2003年9月18日(木)「しんぶん赤旗」

綱領改定案をふまえて、世界と日本にどう働きかけるか

日本共産党第8回中央委員会総会開く

情勢とたたかいの重点的問題を提起

志位委員長が党大会決議案を提案


 秋の解散・総選挙が濃厚となる緊迫した情勢のなか、日本共産党は十七日、党本部で第八回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が第二十三回党大会決議案の提案報告と、「総選挙と党大会に向けた活動の基本方針」についての報告をおこない、この日の討論では十四人が発言しました。二日間の日程です。


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第8回中央委員会総会で大会決議案、「総選挙と党大会に向けた 活動の基本方針」を提案する志位委員長=17日、党本部

 志位委員長は、十章からなる大会決議案全体の特徴を四点にわたって明らかにし、新しく踏み込んだ解明や方針の発展、重視してとりあげている問題などを丁寧に説明しました。

 全体の特徴の第一は、「党綱領改定を、直面するたたかいにどう生かすかという見地にたって、重点的に問題を提起している」ことです。

 志位氏は、今回の決議案は、情勢の焦点となっている熱い問題で重点的に問題を提起しており、「全体で十章だが、重視して提起すべき問題を、いわば順不同でのべている。“一話完結”で、どこから読んでもらってもよいものです」と指摘。このような決議案が可能になったのは、党綱領改定案で民主主義革命が達成すべき改革の諸課題について体系的・包括的に明らかにしているからだ、と説明しました。

 第二に、「新しい綱領をふまえて、世界と日本にわが党がどう働きかけるか――たたかいの方針、活動の方針に力点をおいた決議案になっている」ことです。各章で展開されている情勢分析・現状分析も、たたかいと活動をどうすすめるかという実践的な見地からのものとなっているとし、「新しい綱領をどう実践していくかという闘争方針」という特徴が、決議案全体に貫かれているとのべました。

 第三に、「どの章も、党支部が活動するさいに、草の根での国民との接点となる身近な問題についての党の立場を明らかにしている」ことです。

 平和、暮らし、憲法などの課題は、党支部が国民に働きかけるさいに接点となる問題で、直面する国政選挙でも具体的な争点となること、社会道義と子どもの問題は、国民的にも多くの人々が心を痛めている問題で、草の根からもさまざまなとりくみがおこなわれていることなどをあげました。

 決議案の第四の特徴として志位氏は、「秋にもおこなわれる可能性が濃厚となっている総選挙、来年の参院選をたたかう指針としても、そのまま生かすことができる」とのべ、「綱領改定案を土台に、大会決議案を指針に、当面の政治戦をたたかいぬこう」とよびかけました。

 このあと、志位氏は各章ごとに特徴をくわしく説明したなかで、「社会の道義的な危機を克服する国民的対話と運動を」(第七章)という新しい問題提起をはじめ、雇用、社会保障、消費税という国民生活の焦眉(しょうび)の問題での国民的運動のよびかけ(第五章)や、改憲反対の一点での広い国民的共同を提起(第六章)していることなどを報告しました。

党大会決議案の柱

 第一章 世界の平和秩序を築くたたかい

 第二章 「異常な対米従属」からの脱却を求めるたたかい

 第三章 東アジアの平和と安定――北朝鮮問題の解決のために

 第四章 日本共産党の野党外交の到達点と展望

 第五章 国民生活をまもる諸闘争――たたかいによって暮らしを守るルールを

 第六章 憲法改悪反対の一点での、広い国民的共同を呼びかける

 第七章 社会の道義的な危機を克服する国民的対話と運動を

 第八章 総選挙、参議院選挙での新たな躍進をめざして

 第九章 地方政治の現状ととりくみの強化方向

 第十章 どうやって党建設を安定的な前進の軌道にのせるか


総選挙と党大会に向けた活動の基本方針

草の根からの宣伝・組織活動を
40日間の期限を決めてやりぬこう

志位委員長が報告

 志位和夫委員長は、第二十三回党大会決議案の提案報告につづき、総選挙と党大会にむけた活動の基本方針について三点にわたって報告しました。

 第一は、秋の解散・総選挙の可能性が濃厚になっているもとで、総選挙勝利のための活動を、あらゆる党活動の前面にすえて、勝利に必要なことをやりきることです。

 志位氏は「勝利に必要な草の根からの宣伝・組織活動−ポスター、ハンドマイク、対話・支持拡大、後援会活動、党勢拡大−を、この八中総から四十日という期限を決めてやりきるようにしたい」とあらためて提案しました。

 草の根での活動を、期限を設定して早い時期にやりきることは、これまでの選挙総括にてらしてもきわめて重要だとのべて、前回総選挙、参院選挙、いっせい地方選挙の教訓も示して解明。「これらの活動をやりきってこそ勝利の道が開ける。総選挙にむけて今度こそやりぬこう」とよびかけました。

 第二は、総選挙勝利の活動と同時に、大会成功のための活動をやりぬく構えを崩さず、大いに前進をはかることです。

 志位氏は、(1)綱領改定案と大会決議案の全党討論(2)「党員・読者拡大の大運動」の成功−の二つをあげて、これらをやりきる重要性を指摘。綱領改定案・大会決議案冊子の全党員への届け、読了、討議、実践を一体にすすめる姿勢が大切とのべるとともに、「前進から必ず飛躍に転じ、党勢拡大の大きな前進のなかで選挙と大会をむかえよう」とよびかけました。

 「大会成功をめざす課題をやりぬくことは、かりに早期の総選挙となっても、勝利に必要な政治的・理論的・組織的土台を築くことになり、決して矛盾するものではない」と指摘。「『支部が主役』のとりくみにするならば、相乗的に推進できる」とのべて総選挙勝利と大会成功のとりくみを統一して推進する構えを党機関が貫くよう求めました。

 第三に志位氏は、早期の解散・総選挙となった場合についてふれ、「解散の翌日に、緊急の中央委員会総会(九中総)を招集して大会延期の措置をとるようにしたい」とのべました。

 「早期の解散の場合には、綱領改定案、大会決議案を、総選挙をたたかう基本方針として、勝利をめざして奮闘するようにしたい」とのべて、全党の奮起をよびかけました。