2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

京都市長選

「まちこわし」から「まちづくり」へ

広原さんで京都を変えよう

志位委員長が訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は三日、激戦の京都市長選(八日投票)の応援で京都駅前で演説し、終盤戦の争点を明らかにしながら、広原もりあき市長候補の必勝を訴えました。

大義なき戦争への派兵−−京都から平和の声を

 市長選は、イラクへの陸上自衛隊本隊の派兵強行という日本の進路が問われている最中の選挙戦です。

 志位氏は、この自衛隊派兵の根拠が、イラク戦争と占領の「大義」の面でも、派兵を前提にしていた政府の説明の面でもすべて崩れていることを党国会議員団の国会論戦をまじえて明らかにし、「大義なき戦争への派兵はストップをかけよう。その声を京都からあげていきましょう」と訴えました。現市長がイラク派兵を支持して恥じない態度をとっているなかで、「きっぱり自衛隊派兵に反対し、憲法九条をまもる広原候補に平和の願いを託していただきたい」とよびかけました。

財政破たんと景観破壊−−二つの病気なおせるのは広原さん

 市政をめぐる問題で志位氏は、「財政破たんと景観破壊という二つの病気にあえぐ京都」の実態をとりあげ、「この二つの病気を大もとからなおし、市民の暮らしと京都のかけがえのない町並みを守る道筋をしっかりしめしているのは、広原さんです」と訴えました。

 第一は、財政破たん問題です。市の借金はこの八年間で三千億円増え、一兆円を超えます。増やした借金の九割以上は土木事業。前市政から引き続き推進してきた京都御池地下街、京都醍醐センター、京都二条開発など開発仕事に注ぎ込んだためでした。

 志位氏は、広原候補が大型公共事業の見直し、同和利権をやめるなど、財政危機打開の責任ある方策を公約にしているのにたいし、現市長は「財政危機」を理由に市民の暮らしを切り捨てていることを告発しました。

 このなかで、京都市の国保会計への繰入額が政令十三市で下から三番目、一人あたり一万七千円にすぎず、保険証取り上げは一万八千二百三十七世帯にのぼっていること、さらに水道料金が八年間で二回も値上げされるなかで、料金が払えず水道を止められた世帯が現市政で五千九百七十二世帯になっていることを怒りを込めて指摘。「医療と水道は命綱です。ライフラインを止めて痛みを感じない市長を続けさせていいのか。開発仕事で借金地獄をつくったあげく、それを口実に市民の暮らしを痛めつける−−二重の意味でいまの市政は失格です。広原さんでこの『逆立ち』を大もとから切りかえましょう」と訴えました。

 第二は、景観破壊の問題です。バブル経済で「まちこわし」がおきたとき、京都市の「まちづくり審議会」は市中心部地域では高層ビルの規制が必要と答申しました。ところが、現市長はこれを無視し、市の判断でできる高層ビルの規制さえしませんでした。

 志位氏は、それに続き現市政が、市内高速道路建設をすすめようとしていることをあげ、「『まちこわし』の専門家にはお引き取り願って、『まちづくり』の専門家・広原さんにバトンタッチしてもらおうではありませんか」と訴えると、「そうだ」のかけ声と大きな拍手がおきました。

京都をよくしようの思いで、大同団結を広げに広げよう

 最後に志位氏は、相手陣営が「共産党をたたきつぶす選挙」「共産党をぶっつぶせ」などと攻撃していることについて、「選挙で問われているのは、市民の暮らしと京都の景観を守るのか壊すのかです。その選挙に、『共産党をたたきつぶす』などという党利党略をもちこむのは、市民に語るべき政策がないことを、自ら証明するものです」と反論。これは立場の違うものの存在を認めない民主主義否定の立場であり、地方自治の命は民主主義だとのべ、「民主主義のイロハがわからない勢力には、およそ自治体をあずかる資格はない」と批判しました。

 そして、「広原さんの立場はまったく違います。立場の違いがあっても京都をよくしようという思いで一致しようという政党、団体、個人の大同団結をはかる。これこそ民主主義の精神です」と強調。「日本共産党はこの大同団結の一翼を担い、広原市長誕生のために最後まで共同の輪を広げに広げて、がんばります」と決意をのべ、大きな拍手に包まれました。