求、県民の苦しみにこたえて、県政を大もとから改革できる唯一の候補です。どうか「県政を変えよう」という一票を、こぞって山田さんにお寄せください。(拍手)

争点(1)国の悪い政治から県民を守るのか、国と二人三脚で痛みおしつけか

 選挙の具体的な争点に、話をすすめたいと思います。

 今度の選挙は、大きくいって二つの争点が問われていると思います。

 第一は、国の悪い政治に対してどういう姿勢をとるのかという問題です。国が悪い政治を押しつけてきたときに、県民の暮らしを守る「防波堤」になって働く知事か、それとも国と二人三脚で痛みを押しつける知事か、これが大きな争点になっています。

県民の暮らしを壊す小泉大増税路線

 まず問われるのが、大増税路線に対する態度です。小泉内閣は、戦後いちばん悪質といってもいい大増税路線に踏み出そうとしています。二〇〇五年度と二〇〇六年度の二年間で定率減税を廃止して、三・三兆円の大増税をやる。さらに社会保障料の値上げなど、あわせて二年間で七兆円の負担増を押しつけようとしています。そして、二〇〇七年からは、いよいよ消費税増税に踏み込もうとしています。

 先日、衆院予算委員会の総括質疑で私は、小泉首相に「いま大増税路線に踏み出したら、景気と経済が大変なことになる、どういう認識をもっているか」と質しました。思い出すのは、一九九七年に橋本内閣が押しつけた消費税の値上げなど九兆円の負担増です。これは景気をどん底に突き落とし、大失政になりました。その九兆円の負担増より、こんどの大増税の方が始末に悪いと告発したのです。九七年のときは、景気も徐々に回復し、家計の所得も毎年四〜五兆円伸びていたのです。ところがそれを上回る九兆円の負担増で、景気の底が抜けた。こんどは違うのです。いまはリストラで賃金が下げられ、失業も深刻です。国民の家計所得が毎年数兆円規模で減っています。下り坂で後ろから背中をどーんと突くような大増税路線に踏み出せば、景気はめちゃくちゃになる。だれが考えても明らかです。

 ところが小泉首相や竹中大臣は、「企業の利益が増えているから、そのうち家計の所得も増えてくる」と言うのです。小泉首相は「増えたらいいなあ、と思っている」と言いました。しかし、大企業の空前の大もうけは、リストラをやり、賃下げをし、正社員を減らしてパート・アルバイトなどの不安定雇用におきかえ、家計から吸い上げた結果ではありませんか。「企業がもうかれば家計に及ぶ」などという根拠はまったくないのです。逆に、家計から吸い上げて大企業がもうかるように応援しているのが、小泉「改革」です。それに追いうちをかける大増税は、絶対に許すわけにはいきません。

増税で雪ダルマ式にふくれる負担増

 しかも国民への負担増は、税金だけでなく、社会保険料でもかけられ、国民のあらゆる分野に痛みがかぶさってきます。「老いも若きも」例外なく痛めつけられる。

 いま、お年寄りのみなさんのところに年金の支給額の通知がきて、お怒りの方が多いと思います。4月から老齢者控除が廃止され、年金から新たに所得税が天引きされたり、重くなったりして手取りが大きく減りました。それだけではありません。政府は、住民税のお年寄りの非課税もなくそうとしています。そうすると、住民税に連動して国保料も増え、介護保険料も増え、雪ダルマ式に負担が増えてきます。

 一つの試算をみなさんにご紹介したい。年収百八十万円の一人暮らしのお年寄りがどうなるか、千葉市の場合で試算してみました。住民税の非課税がなくなると、所得税・住民税が新たに二万四千円かかります。それに連動して、国民健康保険料が一万四千円増えます。介護保険料も一万九千円増えます。雪ダルマ式に増えて、税と保険料をあわせた負担増は五万七千円にもなります。いま七万一千円の税と社会保険料の負担が、十二万八千円になります。百八十万円の年収ですから、丸々一月分の年金がめしあげられることになる。ひどい話ではありませんか。こんな道に踏み出せば、大失政の二の舞です。大増税・負担増をきっぱりやめさせるために、みなさん、力を合わせようではありませんか。(拍手) 

