2003年6月14日(土)「しんぶん赤旗」

イラク特措法案 政府が国会提出

志位委員長が会見で批判


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記者会見する志位和夫委員長 =13日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は十三日、イラク特措法案が国会提出されたことについて、国会内で記者会見し、次の談話を発表。憲法違反の軍事占領支援法を厳しく批判しました。

 一、政府は、本日、イラクへの自衛隊派兵を中心的な内容とする「イラク支援特別措置法案」を国会に提出した。

 いまイラク国民からも、国際社会からも、日本に自衛隊派兵を求める声などない。にもかかわらず、あくまでも自衛隊を派兵しようとするのは、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上軍の派兵)」という米国ブッシュ政権の要求にこたえ、米英軍によるイラク軍事占領に自衛隊を合流させるためである。そのことは、法案が、米英軍がイラクでおこなっている軍事占領活動を「支援」することを、自衛隊の主要な任務の一つとして位置付けている(第三条第一項2号)ことからも明らかである。

 イラク復興支援でなによりも重要なことは、イラク国民の意思を尊重することであり、そのためには国連が中心的役割を果たすことが不可欠である。

 無法な戦争のうえに、長期の軍事占領支配、新しい植民地主義の支配をすすめようとしている米英軍支援のために、自衛隊を派兵することは、イラク国民の意思を尊重した真の復興に逆行する、きわめて有害なものである。

 一、イラク派兵法案の重大な特徴は、これまでのPKO(国連平和維持活動)やテロ特別措置法などとちがい、現に戦闘がおこなわれている戦場に、戦後、初めて地上軍を派兵するものとなっていることである。

 米英軍による軍事占領へのイラク国民の反感は非常に強く、戦闘行為が依然として続き、イラク国民、米英軍双方に死傷者が相次いでいる。法案は、「非戦闘地域」での支援に限るとしているが、現実には「戦闘地域」と「非戦闘地域」の区分など不可能である。ここに自衛隊を派兵することは、自衛隊が米英軍とともにイラク国民に銃口を向け、あるいは向けられることになる。

 こうした計画が、武力行使や交戦権を禁止した憲法に違反するものとなることは、あまりにも明らかである。

 一、イラク派兵法案が、その第一条で、米英によるイラク戦争を、「国連決議にもとづく合法的なものだった」と追認することを明記していることも、重大である。

 「無法な戦争は、勝利しても、無法であることに変わりがない」ということが、国際社会の多数の声である。くわえて、米英が戦争遂行の最大の口実とし、日本政府が戦争支持の最大の理由とした、大量破壊兵器の問題をめぐって、情報の不正な操作が国際的な大問題となり、イラク戦争の「大義」はいよいよ根底から揺らいでいる。

 無法な戦争を正当化することを前提に、自衛隊の派兵計画を強行することは、誤りに誤りを重ねるものとして、絶対に許されない。

 わが党は、イラク派兵法案の撤回を強くもとめるものである。


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