2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」

北朝鮮問題、国政、市政 ―党の値打ち縦横に語る

北九州市で 志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は、十六日の北九州市での演説会で、党の役割と値打ちを三つの角度から語りました。


北朝鮮問題―交渉による解決のための日本共産党の提案

写真

訴える志位和夫委員長=16日、北九州市小倉北区

 一つは北朝鮮問題です。拉致問題をめぐり横田めぐみさん、松木薫さんの「遺骨」とされた骨が虚偽だったことで国民の怒りが噴き出し、新たな重大な局面が生じています。

 この新しい重大な局面への対応として志位氏は、これまでと同じ形での協議を続けても解明と解決の保証はないが、同時に日本側から交渉を打ち切れば解決の道をみずから閉ざすことになると指摘。これまでの延長線上ではない交渉の質の抜本的強化が求められていることを強調しました。

 そして、北朝鮮側の交渉担当者を問題解決に責任を負い権限を持った人物にすることと、日本側の真相究明活動に十分な保障を与えることの二点を、北朝鮮政府に正面から要求すべきだとして、九日の党首会談で小泉首相に申し入れたことを紹介しました。

 志位氏は、「政府がこうした方向で、北朝鮮に道理に立った要求を提起すれば、事態の前向きな打開に大きな意義を持つことになるでしょう」とのべる一方、交渉の推移や北朝鮮側の態度いかんによっては「交渉による解決を成功させるために、経済制裁も必要になる場合があり得る」との立場をのべました。

 日本共産党が北朝鮮の国際的無法への最も厳しい先駆的批判をしてきた党であると同時に、日朝問題の解決を政府間の話し合いのルートを開くことではかることをいち早く提起してきた党であることを紹介して、「両国間の諸問題を平和的な話し合いで解決するためあらゆる努力を続けます」とのべると、大きな拍手がわきおこりました。

国政の焦点―災害、平和と憲法、暮らし

 次に志位氏は、党国会議員団が果たしている値打ちについて、新潟県中越大震災や各地の台風水害被害への救援、支援活動をあげました。

 また平和と憲法を守る問題では、イラクへの自衛隊派兵延長問題で「大量破壊兵器」の大義が失われたこと、米軍の国際人道法違反の無差別殺りくが深刻な情勢悪化を招き、それを小泉首相が支持したことでイラク国民全体を敵に回す立場に自分の身を置いたこと、派兵先を「非戦闘地域」に限るとした説明も根底から成り立たなくなっていることをのべ、速やかな撤退を強く求めました。

 暮らしを守る活動では、定率減税縮小・廃止など庶民大増税計画を批判。大企業や大金持ち向けの減税をそのままに働き盛り世代に大増税をもたらすことが道理がなく逆立ちしたやり方で、二〇〇七年度の消費税増税への地ならしでもあることを糾弾し、「二段階の大増税計画にストップをかけよう」と呼びかけました。

北九州市政―自治体の「本業」そっちのけで開発に熱中の「オール与党」市政と対決する日本共産党の値打ち

 北九州市の市政を分析した志位氏は「北九州市は住民の福祉と暮らしをよくする『本業』そっちのけで巨大開発に巨額の税金をつぎ込む『逆立ち』が全国でもとりわけひどい」と指摘しました。

 市は「先進的な取り組み」として「行財政改革」を掲げますが、これは高齢者医療無料化制度など福祉を削り、「都市再生」の名で巨大ビルなど開発を強める「逆立ち」政治です。志位氏は、十人の党議員団が果たす役割を二つの角度から語りました。

 第一は、税金のムダ遣いをただす“監視役”の役割です。末吉市政はAIM(アジア太平洋インポートマート)ビルや大型複合商業施設のコムシティなどの第三セクターに数百億円の税金をつぎ込みながら失敗し、赤字や破たんの穴埋めにさらに税金のムダ遣いを続けています。自民、公明、民主、社民の「オール与党」はこれらの責任を追及せず、応援団の役割を果たしています。

 第二に、国の悪政から市民の暮らしを守る“防波堤”となっていることです。高すぎる介護保険料の減免に「オール与党」が反対するなか、党市議団は市民の運動と結んで奮闘し、昨年から市独自の保険料軽減制度が実現しました。

 また、政令市で二番目に高い国民健康保険料の問題では、国の法律でさえ保険証をとりあげ資格証明書を発行する場合「滞納が一年を超えた場合」が基準なのに、北九州市では六カ月でとりあげる無慈悲なことが行われています。「こんな市は北九州市だけ。抜本的に改めるには日本共産党の躍進しかない」と志位氏は強調しました。

 志位氏は数々の実績をあげながら「外交でも国政でも市政でも、日本共産党は現実政治と切り結んで、それを動かすかけがえのない役割をはたしています。どうか党市議と議員候補十人全員の勝利へご支援をお願いしたい」と訴え、大きな拍手に包まれました。