県民を代表して「増税やめよ」といえる知事を

 これだけの大問題ですから、やはり知事の姿勢が問われます。共産党の県議団が、「増税に反対すべきだ」と堂本知事に質しました。しかし知事は、「増税は国が決めること。私は見守っていきたい」という一点張りなのです。〃増税を見守る知事〃なのです。

 もともと堂本さんは、さきがけという政党の代表でした。そして、自民党とさきがけと社会党の政権が、あの九兆円負担増をやったのです。大失政の張本人です。もともと庶民増税に胸の痛みがない。しかし、県民の暮らしに責任をおう知事ならば、「国が決める」とか「見守る」のではなくて、県民を代表して「増税をやめよ」ときっぱり声をあげるべきではないでしょうか。山田さんに、その声を託そうではありませんか。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)

全国最悪の国保証の取り上げ

 国いいなりという点で、もう一つ具体的な問題があります。国保の問題です。いま千葉県では、国保料が高くて払えないという人から国保証をどんどん取り上げるということが、大問題になっています。保険証取り上げは、もともと国が決めたものです。保険料を滞納した世帯から保険証を取り上げて、資格証明書とか短期保険証にすることを市町村に義務づける法律が、二〇〇〇年から施行されました。資格証明書というのは、ひどい仕掛けで、お医者さんにかかると、いったん窓口で医療費を全額払わなければならない。「医者にいくな」というのと同じです。千葉市で、資格証明書にされた人と保険証をもっている人の受診回数を比べたら、資格証明書の人の受診回数は百分の一だったという結果がでました。病気になっても医者にいけないでがまんしているのです。たくさんの悲劇もおこっています。

 この保険証取り上げを、全国四十七都道府県でもっとも忠実に熱心に実行しているのが、この千葉県なのです。国民健康保険の世帯に占める短期保険証と資格証明書の発行割合は、千葉県は九・六%、十軒に一軒、十万五千五百七十四世帯から保険証を取り上げています。四十七都道府県で最悪です。

国保証取り上げの三つの冷酷非情

 なぜ、こんなにひどいことになっているのか、そこには県の冷酷な姿勢があります。三つの問題を告発したい。

 一つは、県が市町村の尻をたたいて、国保証の取り上げの先頭に立っていることです。県の行政改革推進室が昨年十月に出した文書があります。こう書いてある。「平成十二年度から、資格証明書交付が義務化されたが、現在まで定着した状況にない。市町村指導機関として、(県は)制度の適正かつ積極的な運用を指導する」。「定着していない」。日本一保険証取り上げをやっているのが千葉県なのにまだ足りないというのです。だから「指導機関」として市町村を指導する、もっと締めつけるのだといっているのです。

 二つ目。そうやって保険証を取り上げさせて、あとのことは県は知らんぷりだということです。共産党の県議団が、「国保証を取り上げられたら、その家庭は生きるか死ぬかの問題になる、取り上げられた家庭の健康状態がどうなっているのか調査すべきだ」と要求しました。ところが県は、「被保険者の健康の保持増進を図るのは市町村の仕事だ」と答弁し、「調べるつもりはない」と拒否したのです。

 そして三つ目です。県の予算はどんどん削減していることです。もともと、国保料が払えない滞納の原因は、高すぎることにあります。ですから全国どこの県でも、市町村の国保会計に県が独自の上乗せ補助をしているのです。ところが堂本知事は、もともと低かった県の独自補助の予算をさらに減らしてしまいました。沼田県政の最後の予算では二億二千五百万円でしたが、いまはわずか六千万円です。四分の一まで減らした。一人あたりの補助額はたった四十三円で、関東一都六県で最低です。

 みなさん。国と一緒になって保険証取り上げの先頭に立つ、取り上げたあとは知らんぷり、独自の補助はどんどん切り捨て、関東で最低。あまりに冷酷非情な県政ではないでしょうか。山田安太郎さんの勝利で、高すぎる国保料を引き下げ、国民保険証の取り上げをやめさせ、みんなが安心できる医療を、社会保障を築いていこうではありませんか。(拍手)

