2003年2月28日(金)「しんぶん赤旗」

「地上の問題」での共同、「異文明の共存」など語る

大阪で 志位委員長と宗教者

各宗派200人参加


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宗教者との懇談会で話をする志位和夫委員長=27日、大阪市港区

 日本共産党の志位和夫委員長は二十七日、大阪市港区内のホテルで開かれた宗教者との懇談会で「宗教と現代を語る」と題して講演、仏教各派、キリスト教各派、神道、天理教、金光教、立正佼成会など二百人を超える宗教者らと、世界平和の問題から、「異なる宗教・文明の平和的共存」の問題まで、熱のこもった懇談を行いました。

 懇談会は、浄土宗大長寺の西田亨心氏、浄土宗正念寺の一法真證氏、真宗大谷派仏願寺の安城正親氏、天理教よろこび布教所の矢野太一氏、日本基督教団多聞教会の平山武秀氏ら大阪府内の宗教者が実行委員会を結成しよびかけたもの。志位氏と幅広い宗教者との懇談会は初めてです。

 講演で志位氏は、「私自身は、信仰をもたず世界観としては唯物論の立場ですが、宗教というものを身近に感じることがあります」と切りだし、奈良の歴史遺産やバッハの「マタイ受難曲」の印象、南アジア訪問の体験を語りました。そして、宗教が、人類の価値ある文化をつくりあげ、国際的な交流・友好とも不可分に結びついているのではないかとのべ、「二十一世紀を迎え宗教にかかわって大切だと考えていること」として二つの問題を語りました。

 第一は、「世界観の違いはあっても、『現世の問題』──平和、命、環境などさまざまな課題で、共同して世の中をよくしていくこと」です。志位氏は、日本と世界で広がる宗教者のイラク戦争反対の声には、(1)戦争のもたらす人道上の惨禍を許さない強い意志(2)この戦争には道徳、正義がないこと(3)異なる宗教間の仲たがいをさせることになるとの警告があると指摘。

 史上空前の民衆の戦争反対の運動、イラク戦争反対で展開している日本共産党の野党外交についてのべながら、平和のための共同を訴えました。そして、暮らし、環境、社会道徳、宗教者の諸権利の擁護の問題などさまざまな問題で相互理解と共同を広げたいと抱負を語りました。

 第二に志位氏は、「大きな目で二十一世紀をみた場合、異なる宗教、文明との対話と平和共存が重要になると思う」と提起しました。

 南アジア訪問の経験を報告しながら、イスラム社会の実情をリアルに紹介するとともに、イスラム社会を人類の進歩の外にあるかのようにみなし、「異なる文明の衝突」を説く考えの有害性を指摘。「邪宗・邪思想撲滅」と排他的で独善的な態度をとっている公明党・創価学会の攻撃を打ち破ることは、民主主義にかかわる問題と強調しました。

 最後に、日本共産党が信教の自由の擁護、政教分離という民主主義的原則を現在も将来も守る政党であることを語りました。

 加藤順教(浄土真宗本願寺派)、小泉潤(日本福音ルーテル教会)、長谷川俊夫(天理教)、村山博昭(真宗大谷派)、工藤良任(真言律宗)の各氏が「宗教間の垣根を越えての連帯と共同はもろ手をあげて賛成だ」(長谷川氏)など発言し、参加者から「なぜ公明党・創価学会は排他的な態度をとるのか」「天皇制についてどう考えるのか」など率直な意見や質問が出され、志位氏は一つひとつに丁寧にこたえました。