2003年10月7日(火)「しんぶん赤旗」

日本共産党を伸ばしてこそ、くらし、平和が守られ、政治は変わる


千葉市で 志位委員長

 解散・総選挙が確定的となるなか、日本共産党千葉県委員会は六日、志位和夫委員長を弁士に党演説会を開きました。会場の千葉市・千葉ポートアリーナには全県から約四千人が参加し、総選挙勝利に向けた熱気につつまれました。志位委員長はパネルも使ってわかりやすく訴えました。

 志位委員長は、六月の政府の世論調査で国民の67%が「生活の不安」を訴えていること、今月のマスコミの世論調査で「イラク派兵反対」が66%になったことを紹介。「三人に二人の国民がもっているこの不安をどうやって解決するのか―その改革の提案をしっかりしめしているのが日本共産党です」と強調し、「経済の改革」と「外交・安保の改革」の二つの提案を解き明かしました。

 「経済の改革」では、「大企業や大銀行のもうけを応援する政治から、経済の主力であるみなさんの暮らしを応援する政治に改革をはかる」ことを強調し、(1)社会保障を予算の主役にすえる(2)長時間労働・サービス残業をなくして新しい雇用を増やすなど、暮らしをまもるルールをつくる―の二つを提案しました。

 このうち、社会保障の財源問題については、「高齢化社会だから仕方ない。これがいやなら増税だ」という小泉首相の言い分に対し、社会保障の財源問題について“二段構え”の解決策を示しました。

 第一段階は、税金の使い道の改革です。志位氏は、税金が社会保障への公費負担となって返ってくる比率(見返り率)が日本は欧米に比べて十数%も低いことを指摘。かりに欧米並みにすると新たな税負担がなくても十兆円以上の新たな財源が生み出されることを解明。そのために巨大開発中心の無駄な公共事業をやめ、年間五兆円の軍事費を半減することを提案しました。

 第二段階は、将来をどうするかです。志位氏は「無駄遣いをなくすだけでは財源が足りなくなり、新たな負担が必要になります。その負担をだれがするのかが問題です」として、二つの道があるとのべました。

 一つは、社会保障の財源を消費税に頼る道です。志位氏は「福祉破壊税である消費税を福祉の財源にするのは最悪の選択です」とのべました。もう一つは、「負担は上に厚く、下に薄く」という経済の民主的原則にのっとり、大企業や高額所得者に相応の負担を求める道です。志位氏は、日本の大企業の税と社会保険負担が世界の主要国と比べても低いことをあげ、「大企業に世間並みの負担を求めるのは当然ではありませんか」と訴えました。

 「外交・安保の改革」で志位氏は、「日本の政府ほど自分の考えを持たない政府はない」とのべ、イラク戦争をめぐる大事な節々での判断は、すべてブッシュ大統領の判断だったと批判。(1)自衛隊の海外派兵をやめさせる(2)世界の道理にたった自主外交に転換する(3)米国言いなりの根源にある日米安保条約をなくす――ことを提案しました。

 一方で、自民党と財界が二十一世紀にやろうとしているのが、消費税の大増税と憲法改悪です。志位氏は、小泉政権の役目はそれへの「地ならし」をすすめることにあると指摘。「二つの大悪政をめぐって、これを推進する勢力が多数派になるのか、日本共産党の躍進でこれを阻止するのか―二十一世紀の日本の命運をわける大問題が目の前にあります。その最初の審判の機会が今度の総選挙です。どうか消費税大増税反対、憲法改悪は許さないの願いを日本共産党にたくしてください」と呼びかけ、会場は大きな拍手でこたえました。

 さらに志位氏は、総選挙で(1)自民党政治の古い枠組みの継続か、日本共産党による民主的改革かの選択(2)野党のあり方をめぐる選択―の二つの選択が問われるとのべました。

 民主党が消費税大増税と憲法改悪という二つの大悪政に野党第一党でありながら反対できないこと、「マニフェスト」で来年中に衆院比例定数を八十削り、自分たちの主張する「二大政党制」をつくろうとしていることを指摘し、「こんな暴挙は許すわけにはいかない」と強調。「自民・公明連合、民主党、日本共産党の三つの流れの競い合いでどれを選べば日本の政治が変わるか―日本共産党をのばしてこそ、政治を変える本当の力になるのは明々白々ではありませんか」と力をこめると、「そうだ」という声と大きな拍手があがりました。

 「日本共産党は野党であっても、世界と日本の政治を動かす実績をあげています」とのべ、暮らしの分野ではサービス残業や介護保険の低所得者対策の問題を国会と地方議会で取り上げてきたこと、外交の分野ではイラク戦争反対で中国、中東、南アジアの諸国で話し合いを進めてきたことなどを紹介しました。

 「暮らしでも、外交でも、一番の誇りはわが党の草の根の力です。この力を総結集、総発揮して、必ず勝利を勝ち取ろうではありませんか」と訴え、大きな拍手を受けました。

大阪市で 市田書記局長

 衆院解散総選挙を目前にひかえた六日夜、日本共産党大阪府委員会は、大相撲春場所の会場となる難波の府立体育会館で大演説会を開きました。市田忠義書記局長が日本の民主的改革の提案を示し「大激戦の大阪、日本共産党がのびてこそ政治は変わる」と七千五百人の聴衆に訴えました。

 近畿ブロック(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)千六百六十万有権者の四割を超す七百万有権者をかかえる大阪では、前日、神崎武法公明党代表が三カ所で街頭演説するなど十九の小選挙区を基礎に激しいたたかいとなっています。

 市田書記局長は、冒頭、総選挙の全国十一ブロックのなかで日本共産党がもっとも多くの議員をもっているところが近畿だとのべ「歴史の岐路に立つとき、つねにそれを前向きに切り開くけん引車の役割をはたしてきたのが、近畿と大阪のみなさんでした。こんどもその伝統をおおいに発揮して、全国をひっぱる役割をぜひはたしていただきたい」と訴えました。

 今度の総選挙について、自民党の古い枠組みか、日本共産党の民主的改革かの対決だと強調するとともに、野党のあり方も厳しく問われていると指摘。最悪の大衆課税である消費税増税や「創憲」と称して改憲を公約にかかげる民主党の政治は、結局、自民党政治の枠内のものだとのべ、日本共産党がのびてこそ、政治は変えられると、大きな支持を訴えました。

 「共産党大丈夫か」と心配してかけつけた人も「元気が出た」と話すなど、市田氏の演説や候補者の訴えの区切りごとにかけ声、大きな拍手を送っていました。

 小選挙区、比例候補がそれぞれ決意を表明、来年の参院選選挙区候補の宮本岳志参院議員と比例代表候補の池田幹幸議員が紹介されました。

 大阪市長選挙(十一月三十日投票)に立つ、渡辺たける・大阪城天守閣名誉館長、来年二月一日投票の大阪府知事選挙に立つ弁護士の梅田章二氏が、それぞれ地方政治革新の決意をのべました。

 総選挙直後の大阪市長選、大阪府知事選とも、自民、公明、民主の推す候補と日本共産党が推す候補の一騎打ち、マスコミが書き立てる「自・公と民主の対決」が偽りであることがこの面からも明らかになっています。

 松原市の専門学校生、氏川佳代子さん(20)は「今度の選挙が二十歳になって投票権ができて初めての選挙です。市田さんの話が聞けてよかった。印象に残っているのは平和の問題です。とくに憲法九条を守ることの重要性がよくわかりました。よく考えて改悪を許さない世論を広げたい」と話していました。