2003年4月8日「しんぶん赤旗」九州・沖縄のページに掲載

〔HP限定〕

日本共産党の躍進で「逆立ち県政」を正そう

福岡での街頭演説 志位委員長の訴えから<要旨>(2003年4月5日)


 日本共産党の志位和夫委員長は五日、北九州市と福岡市で街頭演説し、あわせて六千人の聴衆が聞き入りました。その地方政治にかかわる部分(要旨)を紹介します。

 地方政治はなんのためにあるのでしょうか。地方自治法に「住民福祉の増進」が目的だと書いてあります。「ゼネコン利益の増進」とは書いてありません。「住民福祉の増進」というものさしに照らして、ちゃんと仕事をやっているか。麻生県政と「オール与党」は、その仕事をやっていません。
 九州七つの県を比較してみました。一人当たりの住民税はダントツで福岡県がトップです。税金は九州で一番ですが、一人あたりの民生費は七県中六位。お年寄りの一人当たりの老人福祉費は七位と最下位です。一人あたりの教育費も七位。福岡の県政が、九州の中でも飛び抜けて「逆立ち」していることは一目瞭然(りょうぜん)です。これを正そうといっているのが、日本共産党です。


麻生県政が持ちこんだ3つの病気

 私は、麻生県政と「オール与党」は、三つの病気を県政に持ち込んだと思います。

全国一ひどい国保証の取り上げ

 一つは、「国のいいなり病」です。
 そのひどい例が国保証の取り上げです。国民健康保険の保険料が高すぎて払えない。やむなく滞納になった。その滞納になった方から国保証を取り上げて、資格証明書にかえる。国の法改悪が原因ですが、一番忠実にやっているのが、福岡県です。資格証明書を出されている世帯が二万八千百六十一世帯。全国の資格証明書の12%は福岡県なんです。全国ダントツ一位です。資格証明書というのは、窓口で医療費を全額払わなければならない。全額払えるくらいなら、保険料を払ってます。保険料を払いたくても払えないのですから、「医者にいくな」といっているに等しいひどいやり方です。
 二月十六日に放送されたJNNの報道特集「保険証のない患者たち」で、会社が倒産して保険料が払えなくなった北九州市の男性が出ていました。四〇度の高熱を三週間我慢し、病院に運び込まれ、肺炎・肺気腫だったが結局入院を断ったといいます。それでも、保険証の交付を拒否されて、「貧乏人は死なないかん」とつぶやかれました。
 全国で国保証の取り上げがあまりにひどいので、共産党は国保問題の政策を出しました。政策の一つは、法改悪はやられたけれど、いまの法律でも自治体の姿勢がちゃんとすれば、取り上げなくてすむということです。「特別の事情」があるときは、取り上げてはいけないと書いてあります。いま、こんな不景気で、こんな失業で、こんな倒産で、「特別の事情」じゃないですか。この条項をちゃんと使って、自治体は取り上げをやめるべきです。埼玉の和光市などではやっていません。自治体の姿勢ひとつでできます。日本共産党を伸ばして、こんな無慈悲な取り上げをやめさせようではありませんか。
 もう一つは、やはり高すぎる国保料を引き下げなければならないということです。そのためには、国が国庫負担を増やす必要がありますが、県の責任も重要です。県が市町村の国保会計にどれだけお金を支出しているか。北九州市、福岡市へは、一人あたりたったの五円です。全国平均でも、市町村の国保会計に、一人あたり七百四十九円出しているのに、本当にひどい県政です。「県はもっときちんと市町村の国保会計を応援せよ」の声をどうか共産党に託してください。

福祉・教育の切り捨て

 二つ目の病気は、「福祉・教育切り捨て病」です。「行革」という名で、おそるべき福祉・教育の切り捨てがすすんでいます。県立病院の民営化・廃止。県立養護児童施設の廃園。いろいろな事情で親と暮らせなくなった子どもたちの施設です。「『家なくなる』痛切な叫び」とマスコミでも取り上げられました。
 とくにひどいのは、県立高校つぶしです。今後五年間で、百十一校ある県立高校を九十四校にしてしまう。十七校も高校をつぶす。県は「生徒の数が少なくなっているから減らすのは当然」といっているそうです。しかし、子どもさん一人あたりの高校数では、四十七都道府県のうち四十三位です。高校の数が余っているんではなく、足りないんです。高校をつぶすんじゃなくて、少人数学級にすすむチャンスではありませんか。ですから、この「福祉・教育切り捨て病」を共産党の躍進で直そうではありませんか。

最大の無駄遣い新福岡空港

 三つ目の病気はやっぱり「巨大開発病」です。新福岡空港建設計画です。私は、県政史上最大最悪の無駄遣いだと思います。
 新宮沖を五百六十ヘクタール埋め立てて、三千メートル級滑走路を二本もつ新しい空港をつくるといいます。関西空港より大きい。関空が五百二十四ヘクタールで、いま滑走路一本ですから。費用が一・五兆円から二兆円かかるといわれています。関空でも赤字で問題
になっているのに、無謀というしかありません。
 その理由が「福岡空港はいっぱいになるから」だそうですが、福岡空港の利用者数はこの三年間、だいたい千七百万人で横ばいです。利用者が増えたとしても、すでに佐賀空港があり、こんどは新北九州空港ができるのでかなりの対応ができる。しかもこの新宮沖というのは、貴重なタツノオトシゴだとか、アカウミガメだとか、スナメリだとか、いろんな動植物がいる大事な国定公園になっている。そうした自然の宝庫の破壊になります。
 ですから、どんな世論調査をやっても、県民の六割以上が「新空港はいらない」といっている。そこで、麻生知事も「オール与党」もだんまりでやり過ごそうとしています。しかし、四年前は、空港をつくると堂々といっていたのです。堂々といえなくなるところまで追い込んだのは、みなさんの力と運動ではないでしょうか。
 ここで、日本共産党を伸ばし、今里滋さん(知事候補)を当選させれば、新空港にストップをかけることができる。この巨大乱開発はストップをして大事な税金はみなさんのくらし、福祉、教育に使え、という一票を、日本共産党に託してください。よろしくお願いします。

大活躍の党議員団をいっそう大きく

 日本共産党の県議団は四年前に二人から五人に躍進しました。
 県の五億円以上の公共事業の落札率が99.3%という談合疑惑を明らかにして、入札制度を改善し、税金を節約する大きな貢献をしたのも、五名の県議団の力です。
 中小企業の経営相談とか技術指導をする支援センターを五カ所に設置させたのも、五名の県議団の力です。
 三十人学級の実現と私学助成の拡充で、四年間で二百万人にのぼる署名運動と力を合わせて、とうとう他会派からも紹介議員になるなど、いよいよ実現に向けて、動き始めたのも、みなさんのたたかいの成果です。
 福岡市議団も、ケヤキ・庭石疑惑で、「日本共産党が取り上げなければヤミに葬り去られていた」といわれる問題で、百条委員会を設置させ、大活躍しました。日本共産党ならではの活躍ではないでしょうか。
 県議会でも、福岡市議会でも、この力をどうか伸ばしていただきたい。
 どうか、みなさんの絶大なご支援を広げに広げていただいて、日本共産党を大躍進させてください。