2003年4月6日(日)「しんぶん赤旗」

「オール与党」か日本共産党か

党幹部が各地で前進訴え


 道府県議選、政令市議選が告示されて最初の土曜日の五日、各地で激烈なたたかいがくりひろげられているなか、日本共産党は、志位和夫委員長が京都、兵庫、福岡の三府県を、市田忠義書記局長が栃木、埼玉両県をかけめぐったのをはじめ、党幹部、国会議員が全国各地で党候補押し上げに総力をあげました。党支部、党後援会は、イラク戦争をやめさせる平和の問題、国民負担増など暮らしの問題や、地方政治で果たしている日本共産党の役割を語り、支持拡大、宣伝に全力をあげました。


京都、兵庫、福岡で 志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は五日、京都、神戸、北九州、福岡をかけめぐり、党府県議・政令市議候補の全員勝利を訴えました。

 志位氏は、激しい戦闘がつづき、市民の死傷者が日を追って増えるイラク戦争の無法ぶりを怒りをもって告発。クラスター爆弾や劣化ウラン弾など残虐兵器が使われているとし、「『大量破壊兵器をなくす』としてはじめた戦争で、米国は大量破壊兵器を次々に使用している。こんな無法な戦争はただちにやめよとの声をつきつけましょう」と訴えると、どこでも大きな拍手がわきおこりました。

 志位氏は、イラク戦争を支持し、国民負担増を押しつける自民・公明が、地方政治で民主党などと「オール与党」として「逆立ち」政治をすすめている実態を告発。「『オール与党』か日本共産党か。自共対決を軸に争点ははっきりしました」と訴え。日本共産党のかけがえのない値打ちを示した演説に、市民が次つぎ足をとめ、共感の拍手を送りました。

■京都 四条大宮800人

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志位委員長を迎えて開かれた街頭演説で、歩道をうめて訴えを聞く人たち=5日夕、京都市・四条大宮

 雨のなか、京都市中京区の四条大宮駅前で聞き入った八百人の聴衆を前に志位氏は、「京都では二つの流れが激しい対決をしている」と指摘。(1)府も市も自民、公明、民主など「オール与党」による住民いじめが全国でもきわだっている(2)日本共産党議員団が全国で一番大きな力をもっており、蜷川民主府政以来の革新・民主の伝統が脈打っている―とのべ、「どちらをのばすのかが今度の選挙の焦点」と訴えました。

 国保証のとりあげ、介護保険料の大幅引き上げをする一方、景観破壊と交通渋滞をもたらす高速道路の市内引き入れをすすめる「オール与党」の府政・市政の「逆立ち」ぶりを告発し、「国保料の一万円引き下げは、現在工事中の高速道路二路線に投入する四百三十一億円の二十分の一でできます」と訴えました。

 全国一の力をもつ日本共産党議員団が府民の運動と一体で、「オール与党」の激しい妨害をはねのけ、政令市で初めて本格的な少人数学級を実現した実績を紹介。自己負担をなくして乳幼児医療費の就学前までの無料化を求めた府民十一万人の請願に公明党が「大衆蔑視(べっし)と身勝手な党派性」などと反対した事実をあげ、「どんな一歩も『オール与党』の激しい妨害をはねのけてこそ実現できます。日本共産党を大きくしてください」と訴えました。

■神戸元町 大丸前2500人

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市議候補、県議候補とともに日本共産党の躍進を訴える志位委員長の街頭演説をきく人たち=5日、神戸市元町

 神戸市元町の大丸前では買い物客などが次つぎ足をとめ、二千五百人の聴衆の人垣ができました。

 志位氏は「震災から八年、『いまなお生活再建は途上』といわれる兵庫県の政治がこれでいいのでしょうか」とのべ、自民、公明、民主、社民の「オール与党」が(1)国いいなり病(2)福祉切り捨て病(3)巨大開発病―という“三つの病気”を県政にはびこらせていると告発しました。

 国の法改悪にあわせて国保証取り上げを自民・公明が県に迫るだけでなく、医療費助成制度の対象を切り縮め、乳幼児医療費助成への一部負担導入など福祉切り捨てによる負担増は四十七億円。その一方で、巨大開発の失敗の穴埋めに毎年使っている税金は五十七億円です。さらに需要予測が破たんした神戸空港をつくるという“三つの病気”による「逆立ち」ぶりを明らかにし、「無駄遣いの連鎖を日本共産党の躍進で中止させよう」と訴えると、「そうだ」の声と拍手がいっせいにおきました。

 志位氏は、党県議団が前回七議席から十四議席(補選で十五)に躍進して獲得した議案提出権も行使して、暮らし・福祉を守る条例づくりや無駄な公共事業をストップさせた実績を紹介。兵庫では南光町、福崎町、黒田庄町での党員首長の実績は全国を励まし、尼崎市での変化も素晴らしい可能性を示していると強調し、「希望ある流れを県政、市政でも大きく広げようではありませんか」とよびかけました。

■北九州、福岡 両会場で6000人

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志位委員長をむかえ、日本共産党の躍進を訴える街頭演説=5日夕、福岡市・天神

 北九州市の小倉駅前と福岡市の天神岩田屋前の街頭演説には、買い物客が次つぎ足をとめ、歩道は立すいの余地もないほど。両会場あわせて六千人の聴衆となりました。

 志位氏は、「一人当たりの住民税でみると福岡県は九州七県中トップ。ところが一人当たりの民生費六位、教育費七位」とのべ、麻生(知事)・「オール与党」県政のもとで進む「逆立ち」政治を国保、教育、巨大開発の各分野で告発しました。

 なかでも国保問題は深刻で、福岡県は国保証取り上げ件数・率とも全国最悪の水準です。

 志位氏は、保険証が取り上げられて高い医療費が払えず、重症になっても入院できない北九州市の男性の事例をマスコミもとりあげたことを紹介。国保証の取り上げ問題で日本共産党が、国保法にある「特別の事情」の条項を活用し、失業や不況にあえぐ住民からの国保証取り上げをやめさせようと提案していること、県の市町村国保会計への補助が北九州市、福岡市の場合一人当たり五円であることを示すと、「たった五円!」の驚きの声が。「日本共産党をのばしてこんな無慈悲な取り上げをやめさせ、県の補助を大幅に増やそう」の訴えに大きな拍手がおきました。

 玄海国定公園を破壊し、二兆円規模の事業費を注ぎ込んで新宮沖に新福岡空港を建設しようとしている「オール与党」が、世論を恐れ、今回の選挙戦でだんまりを決めこんでいると指摘。「ここまで追い込んできたのは県民の運動です。日本共産党をのばして、この無謀な計画をやめさせよう」と訴え。入札制度の改善など日本共産党県議団の豊富な実績を紹介し、「巨大開発の浪費をストップし、福祉、医療、教育への一票を日本共産党へ」と訴え、大きな拍手に包まれました。