2003年2月20日(木)「しんぶん赤旗」

査察中断、武力行使に道開く

日本代表が米英に追随演説

国連安保理 イラク戦争反対が圧倒的


【ニューヨーク18日遠藤誠二】日本の原口幸市国連大使は十八日、イラク問題を協議する国連安保理の公開会合で演説し、イラクの大量破壊兵器の査察継続・強化に疑問を呈し、米英両国が主張する対イラク武力行使に道を開く新決議の採択を主張しました。

 原口大使は、「イラクが最後の機会を受けて提出した申告書は完全かつ正確な内容を含んでおらず、再開された査察に対しても完全かつ自発的な協力はおこなっていない」と言明。「世界各国で戦争反対の声が強く表明されていることは承知し、問題を平和的に解決したい気持ちは共有している」が、「問題の根本はイラクが現在の態度を根本的に改めること」だとし、戦争回避はイラク政府の態度のみにかかっていると主張しました。

 その上で同大使は、イラクの姿勢が改められない限り「単に査察を継続、強化しても大量破壊兵器廃棄に結びつかない」と査察継続の有効性に疑問を表明。「国際社会の断固とした姿勢を明確な形で示す新たな安保理決議の採択が望ましい」と述べ、米英両国が準備する新決議に賛成する姿勢を示しました。