2004年8月27日(金)「しんぶん赤旗」

「二大政党」との対比で日本共産党の議席の値打ちの押しだしを

日本共産党第2回中央委員会総会開く

参院選の結果を深く総括 強大な党を草の根から


 日本共産党は二十六日、第二回中央委員会総会を党本部で開きました。日程は二日間です。志位和夫委員長が、(1)参院選挙の総括と教訓(2)国民中心の新しい政治の軸をつくるたたかい――の二つの主題について幹部会報告をおこないました。討論では十二人が発言しました。


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党本部で開かれた日本共産党第2回中央委員会総会。報告する志位和夫委員長=26日

志位委員長が幹部会報告

 志位委員長は参院選総括の中心問題として、「『自民か、民主か』の選択をおしつける『二大政党づくり』の動きにたいして効果的にたたかったか、という問題」を提起しました。

 選挙戦で日本共産党が訴えた政策的内容は国民の立場にたったものであり、今後の情勢の展開のなかで一つひとつが重要な意味をもってくると強調。そのうえで「問題は、わが党の政策的訴えが国民の共感をえたとしても、『二大政党』のキャンペーンのもとでは、それだけではわが党への一票――政党選択には直接にはつながっていかなかったことだ」と指摘し、六月に党幹部会がおこなった政党状況の分析を検証しつつ、「二大政党」論が有権者の投票動向にどのように作用したかを解明しました。

 このなかで、今度の選挙ほど「共産党はいいことをいうが力がない」という声に多くぶつかった選挙はなかったが、これは「二大政党」論が広い有権者をとらえていたことを示すものだったと指摘。しかし、これに正面からこたえる論戦、すなわち「『二大政党づくり』の動きとのかかわりでの党のおしだし」――自民・公明か民主党かいずれかの「選択」が国民に迫られているもとで、日本共産党の議席がどういう意義をもつかということを、本格的論立てをもって、国民に訴える論戦にとりくんだとはいえず、ここに「政治論戦のうえでの最大の弱点」があったと総括しました。

 そして、この問題は今後、「二大政党づくり」の動きとたたかう政治戦を展開するうえでもきわめて重要だとして、「二大政党」との対比で日本共産党の議席のもつかけがえのない役割をおしだす大切なポイントを、(1)自公政治の実態を国民の立場で明らかにする議席(2)「二大政党」が共同して進める悪政に反対する議席(3)国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる議席(4)議会制民主主義を守る議席(5)世界の諸国民と、日本国民の平和の願いをつなぐ議席(6)この議席を増やしてこそ、民主的政権の道が開ける――の六点にわたって明らかにしました。

 このあと、選挙戦の政策、宣伝、組織活動にかかわるいくつかの教訓について報告。国民的合意と共感を広げるために政策的訴えの改善をはかることや、宣伝活動の改善・強化の方向、新しいメディアの効果的な活用の問題などを提起しました。

 また、党組織の実力という問題から選挙戦を総括。「しんぶん赤旗」の読者を一・三倍にする運動にとりくんだことの積極的意義や選挙戦での党活動にふれて、新たな方向性を導き出しました。

 志位氏は、第二の主題である「国民中心の新しい政治の軸をつくるたたかい」の重要性について、「二大政党づくり」の動きが、自民党への批判が高まったさいに民主党をその「受け皿」にして日本共産党の前進を押さえ込むことを特徴としており、この動きとのたたかいは、選挙のときだけの問題ではなく、日常の政治活動の要にすえられるべき問題だと強調。

 国民の苦難と要求にこたえる諸活動や消費税増税、憲法改悪に反対するたたかい、国政選挙での新たな前進、“生きた言葉・生の声”で党を語る大運動について提案し、(1)日常的な深い結びつき(2)要求実現(3)三割増目標の読者拡大(4)党員拡大(5)すべての党員が欠くことのできない知的糧としての「しんぶん赤旗」日刊紙を読むこと――の五点にわたる強大な党建設のとりくみなどについて報告しました。


第二回中央委員会総会への幹部会報告の骨子

参議院選挙の総括と教訓について

一、参議院選挙の結果について

二、「二大政党制づくり」の動きにたいして効果的にたたかったか

(1)この動きにたいする主体的対応が的確だったか

(2)わが党の政策的訴えは情勢と国民の利益にかなっていた

(3)政治論戦の最大の弱点――「二大政党」の動きとのかかわりでの党のおしだし

(4)わが党の議席のもつ役割――六つの大切なポイント

三、選挙活動のいくつかの総括と教訓について

(1)政策的訴え――国民的共感と合意を広げるために改善すべきいくつかの問題

(2)宣伝活動――「二大政党」の宣伝戦略に対抗して改善・強化の探求を

(3)「比例を軸に」をつらぬく点での党中央のイニシアチブについて

(4)選挙区――現有議席を失った痛恨の結果をどういう角度から総括するか

四、党組織の実力という問題について 

国民中心の新しい政治の軸をつくるたたかい

一、財界主導の「二大政党づくり」の動きに対抗する国民中心の新しい政治の軸を

(1)自民党政治の危機が深刻になるもとで、日本共産党の前進を阻む力も強力に働く

(2)この動きに対抗して新しい政治の軸をつくるたたかいを日常の政治活動の要に

二、国民の苦難と要求にこたえた諸活動、二大反動政治を許さないたたかい

(1)国政の緊急の諸課題で国民の要求にこたえるたたかいを

・「国民の苦難と要求のあるところ日本共産党あり」の原点にたった活動

・年金問題をはじめとする社会保障制度改悪とのたたかい

・自衛隊のイラクからの撤退をもとめるたたかい

・在日米軍基地をめぐるたたかい

・教育基本法の改悪に反対するたたかい

(2)二つの反動政治をくいとめるために、国民多数派を結集する壮大なたたかいを

・消費税増税に反対するたたかい――国民意識の二つの側面をふまえて

・憲法改悪に反対するたたかい――危険性とともに、阻止する可能性と条件に目をむける

三、国政選挙での新たな前進、党を語る大運動、強大な党建設のとりくみ

(1)国政選挙での新たな前進をめざすとりくみについて

(2)“生きた言葉・生の声”で党を語る大運動に全党がとりくもう

(3)情勢を主導的にきりひらく強く大きな党を――五つの目標の具体化を

むすびとして――新しい綱領を指針に、不屈の精神で情勢をきりひらこう