2003年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

被団協総会

志位委員長がメッセージ


 核兵器のない平和な世界のため、また原爆被爆への国家補償と被爆者施策の拡充のため、たゆみなく運動をつづけるみなさんに、心からの連帯のあいさつを送ります。

 二十一世紀の世界と日本の平和にとって、きわめて重大な岐路にある今、戦争と原爆被害の体験から、「戦争反対」「核兵器使うな・核兵器なくせ」と訴えつづけるみなさんの声は、ますます多くの人びとを励ますでしょう。

 世界中に反戦行動が巻き起こったイラク戦争では、劣化ウラン弾やクラスター爆弾などの残虐兵器によって、多くの罪もない市民が殺傷されました。この戦争は、国連決議もないまま、国連憲章をじゅうりんして強行された侵略戦争であり、米ブッシュ政権がうちだした先制攻撃戦略の危険を浮き彫りにしました。米ブッシュ政権が、軍事行動での「あらゆる選択肢」に、核兵器使用も含まれることを否定していないことはきわめて重大です。

 二十一世紀の世界平和のために、このような無法とその拡大を許さず、二度の大戦の惨禍から打ち立てられた国連憲章にもとづく平和のルールをまもり強化し、そして危険な核兵器使用政策を許さず、核兵器廃絶を実現することは、きわめて緊急かつ重要な課題となっています。またアメリカの先制攻撃の戦争に日本を参戦させる有事法制を廃案においこみ、憲法九条をまもることも、今国会での緊迫した課題となっており、ともに力をあわせるよう強く訴えます。

 みなさんはまた、原爆症認定問題や外国に居住する被爆者への施策の充実のため、粘り強い努力を重ねられています。被爆者に冷たい施策の根本には、原爆投下が国際法違反であることも、その要因となった侵略戦争の責任も認めない日本政府の姿勢があり、これらのとりくみは反核平和のたたかいの一環ともなるものです。

 「ふたたび被爆者をつくるな」というみなさんの声が真に実現するよう、ともに奮闘するものです。


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