2005年3月10日(木)「しんぶん赤旗」

社会保障 消費税増税前提に

自公・民主が協議へ


 自民、民主、公明の三党は九日、国会内で幹事長・国対委員長会談を開き、消費税増税を前提とした社会保障制度全般の見直し協議を早期に開始することで合意しました。

 また、基礎年金財源に消費税をあてる民主党の「年金改革」に関連して、今秋までに「改革の骨子」について成案を得るよう三党が努力することを確認しました。

 与党側は、改悪年金法の衆院通過の際の「三党合意」をあげ、「平成十九年(二〇〇七年)三月までに社会保障全体について随時結論を得るとなっている。それは税の抜本改革と一体だ」(自民・中川秀直国対委員長)と主張。幹事長、政調会長らをメンバーとする国会外の協議会設置を提案しました。

 民主党は「三党合意については私たちも共通の認識だ」(川端達夫幹事長)と応じるとともに、(1)見直しは年金問題から協議し、今秋までに骨格について成案をえる(2)全党が議論する適切な場を国会に設ける――ことを示し、こうした趣旨を盛り込んだ決議を国会で採択するよう求めました。

 与党側は「国会の場といっても、今回の会談も一種の開かれた場だ」(中川氏)と三党による協議会を主張。見直し協議の場づくりでは折り合わず、週内に再度幹事長会談を行い、調整することになりました。

 三党合意 自民、公明両党と民主党の三幹事長が昨年五月六日に、「合意」したもの。改悪年金法の衆院通過を認めたうえ、「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しを行」うとしており、年金など社会保障の財源確保を口実に、消費税増税に道を開く内容となっています。

 〇七年三月をめどに結論を出すため、衆参両院の厚生労働委員会に小委員会を設置することや、与野党の「協議会を設置する」ことなどを盛り込んでいます。



増税への動き重大 志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は九日、国会内での会見で、記者団から社会保障見直しの自公民三党協議が始まったことについて問われ、「三党が消費税増税に向けた本格的な動きを始めたということだ。非常に重大だ」と批判しました。

 志位氏は、三党協議のベースとなった昨年の「三党合意」が、社会保障の全般的見直しについて、税・保険料等の負担と給付のあり方を含めた一体的見直しを二〇〇七年三月を目途に行うとしていることをあげ、「これは、〇七年四月以降、年金財源のためとして、消費税を値上げすることに道を開く合意だ。ここに最大の問題点がある」と強調しました。

 そのうえで志位氏は、「年金財源を口実に、所得の少ない庶民に重くのしかかる消費税を引き上げようというやり方には絶対反対だ」とのべ、歳出・歳入の両面での民主的改革による日本共産党の財源対策を説明。今回の消費税増税に向けた三党協議の動きについて、「正面から問題点を批判し、大いにたたかいをおこしていきたい」とのべました。