2003年7月3日(木)「しんぶん赤旗」

道義的責任はたし、被害者の人権をまもる

二つの原則にたって対処

セクハラ問題で志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は二日、国会内の記者会見で、筆坂秀世氏のセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)行為にたいする党の対応について問われたなかで、「党がつぎの二つの原則にたって対処してきたことを、ご理解いただきたい」とのべました。


 第一は、「社会的道義を最大限に重視して対応してきた」ことです。すなわち、訴えがよせられたさい、事実関係を厳正・公正に調査し、きびしい処置を決めるとともに、みずから問題を公表する態度をとりました。

 志位氏は、第二十二回党大会で改定された党規約が、第五条(党員の権利と義務)の第一項で「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」とのべていること、党と社会との関係でいえば、市民道徳と社会的道義をまもることが最優先の義務となることを説明し、「このことを最優先して対応してきました」とのべました。

 第二は、「公表するにあたっては、被害をうけた女性の人権とプライバシーをまもることを、鉄則中の鉄則として、何よりも重視してきた」ことです。すなわち、問題の核心にかかわる基本的事実は明らかにするが、不要な詳細――情景描写的な詳細はたちいらないという原則で対処してきたことです。

 志位氏は、「これは公的に確立されたルールだということが、私たちの認識です」とのべ、人事院のセクハラにかんする苦情相談に対応するさいの指針(九九年)や、「キャンパス・セクシュアルハラスメント全国ネット」の大会提言(二〇〇二年)などについて言及しました。

 人事院の指針では、セクハラ相談に対応する「基本的心構え」として、「(1)被害者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと、(2)事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること、(3)関係者のプライバシーや名誉その他人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること」の三つの原則をかかげています。

 キャンパス・セクハラ問題の全国ネットの提言では、「被害をうけた人の権利保持と権利回復」のための措置、とくに「二次被害から被害者をまもるための措置」を、強く求め、マスメディアにたいして、「被害者の特定につながる情報は、原則として報道しないこと。また、被害者が望まない詳細な事実の報道は行わないこと」などを求めています。

 志位氏は、「これは『政治と金』をめぐる不祥事などとは違う性格の問題です。解決にあたって、『被害者のプライバシーをまもる』ことは、鉄則中の鉄則であり、情景描写的な詳細をのべることは、被害者の特定につながり、被害者に二次的な苦痛をあたえ、それ自体が新たなセクハラをまねくことになります。不要な詳細をのべないことこそ、責任ある対応だと考えています」と、党の立場を説明しました。


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