2004年10月8日(金)「しんぶん赤旗」

米価の大暴落解決へ買い入れただちに

農水省に県農民連が志位党委員長と要請


千葉 米の価格が大暴落し過去最低を記録するなか、農民運動千葉県連合会(大木伝一郎会長)は七日、農林水産省に対して米価安定のため、政府自身が決めた「備蓄」計画に見合う米の買い入れなどの緊急対策をとるよう要請しました。日本共産党の志位和夫委員長・衆院議員が同席しました。

 応対した農水省の村上秀徳総合食料局長は、政府米の追加買い入れは十一月中に前倒しで決める方向だと述べました。

 要請には、日本共産党の浅野史子県常任委員、八日市場市農業委員会や農民運動全国連合会の人たちも参加。昨年に比べ約一万円も米価が下がり、米を作るための生産費を大きく下回っているなど、千葉県内の農家の厳しい実情などをぶつけました。

 大木会長は「米が余っているわけではないのに米価が下落しているのは、政府米の大放出などが影響している」と訴えました。

 志位氏は「米価安定の責任を果たすのが農水省の役割である」と強調。さらに、現在の政府備蓄米が六十万トンであり、政府自らが定めた米の「適正備蓄水準」の百万トンを大きく下回っていると指摘し、そのうち四十一万トンは食用には適さない一九九七、九八年産の古米であるとして、「国民が安心して食べられるだけの備蓄米をすみやかに買い入れるべきだ」と述べました。

 要請では、米価安定のため、(1)政府が決めた「備蓄計画」に見合う買い入れをただちに行い、政府米の放出を中止する(2)政府は米の需給と価格の安定に責任を果たす(3)ミニマムアクセス(最低輸入量)米の削減・廃止(4)大手業者の買い占め、価格つり上げや買い叩きへの厳重な規制―などを求めました。

背景に責任放棄の政策

 今年、農家が米を売って受け取る手取り(農協仮渡価格)は、多くの産地で一俵(六十キログラム)一万円を切っています。一方、米一俵を作るのにかかる生産費は一万七千円ほどで、現在の米価の水準は文字通り「売れば売るほど赤字になる」という異常事態です。

 今回の米価暴落の大きな原因は、政府の無責任な米政策があります。

 政府は、昨年秋から、不作対策として、政府自身が決めた米の備蓄計画に見合う買い入れを行わず、古米を放出。不足分(約八十万トン)を大幅に上回る百十万トン以上を放出したことが、米価の暴落につながっています。

 さらに、本年度から本格化させた「米政策改革」で、政府の価格と需給の安定に対する国の責任を放棄して米の流通を全面的に市場にゆだねたことも、米価暴落をいっそう深刻にしています。

 米価暴落は農家経営を直撃して、離農の増加、農村地帯の地域経済の悪化をまねくものです。

 そのため、各地の市町村議会では、政府に米価安定の対策を求める意見書が相次いでいます。

 千葉県でも、神崎町議会が九月十五日、「政府米の買い入れと備蓄を充実させる意見書」を全会一致で可決。八日市場市議会も二十八日、意見書を農水大臣へ提出。「米改革」に対する日本農業への影響を「危ぐ」し、「こうした状況を放置するなら、多数の農家の経営が破たんし、あらゆる改革の土台を突き崩すことは明白」だとして、米の価格保障などを求めています。