争点(2)ムダな大型開発優先か、福祉・くらし最優先か

 第二の争点は、県政の中身そのものについてです。ムダな大型開発優先か、それとも県民福祉最優先か、これがもう一つの大きな争点です。

 私は、知事選のたびに訴えてきましたが、「税金は高いが、福祉は低い」という千葉県の特徴が、堂本県政になってますますひどくなっています。最新の数字をご紹介しますと、県民一人あたりの住民税は全国四十七都道府県で千葉県は五番目です。みなさんは税金をたくさん払っています。ところが民生費、福祉にあてているお金は四十七位、最下位です。教育にあてているお金は四十六位、下は一つしかありません。

 どこにお金を使っているのか。全国で五番目に高い税金を払っていながら、どうして福祉・教育が最下位なのか。巨大開発のムダづかいが続いているからです。四年前、堂本知事がかかげたのは、「福祉と環境」、「巨大開発見直し」というスローガンでした。ここに、県民のみなさんが期待を寄せたわけですが、見事に裏切られた四年間だったと思います。

●道理のない教育・福祉の切り捨てを強行

 二つの問題に目を向けてほしいと思います。

 第一の問題は、福祉でも教育でも、あまりにも道理が立たない切り捨てを冷酷に強行してきたのが、この四年間だったということです。

私学助成――二十六億円ものピンはね

 先ほど、山田さんもお話しされていた私学助成の問題。私も調べて驚きました。私学助成というのは、いまの暮らしの危機のもとで子どもたちの教育の権利を保障する命綱の役割を果たしています。国の基準が低すぎるので、どこの県でも独自に補助を上乗せしています。ところが、堂本県政がやったのは逆です。もともとわずかだった上乗せ補助を、毎年毎年減らして、ついになくしてしまいました。

 なくしただけではありません。昨年度は、私学助成の予算として国からくる国庫補助金と地方交付税からなんと二十六億円もピンはねして他に流用しているのです。この結果、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、すべての私学助成の水準が、国の基準以下になってしまいました。こんな県は千葉県だけです。高校でいいますと、国の基準は生徒一人あたり二十八万円ですが、千葉県は二十六万円しか出していません。二万円近くピンはねしているのです。昨年十月、幕張メッセで私学の経営者、教職員、PTAのみなさんが一緒になって、一万人集会が開かれました。ここでも、国基準以下にされたことが、きびしい批判の対象にされていました。

 子どもたちの命綱になっているお金をピンはねするなど、絶対に許せないではありませんか(拍手)。ピンはね知事は退場を願うしかありません(拍手)。どうかみなさん、山田安太郎さんで、すべての子どもたちに学ぶ権利を保証する県政を、ご一緒につくっていこうではありませんか。(拍手)

特養ホーム――待機者は増え、予算は減らす

 特養ホームの切り捨てもひどい話です。千葉県では、特養ホームに入れず待機させられている方が、この四年間で、八千人から一万六千人に倍に増えています。ところが県はこの四年前で、特養ホームの建設を補助する予算を、六十五億円から十九億円に三分の一以下に減らしてしましました。待機者が二倍にもなっているのに予算は三分の一。「こんなに待機者が増えているのに、なぜ予算を減らすのか」と、共産党の県議団が追及したところ、県は「国の方針だからだ」と答弁しました。〃施設を抑えて、在宅に切り替えるのが国の方針だ、だから県も施設建設は抑える〃と平気でいうのです。しかしみなさん、これはおかしな話です。介護保険を導入したとき、施設でも在宅でも自由に選べる制度だと宣伝したのが、政府であり県政だったではありませんか。しかも、在宅が充実されるかといったら、正反対です。いま介護保健の改悪で狙われているのは、軽度の在宅ケアの切り捨てです。

 みなさん。国のいいなりに、一万六千人もの待機者の方々に胸を痛めず、補助を切り捨てて平気だという県政を、これ以上許すわけにはいきません。山田さんで、お年寄りを本当に大切にする県政へと切り替えようではありませんか。(拍手)

