2004年3月29日付「しんぶん赤旗」南関東版

川崎中部の党演説会 志位委員長が訴え

神奈川から日本共産党前進の波つくろう

小池、はたの両参院議員の再選必ず

 日本共産党の参院選挙勝利をめざし、志位和夫委員長を弁士に迎えた党演説会が二十六日、川崎市中原区のエポックなかはらで開かれ、川崎中部地域(幸区、中原区)などから約七百人が参加しました。

暮らしの目線貫き、少人数学級に道開いた はたのさん
医師の経験を国政に生かす小池さん

 志位氏は冒頭、小池晃(比例代表)、はたの君枝(神奈川選挙区)両参院議員の実績と人柄を紹介しました。

 志位氏は、小池参院議員について、「論戦の力は定評がありますが、それは小池さんが医師としての経験を通じて、生身の人の心を肌身でわかる政治家だからです」と紹介。介護や年金で苦しむ患者の実情を、国会論戦でそのままぶつける小池議員の追及に、元厚生大臣が「あなたの質問は空理空論でなく、現場の実態が反映されている。耳を傾けざるをえません」と語ったエピソードを披露すると、会場からどよめきと共感の拍手がわきました。

 はたの参院議員について、初当選から六年間、「暮らしの目線で政治を変えよう」という政治姿勢を貫き、四月から県内九十の小学校で三十五人学級がはじまるなど全国に広がる少人数学級の実現に道を開いた実績や、お年寄りの高額医療費のうち六十八億円が払い戻されていない問題の追及では、「産経新聞」が一面トップで報じたことなどを紹介。はたのさんを、神奈川肢体障害者団体連絡協議会の会長が神奈川県の宝物≠ニ評した詩を読み上げ、「はたのさんの議席は、神奈川県民にとって絶対失うわけにはいかない宝物です」と訴えました。

二大悪政の根本に正面から立ち向かう 日本共産党の出番

 志位氏は、国民の不安や怒りの根本にある二つの悪政の根源―「異常なアメリカいいなり」「大企業・財界の横暴」に正面からメスを入れる日本共産党の日本改革の提案を、世界の流れとのかかわりもまじえて縦横に語りました。

 ブッシュ米大統領の「対テロ戦争」政策で、世界にテロと暴力が広がり、「それが最悪の形で出たのが、イスラエルによるヤシン師殺害」と事件を糾弾。イスラエルを支持するアメリカにたいするアラブ諸国民の憎悪が強まり、その憎悪がイラクに自衛隊を派兵した日本にも向けられる危険を指摘し、「自衛隊は撤退せよの声をあげていこうではありませんか」と訴えました。

 財界・大企業による「サービス残業」と「不安定雇用」の二つの無法の横行で、約二十二兆円もの所得が労働者から奪われている実態を告発。「この二十二兆円をとりもどせば、税収も増え、そのお金で福祉もよくできる。人間らしい労働のルールをつくることは、社会と経済をよくする土台をつくることでもあります」と強調しました。

 後半国会の焦点である年金問題で、志位氏は憲法で保障された生存権を脅かす政府・与党案を批判し、ただちに基礎年金への国庫負担を二分の一に引き上げるとともに、最低保障年金制度を創設する日本共産党の提案を紹介しました。

 年金改革の財源問題で日本共産党以外の政党が消費税増税をあげていることを批判。日本共産党が消費税増税ではなく高額所得者と大企業への応分の負担などを提案していることを紹介し、この十年間の企業の税・社会保障負担が日本だけ下がっている事実などを示すと、会場から驚きの声があがりました。

 志位氏は「年金問題は突き詰めると、消費税の大増税か、大企業への応分の負担かの対決になっている」とのべ、「財界・大企業の横暴とたたかえる日本共産党でこそ解決の道が示せます」「悪政を競い合う自民・民主の二大政党では政治は変わらない。悪政の根本に正面から立ち向かい、ほんとうの改革の道を示す日本共産党の出番ではないでしょうか」と力強く訴えました。

