2005年1月22日(土)「しんぶん赤旗」

通常国会始まる

小泉首相施政方針
「憲法」「郵政」を正面に

増税、改憲との本格的たたかいを


 第百六十二通常国会が二十一日、開会しました。小泉純一郎首相は施政方針演説で、増税や社会福祉関連の負担増をはじめ、国民生活を苦しめる「構造改革」の断行を改めて表明するとともに、施政方針・所信表明では初めて改憲にふれ、論議を促しました。国会開会にあたり、日本共産党は議員団総会を開き、志位和夫委員長が、自民、民主の「二大政党」が競い合って進める増税と改憲の二大反動政治を、国民とともに打ち破る本格的なたたかいを呼びかけ、開会初日から対決の構図が浮かびあがりました。国会の会期は六月十九日までの百五十日間。


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施政方針演説をする小泉首相=21日、衆院本会議

 小泉首相は施政方針演説で、「戦後六十年を迎える中、憲法の見直しに関する論議が与野党で行われている」と、自民・民主両党が改憲に向け競い合っていることを評価し、「新しい時代の憲法の在り方について、大いに議論を深める時期」とのべました。

 小泉首相が、政府の方針を示す施政方針演説や所信表明演説で、改憲に言及するのは初めて。憲法九九条で政府に義務づけられた憲法尊重擁護義務を真っ向から踏みにじるものです。

 首相は、自衛隊の海外派兵を「本来任務」に位置付ける新「防衛計画の大綱」や、多国籍軍による占領支配に加わる自衛隊のイラク派兵を自賛。「日米同盟」について「世界の平和と安定の礎」として、地球規模での日米共同作戦態勢を世界に押しつける考えを表明しました。

 一方、介護保険制度、障害者福祉の大改悪を打ち出すとともに、庶民増税となる定率減税の半減を明言。「三位一体の改革や社会保障制度の見直しとあわせ、税制の抜本的改革の具体化に向けた取り組みをすすめる」と、大増税・大負担増の路線に踏み込む姿勢を明確にしました。

 首相が「改革の本丸」と位置付ける郵政民営化については、民営化後の経営形態について四分社化を明言。関連法案の今国会成立を目指すとしました。

 また、教育基本法の「改正」に「積極的に取り組む」とのべました。


党国会議員団総会

志位委員長あいさつ

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議員団総会であいさつする志位委員長=21日、国会内

 志位委員長は、党国会議員団総会でのあいさつで、増税と改憲の二大反動政治との本格的たたかいについてのべたあと、新しい党綱領を深く身につけ、党の綱領的な値打ちをうきぼりにする論戦、どんな問題でも、国民的視野、国際的視野でとらえ、大局的展望をもって奮闘することの重要性を強調しました。

 このなかで、国会では憲法擁護派が少数でも、国民のなかでは、「九条の会」のように、平和への熱い思いが奔流となって広がっており、世界とアジアでは「戦争のない世界」をめざす史上空前の波がおきていると強調。「改憲の動きが、いかに未来のない逆流かは明らか」とのべました。

 志位氏は「党の実力をつける」全党的なとりくみに、党議員団が積極的に貢献する重要性について解明し、「国民のみなさんが『この党だったらもっと大きく、力を与えよう』と思っていただける活動をしよう」と呼びかけました。

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