2004年4月14日(水)「しんぶん赤旗」

3衆院補選告示 志位委員長が訴え

イラク、「政治とカネ」、年金、憲法

日本共産党への支援こそ自民政治変える力

埼玉8区 やぎした氏が第一声


写真

やぎした礼子候補(左)なんとしてもと訴える志位和夫委員長=13日、埼玉県・西武線所沢駅前

 衆院統一補選が十三日、三選挙区で告示され、日本共産党から埼玉八区・やぎした礼子、広島五区・松本進、鹿児島五区・かやの博の三氏=いずれも新人=が立候補しました。このうち、埼玉・所沢駅前で行われた、やぎした候補の第一声には志位和夫委員長が駆けつけました。

 志位委員長は、「争点は明りょうだ」とのべ、(1)イラク問題(2)「政治とカネ」(3)年金改革(4)憲法―の四つの問題をあげました。

 イラク問題で志位氏は、「人質救出のために政府が最後まで責任をもった対処をすることを強く求める」とともに、人質問題の解決にもかかわってイラクでの情勢の劇的悪化に目を向ける必要があると強調。戦闘がイラク全土に広がっている問題、とくにバグダッド西方のファルージャで、米軍が無差別に市民を犠牲にする武力弾圧をおこない、すでに分かっているだけで六百人以上のイラク国民が殺されていること、占領軍が任命した統治評議会メンバーも米軍の無法を批判して辞任していることなどを示し、「女性や子ども、老人などを無差別に殺戮(さつりく)することは断じて許されない」ときびしく批判しました。

 こうした事態のもとで、人質事件も起き、サマワの自衛隊基地への攻撃事件も起きていること、ファルージャ問題がイラク情勢を悪化させる焦点となっていることを指摘し、「日本政府は、ただちに武力弾圧を中止するよう米国に強く要求すべきです」とのべました。

 そのうえで、無法な米軍の戦争と占領に協力するイラクへの自衛隊派兵は、大義も根拠もないとして、すみやかに撤退すべきだと訴えました。

 「政治とカネ」の問題で志位氏は、埼玉八区の補選が自民党公認候補による政党助成金を使った選挙買収が発端となったと指摘。「政党助成金は、政治をきれいにするという口実だったが、逆に政党を堕落させた」とのべ、政党助成金の廃止を訴えました。

 また、政党助成金は、三百十七億円もの税金を支持もしていない政党に強制的にばらまくもので、思想・信条の自由を定めた憲法に違反すると批判。政党助成金に頼る自民、民主には民主主義を語る資格はないとして、「政党助成金をきっぱり受けとらない日本共産党で、政治の大掃除をしよう」と訴えました。

 年金問題で志位氏は、憲法で保障された生存権をふみにじる制度大改悪の政府案を批判し、最低保障年金制度にふみだす日本共産党案を紹介。財源について、消費税増税に頼る自民、民主と、大企業・財界に応分の負担を求める日本共産党との対決だと力説しました。

 最後に、自民、民主が憲法九条改悪を本命とした改憲の競い合いを演じていることを批判。世界にほこる憲法を生かした国づくりをすすめること、アメリカいいなりをやめ、大企業の横暴勝手をおさえる日本共産党への支援こそ、日本を変える力だと訴え、大きな拍手につつまれました。

 埼玉八区補選は日本共産党のほか自民、民主の三つどもえとなり、自民候補には、安倍晋三幹事長、公明党の冬柴鉄三幹事長、民主候補には、菅直人代表、鳩山由紀夫前代表が支援に入り、「参院選の前哨戦」と位置づけた総力戦の様相です。