●巨大開発のムダづかい――二つの罪深さ

 教育や福祉の充実を求めると、県はかならず「お金がない」と言います。そこで二つ目に、ではムダづかいの巨大開発はどうなっているのか。こちらは温存、拡大です。しかも堂本知事のムダづかいは、二つの点で罪深いものになっています。

ムダづかいの失敗から教訓を学ばない

 一つは、失敗からいっさい教訓を学ばないという問題です。

 たとえばアクアラインは、一日一億円の赤字を出しています。百万円の札束を毎日百個、東京湾に投げ込んでいる、日本一の赤字道路です。それなのにもう一本、富津と横須賀を結ぶ湾口道路をかけるというのです。すでに三億円近く、県独自の調査費を注ぎ込んでいます。「まさかもう一本なんて」と思われるかもしれませんが、「まさか」と思うことを平気でやるのが自民党です。本四(本州四国)架橋だって、「まさか」と言っているうちに三本も架けてしまった。関西国際空港も、一期事業だけで大赤字なのに二期事業にのり出す。「まさか」ということを、ゼネコンのためなら平気でやるのが自民党です。

 それから、かずさアカデミアパークです。千四百億円もの県財政を投入し、一期事業完成から十年たちました。ところが操業しているのは一社です。四年前も一社で、四年間増えていません。そして、毎年三十億円ものお金を、DNA研究所の運営補助とか、借地代の肩代わりとか、施設の赤字の穴埋めに注ぎ込んでいます。DNA研究所が自慢しているのはぺんぺん草の遺伝子解読だそうです。私は、もちろんDNAの研究に反対ではありません。しかし、国保の補助金を減らし、特養ホームの補助金を減らし、私学助成をピンはねしてまで、県がお金を注ぐようなものではないと思います(拍手)。かずさアカデミアパークも、これだけ失敗が明瞭なのに、現知事は二期事業を中止するとは言いません。失敗からいっさい教訓を学ばず、さらに新たなムダづかいに乗りだす、これが第一の罪深さです。

公約を裏切って平気

 もう一つは、公約を裏切って平気だということです。

 群馬県に八ツ場ダムという巨大なダムをつくる計画があります。総事業費が四千六百億円。事業費は、当初予定の二倍にふくらんで、日本一高いダム、日本一の水ぶくれダムといわれています。利水でも、治水でも必要のない、まったくムダなダムです。そこに、県は七百億円も負担する計画です。この八ツ場ダムについて、堂本さんは四年前、「五十年前に計画されたダムが見直しされないということは、信じられない話です」と反対を表明していました。ところが、いまは推進です。「公約違反ではないか」と県議会で追及されると、「知事になる前のことです」と答弁したそうです。これこそ「信じられない話」ではないでしょうか。(拍手)

 常磐新線沿線開発もひどい公約破りです。常磐新線の沿線開発を二千億円かけてやる。開発面積は、幕張新都心の二倍、典型的なバブル型の開発です。この巨大開発について、四年前の選挙で、現知事は「鉄道が通るから大規模開発するというバブル的発想は根本的に改めることが時代の要請です」と言っていたのです。この明々白々な公約違反を追及され、知事は「県民の前で言ったことがすべて公約かというと、公約とはいえない」と言い出したそうです。これでは、いまの選挙で現知事が何を言おうと、公約ではないことになります。

 公約を裏切って平気という知事には、県民の審判以外につける薬はないと、私は考えるものです。(拍手)

山田さんの勝利へ力を合わせよう

 みなさん。二つの争点をお話しました。私は、この選挙では自治体のあり方が問われていると思います。国いいなりでは、自治体ではありません。自治体というのは、福祉と暮らしを守るのが第一の任務です。大型開発が本業ではありません。本当の自治体らしい自治体を、山田さんで取り戻そうではありませんか。(拍手)

 そして、いま憲法九条を改悪して日本を戦争をする国につくり変えようという動きがあるときに、この千葉県から、「憲法九条を生かし守ろう」という平和の声を発信していこうではありませんか。

 どうか、県民の共同の輪をひろげ、山田知事誕生のために、最後の最後までお力ぞえをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(大きな拍手)