 最後に、志位氏は参院選挙をその一歩とするため「真実を伝える『しんぶん赤旗』を、大きく広げていただきたい」と呼びかけると、会場は大きな拍手に包まれました。

横須賀基地強化を批判

 日本共産党の志位和夫委員長は二十六日、川崎市中原区で開かれた党演説会で、神奈川県の米軍基地問題をとりあげ、「基地のない神奈川をつくるために、日本共産党の躍進を」と訴えました。

 日本にある米軍基地では、他国への殴りこみ専門部隊≠フ増強計画が進められています。

 志位氏は日本の米軍基地の特徴として、沖縄県の海兵隊と神奈川・横須賀の空母機動部隊という二つの殴りこみ専門部隊≠ェ駐留していることを指摘。横須賀では二〇〇八年から、空母キティホークに代わってジョージブッシュという原子力空母を配備して空母機動部隊の強化が計画され、日米政府はその既成事実をつくろうと、(1)乗務員増加に備えて逗子市と横浜市にまたがる「池子の森」をさらに破壊する米軍住宅の増設(2)大型艦船に対応して基地桟橋の延長(3)騒音が35%も増し、厚木基地周辺での爆音被害をひどくしている最新鋭艦載機スーパーホーネットの配備―を進めていると批判しました。

 そのうえで、一九七三年の空母ミッドウェーの横須賀配備のとき、日米政府は県民に「新たな施設は求めない」「厚木基地での飛行訓練はおこなわない」「横須賀への配備は三年だけ」という三つの約束をしたが、いずれも約束を破り、さらに原子力空母の配備・母港化を押し付けようとしていると警告。「原子力空母の母港化きっぱりお断りという審判を、参院選挙で示しましょう」と訴えました。

 志位氏は米軍基地強化など「異常なアメリカいいなり」の根本にあるのが日米安保体制だとのべ、「日米安保条約なくせといっているほんとうの独立の党は日本共産党です。絶大なご支持を」と呼びかけました。

700人参加 「元気でた」「選挙がんばろう」

 二十六日、川崎市中原区のエポックなかはらで開かれた日本共産党演説会。「小池晃、はたの君枝参院議員の再選を何としても勝ち取ろう」という気迫が、会場全体を包んでいました。

 演説会成功に向け、党川崎中部地区委員会では、演説会へのお誘いビラを十万世帯に配布。町内会、老人会、商店会には、案内を三百五十通を郵送しました。党支部、後援会も連日宣伝カーを運行し、竹間幸一、市古てるみの両市議が、中小業者を訪問し、参加を呼びかけました。

 「私は、日本の病気を治す医者として頑張りたい」と自己紹介した小池参院議員。政治の病気が小泉内閣になってからとくにひどくなったとのべ、「政治の病気を治す特効薬が、参院選挙で小池晃と、はたの君枝さんの当選ではないでしょうか」と呼びかけると、大きな拍手が送られました。

 はたの参院議員は、地元・川崎の問題から国政まで、住民の願いを国会に届けてきた六年間の活動を報告。「やり残した課題はたくさんあります。神奈川選出の国会議員のなかで『消費税増税反対』『平和憲法を生かそう』を訴えるオンリーワンの議員として、引き続き働かせてください」と力強く訴えました。

 世界と日本の流れをわかりやすく解明した志位和夫委員長の訴えには、「元気になった」「胸にすっと入った」などの感想が寄せられました。

 共産党演説会に初めて参加した会社員の男性(31)=幸区=は「イラクへの自衛隊派兵や年金の問題など共感できる話が多かった」と話しました。

 NKK(日本鋼管)労働者の男性(59)=幸区=は「大企業で働き、落ち込むこともありますが、国際的な動きから日本の情勢を切り出す話に、自分が立つ位置を確かめる力になり、元気が出ました」とのべ、フリーターの男性(24)=中原区=は「改めて、世界はアメリカ一極でなく、戦争反対が圧倒的多数だと感じました」と話しました。

 男性(43)=中原区=は「世界の流れをつくりだす国々の変化と、アメリカの孤立ぶりが鮮明になりました。この演説会を力に、参院選挙を頑張りたい」と決意を語りました。