2003年9月30日(火)「しんぶん赤旗」

暮らし・経済 安保・外交 憲法

21世紀の日本の進路を問う

日本共産党の改革提案示す

衆院本会議 志位委員長が代表質問

【関連記事】


 日本共産党の志位和夫委員長は二十九日、衆院本会議で代表質問に立ち、二十一世紀の日本の進路はどうあるべきかについて日本共産党の改革提案を示し、小泉純一郎首相の見解をただしました。

 志位氏は、小泉「構造改革」で生活不安はかつてなく深刻になっていると批判。日本共産党の「日本経済の三つの改革」((1)税金の使い方を改革し、社会保障を予算の主役に(2)消費税大増税を許さない(3)国民の生活と権利をまもる「ルールある経済社会」をつくる)を提案しました。

 「税金の使い方の改革」で志位氏は、国民が国と地方に納めた税金のうち、社会保障への公費負担として返ってくる“見返り率”で、日本はサミット諸国中最低だと指摘。「予算の優先順位を間違えている」として、▽公共事業費を、福祉・環境型に転換して雇用を確保しながら、二十五兆円程度に段階的に縮小▽軍事費を「聖域」とせず、大幅軍縮に転ずる―ことを求めました。

 消費税問題では、「三年間は増税しない」という首相に対し、「三年間かけて増税の環境を着々とつくるというのが首相の立場ではないか」と追及。首相は「私の任期中は引き上げない。あとのことは、あとの首相が考える」と逃げの答弁に終始しました。

 志位氏は、「増税は社会保障の財源」などとする政府・与党の口実を、実際は「大企業の負担軽減」だと具体的根拠を示して批判。社会保障財源として浪費一掃の歳出改革、大企業や高額所得者に応分の負担を求める税制と社会保障制度の民主的改革を提唱しました。

 「ルールある経済社会」をつくる改革では、とくに雇用問題をあげ、(1)長時間労働を是正し、「サービス残業」を一掃して、新しい雇用を増やす(2)若者に仕事を保障することを、政府と大企業の責任でおこなう(3)人減らし応援の政治を根本から見直す―ことを主張しました。

 外交・安保問題で志位氏は、米英のイラク先制攻撃を「国連憲章の原則への挑戦」と批判したアナン国連事務総長の言葉をあげながら、首相のイラク戦争支持は誤りだったと追及。首相は「(イラク攻撃は)国連憲章にのっとったもの」と強弁しました。

 憲法問題で志位氏は、政府・与党内の改憲論について「米軍が地球的規模でおこなう戦争に、自衛隊が何の歯止めもなく参加できるようにする」ことが狙いだと批判、憲法改悪策動の中止を求めました。

イラク派兵の中止を

 志位和夫委員長は、政府が米国の要請で年内にイラクへの自衛隊派兵をおこなう方針に転換したとされる問題をとりあげ、「イラクの治安情勢は悪化の一途をたどっており、自衛隊派兵を強行することは『戦闘地域には派遣しない』としてきた政府の見解とも、まっこうから矛盾する」と追及。派兵中止とイラク派兵法の廃止、テロ特措法延長案の廃案とインド洋に派遣している自衛隊の撤退を求めました。

 小泉純一郎首相はイラク派兵について「(政府調査団の)調査結果をふまえ、派遣の可能性を判断する」とのべました。