2005年1月5日(水)「しんぶん赤旗」

戦後60年――「戦争のない世界」へ
歴史の本流に立つ党の真価発揮を

党の実力つける仕事に
力をそそぐ歴史的時期

05年党旗びらき 志位委員長があいさつ


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2005年党旗びらきであいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 日本共産党は四日、二〇〇五年党旗びらきを党本部で行いました。不破哲三議長、志位和夫委員長、市田忠義書記局長、石井郁子、上田耕一郎、浜野忠夫の各副委員長をはじめ、中央委員、各部局の責任者などが出席しました。志位委員長があいさつに立ち、「戦後六十周年の記念すべき年に、わが党が歴史の本流にたつ党としての真価を輝かせ、世界と日本の平和、国民の暮らしの擁護のためのたたかいでも、『二大政党制づくり』の動きを打ち破る党の実力をつけるという点でも、実り多い成果を結ぶことができるよう新たな意気込みで奮闘しよう」とよびかけました。

 志位委員長は、戦後六十周年を迎えるなかで日本が直面している「焦眉(しょうび)の問題」を三点にわたってのべました。

 第一は、日本軍国主義による侵略戦争を「正しい戦争だった」とする戦争美化論の横行や台頭を許さないことです。

 志位氏は、戦後の世界秩序が日独伊の侵略戦争を断罪した基礎の上に成り立っていると指摘。ドイツがナチスの戦争犯罪を徹底批判してヨーロッパで信頼ある地位を築いたことと対比させながら、日本がアジア諸国との関係で戦争責任を認め、歴史認識を共有し、平和な未来をめざす関係が強く求められていると強調しました。

 第二は、憲法九条を壊すくわだてに反対し平和原則を守ることです。

 志位氏は、憲法九条には、(1)二度と戦争をしないという“国際公約”(2)戦争放棄と軍備禁止によって世界平和の先駆になろうという「二つの決意が込められている」と指摘。「戦争のない世界」をめざす史上空前の流れを示し、「憲法九条の理想に国際政治の現実が近づいている」「その時に、この宝を捨て去るぐらい愚かな歴史逆行はない」と批判しました。

 第三は、「国連憲章の平和のルールをまもれ」の共同を、日本でも世界でも大きく広げることです。

 アメリカの孤立が深刻になっていることを示した志位氏は、その根底には戦後の世界の大きな構造変化があるとのべ、「世界をアメリカの思うままに動かせると信じている勢力、その追随者に未来はない」と力説しました。

 国内政治の問題では、今年が本格的な大増税路線を許していいのかどうかが大きな焦点となると強調しました。

 二〇〇五、〇六年度の二年間で、年金保険料引き上げなどすでに決定ずみの負担増で三兆円、定率減税の縮小・廃止など今後計画されているものが四兆円、総額七兆円もの国民負担増が新たに家計に押しつけられようとしていると告発。大増税路線が強行されれば、日本経済に与える打撃は、橋本内閣の九兆円の負担増を上回る、より深刻なものとなる可能性が大きいとして、七兆円負担増、消費税大増税という二段階の負担増計画に反対するたたかいをよびかけました。

 最後に、今年の党活動と党建設について、東京都議選、北九州市議選をはじめとした中間選挙で着実に勝利を積み重ねながら、次の国政選挙での前進をめざして「党の実力をつける仕事に集中して力を注ぐ」ことを強調。(1)「国民の苦難あるところ、日本共産党あり」の精神にたった活動を、あらゆる分野で豊かに発展させる(2)理論的にも、組織的にも、党を土台からしっかりと築き上げる(3)今年いっぱいを期限として「五十万の党」、前回選挙時比三割増の「しんぶん赤旗」拡大という仕事に正面からとりくむ――の三点を重点に提起しました。