2003年5月11日(日)「しんぶん赤旗」

利権政治の復活許さず、
県民主権の県政改革を前進させよう

徳島知事選 大田候補を志位委員長が応援

大田候補が訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は十日、徳島知事選(十八日投票)で自民・公明推薦の天下り官僚と大激戦を繰り広げている大田正前知事の再選を何としてもとJR徳島駅前で大田候補とともに街頭演説にたちました。「道理なき不信任ノー、汚職と利権一掃の願いを大田さんに」「県民主権の県政改革をさらに前進させよう」と熱く支持をよびかけ、駅前は、市民が次々と足をとめて二千人の聴衆に。「がんばれ」の声援と「不信任NO!」「可動堰中止!」と書かれたプラカードがあちこちでゆれました。


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大田知事候補と志位委員長の訴えを聞く人たち=10日、徳島駅前

 大田候補は、官僚候補陣営による誹謗(ひぼう)・中傷に反論し、「始まったばかりの徳島県政の改革、新しい徳島に向かっての創造をやらせてほしい。死にものぐるいで必勝に向けてたたかいぬく」と決意を表明。勝手連県民ネットワークの村上稔徳島市議、日本共産党県議団を代表して達田良子議員が連帯のあいさつをのべました。

 「二つの陣営をみると何から何まであまりに対照的です」。こう切り出した志位委員長は、大田候補陣営には市民運動、政党、団体、個人が大同団結するなど「ほんとうの地方自治の力が結集している」のにたいし、相手陣営は、候補自身が自治体に圧力をかけるのが仕事の総務省(旧自治省)の出身であり、かつぐ方は汚職と利権の勢力で、選挙のやり方も業界や市町村しめつけの「時代錯誤そのもの」と指摘。

 「どちらの陣営に未来があるかは明りょうです。日本共産党は、清潔で県民主権の県政改革をすすめる大田さんの勝利のために、幅広い県民のみなさんとの立場の違いをこえた大同団結を大切にし、あらゆる力をつくしてがんばりぬきます」と訴えました。

 志位氏は、選挙戦の争点を二つの角度で明らかにしました。

 第一は、「道理のない知事不信任に審判をくだし、汚職と利権の県政への逆戻りを許さないこと」です。

 大田知事が苦心してつくりあげた、少人数学級や「緑の公共事業」(森林整備計画)などを盛り込んだ予算案は全会一致で可決。ところが、これには賛成して、ともに県政に責任をもつべき自民、公明など野党は、直後に問答無用で知事不信任を強行しました。

 志位氏は、この暴挙を「ひとかけらの道理もない」と糾弾。不信任の真の理由は、大田知事が前知事の利権と腐敗の構造の究明、根絶に心血を注ぐなか、利権と腐敗に汚染された野党が事件の究明を恐れたからだと指摘しました。

 そして、先の県議選で自民党県議の逮捕や運動員の買収、供応の摘発が続発していること、自民・公明推薦の官僚候補が不信任について“知事と議会が「妥協」しなかったのが悪い”と、汚職と利権の徹底究明にフタをする姿勢をとっていることをきびしく批判し、「不信任への県民の審判は、まず県議選でしめされました。こんどは本番の知事選ではっきり決着をつけましょう」とよびかけました。

 第二の争点は、「県民主権の県政改革を前にすすめるのか、逆戻りさせるのか」です。

 志位氏は、大田県政が野党の激しい妨害のなかでも、少人数学級の開始(今年四月から一年生、来年からは二年生)、巨大開発から環境・福祉型に中身を切り替え、県内企業が受注できる公共事業改革など「希望ある変化」をつくりだした実績を紹介しました。

 それにたいし官僚候補は出馬会見で、住民投票で圧倒的にノーの審判がくだった吉野川可動堰(ぜき)を「選択肢の一つ」とのべています。また「国から仕事をもってくる」ことを唯一の売り物に巨大開発をもちこもうとしています。埼玉県に出向し財政課長を務めた当時は、「さいたま新都心」などのゼネコン型の巨大開発をすすめ、二年間で五千億円もの借金を増やした“実績”があることを志位氏はしめしました。

 志位氏は、県議選で大田知事をささえる勢力が三分の一を上回ったもとで、「不信任や予算否決など、横暴勝手はもはや通らなくなりました。安心して大田さんを選んでください。激戦を勝ち抜かせてください」と訴え、大きな歓声と拍手に包まれました。


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