2004年3月16日(火)「しんぶん赤旗」

日本共産党 志位委員長がハンガリー労働者党代表団と会談


 志位和夫幹部会委員長を団長とする日本共産党代表団は十五日午後、党本部で、ジュラ・トゥルメル議長を団長とするハンガリー労働者党代表団と会談しました。会談は約三時間半にわたり、なごやかな中にも熱心な意見交換がおこなわれました。

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ハンガリー労働者党代表団と会談する志位和夫委員長(右手前から3人目)=15日、党本部

 ハンガリー労働者党は、一九八九年、旧政権党であった社会主義労働者党が社会党に党名変更をした際、多数派の社民化路線に反対した人々が結成しました。同党は、将来的には社会主義をめざしています。

 トゥルメル議長は、招待に感謝し、日本共産党の路線と政策をよく研究して自らの参考にするとともに、両党間の交流を発展させたいとのべました。

 そのうえで同議長は、十五年前のハンガリーでの旧政権崩壊とハンガリー労働者党結成の経過、それ以降の変化、新自由主義の経済政策の下で「資本主義化」した今日の同国の情勢の特徴を説明し、同党の諸課題と活動を紹介しました。また、戦後のハンガリーの複雑な歴史問題や、欧州連合(EU)にたいする見方にも言及しました。

 国際問題についてトゥルメル氏は、ハンガリーのNATO(北大西洋条約機構)加盟に反対しておこなった全国的な署名活動や、米軍のハンガリー駐留を批判し、イラク戦争と自国軍隊のイラク派遣に反対する立場を紹介しました。

 志位委員長は、一月の日本共産党第二十三回大会にハンガリー労働者党代表が参加したことに感謝を表明し、同大会の決定、とくに四十三年ぶりに大幅に改定された新しい綱領の基本的内容を説明。そのなかで、党の発展を歴史的、大局的に振りかえりつつ、社会の段階的発展と多数者革命の立場、将来の目標としての社会主義・共産主義社会と、当面の課題である民主主義革命について、紹介しました。

 また志位氏は、かつてのソ連共産党や中国共産党からの干渉問題、それとの党の原則的なたたかいの歴史にふれ、自主独立路線の確立と堅持の重要性を指摘。そのなかで、一九六八年のソ連によるチェコスロバキア侵略と七九年のアフガニスタン侵略など、社会主義とは無縁のソ連の覇権主義の誤りを厳しく批判した日本共産党のたたかいにふれ、旧ソ連社会にかんする党の認識と立場を表明しました。また五六年のハンガリー事件にかんする党の見解をのべました。

 志位委員長はさらに、この間の日本共産党の野党外交の展開、とくに東南アジアやアラブ・イスラム諸国との交流の発展について語りました。

 トゥルメル氏は、日本共産党第二十三回大会決定の実践状況、とくに決定の普及と学習の方法、党建設、「しんぶん赤旗」の読者の130%拡大や印刷・配達活動、青年のなかでの活動などについて強い関心を示し、多くの質問をおこないました。志位氏は、大会決定の徹底のためハイライト・ビデオを普及していることなど、党建設をどうすすめているかについて、ていねいに答えました。

 両氏は、自主独立、対等平等、相互内部問題不干渉の原則にもとづいて両党関係をさらに発展させること、国連憲章にもとづく平和の国際秩序の確立、「グローバル化」のおしつけではなく民主的な国際経済秩序の樹立、軍事同盟解消と駐留外国軍撤退、イラクに派遣した軍隊の撤兵など、共通の課題での共同を進めることで、意見が一致しました。

 会談には、日本側から緒方靖夫国際局長・参院議員、西口光国際局長、田代忠利同次長が、ハンガリー側からマグダ・カラチ副議長、シャーンドル・ウルバーン幹部会委員・ノーグラード州委員長、フェレンツ・ゲステシ法規委員会責任者が出席しました。