2004年9月28日(火)「しんぶん赤旗」

弁護士報酬の敗訴者負担

訴訟権利侵す法案廃案に

志位委員長、消費者団体などと懇談


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弁護士報酬の敗訴者負担に反対する全国連絡会の人たちと懇談する志位委員長(左)=27日、党本部

 「弁護士報酬の敗訴者負担に反対する全国連絡会」に参加する消費者団体、公害裁判原告団などの代表が二十七日、東京・渋谷区の日本共産党本部を訪問しました。「敗訴者負担制度は、市民の訴訟権利を委縮させるものであり、『弁護士報酬の敗訴者負担制度』を導入させないでほしい」と訴え、志位和夫委員長、岩佐恵美市民・住民運動局長と懇談しました。

 合意制による弁護士報酬の敗訴者負担制度を導入する民事訴訟費用法改正案が、臨時国会で審議される予定になっています。

 同制度は、民事裁判で、当事者(原告と被告)双方に弁護士等の代理人がついていて双方が合意したときのみ「敗訴者負担」となるもの。

 全国連絡会代表の清水鳩子さん(主婦連合会参与)は、「国民が利用しやすい裁判制度にするはずの司法改革で、国民に裁判への道を閉ざすことが行われている。いまは合意のみといいますが、結局、敗訴者負担制度の全面的な導入が目的です」と話しました。

 自由法曹団事務局次長の坂勇一郎弁護士は、「合意による敗訴者負担制度が実現すれば、裁判外の消費者契約や労働契約など私的契約の契約書に敗訴者負担条項が盛り込まれることになる。結果として、市民が裁判を起こしたり受けたりできなくなる」と、その問題点を指摘しました。

 水原博子日本消費者連盟事務局長は、消費者など市民と日本弁護士連合会が連帯した反対運動の広がりのなか、百万を超える反対署名が集まった経緯を紹介しました。

 志位委員長は「私たちも、みなさんと同意見です。労働裁判や消費者裁判が増えていますが、敗訴者負担制度導入を許すことは、国民が裁判を起こす権利を侵害し、民主主義の後退につながるもの。廃案へ全力をあげます」と決意をのべました。