2002年12月5日(木)「しんぶん赤旗」

大阪演説会に8000人の熱気

志位委員長が訴え

外交、経済、地方政治、政党のあり方

“政党らしい政党”―日本共産党の躍進を


いっせい地方選と総選挙での躍進をめざす日本共産党大阪府委員会は四日夜、大阪府立体育会館(大阪市浪速区)で志位和夫委員長を主弁士に大演説会を開き、八千人が参加しました。


 

訴える志位和夫委員長

 会場は、初参加の経済界関係者をはじめ政治の転換を願う広範な人でいっぱい。関西公演中の俳優の嵐圭史さんがかけつけてあいさつし、拉致問題を追及してきた橋本敦前参院議員が日本共産党の役割を力説。いっせい地方選と総選挙に立つ府内の全候補者が参加し、「全力でがんばりぬきたい」と代表者が力強く決意表明すると、「がんばれ」の声援と大きな拍手がわきあがりました。

 大きな拍手のなか登壇した志位委員長は、外交、暮らしと経済、地方政治、政党のあり方の四つの角度から、いっせい地方選と総選挙での日本共産党の躍進の意義、その値打ちについて、縦横に語りました。

 外交の問題で志位氏は、「二十一世紀の世界は、“軍事の脅迫の力”でなく、“理性と道理の力”こそが、世界の外交を動かす時代になる――これが日本共産党の確信です」とのべ、イラク問題、日朝問題での日本共産党の外交活動を詳しく解き明かしました。

 暮らしと経済の問題では、小泉政権の暮らしと中小企業をいためつける“暴走”ぶりを告発し、これに対置して、(1)「四つの緊急要求」の実現で国民生活を応援し、家計から需要を活発にし日本経済の再建をはかる(2)米国中心の外資による日本の金融と産業の支配のくわだてから日本の経済主権を守る――という「日本共産党の経済問題の二つの旗印」についてくわしくのべました。

 地方政治の問題で大阪府政の問題をとりあげた志位氏は、自民、公明中心の「オール与党」政治が、巨大開発に熱中し、福祉と暮らしは切り捨てる「逆立ち」政治をすすめるもとで、「矛盾が極限にまできている。大きく変わる前夜にあるんです」とのべ、日本共産党の躍進がどうしても必要だと訴えました。

 

演説会で志位和夫委員長の話を聞く会場いっぱいの参加者=4日、大阪府立体育会館

このなかで府政の福祉と暮らしの切り捨てにかかわり、太田知事が昨年出した「行財政改革案」をとりあげ、(1)老人医療費助成制度そのものの廃止(2)無料だった障害者医療費の所得制限強化と本人一部負担導入(3)母子家庭医療費でも無料から本人一部負担導入の「三つの福祉医療制度の切り捨て」がくわだてられていることを告発。三つの制度のすべてで同様の負担が強いられている県が全国で五県しかないことを紹介した志位氏は、「全国に先駆けて、お年寄りの医療費無料化を実現し、日本中に希望をあたえた大阪の福祉医療水準を、全国最低レベルにまで切り下げる。こんなひどい計画は絶対に許すわけにはいかない」とのべると会場をゆるがす大きな拍手がおこりました。

 さらに府立高校でエアコン料金として生徒一人あたり最高六千円を徴収することが、自民、公明、民主などの賛成で府議会で強行されたことを批判。府議会で賛成討論をした自民党代表も「恐らく他府県では(クーラーの)受益者負担を求めないと思われる」といわざるをえなかったことを紹介し、「だったら、なぜ大阪だけでこんなひどい制度をやるのか。まず福祉と教育に大切な税金を使う。これは自治体ならあたりまえのこと。それを真っ先に切り捨てる政治は、自治体とよべないものです。日本共産党の躍進で転換を」と訴えました。

 巨大開発への熱中ぶりで象徴的なのが、自民党内からも「三大バカ事業」の一つといわれ、国、府、自民、公明が推進する関西空港二期工事と指摘した志位氏。当局が推進の「根拠」にしていたものが、日本共産党府議団の追及で完全に崩れたことを、次の点をあげて詳しく紹介しました。

 ――「一本の滑走路では年間十六万回までしか離着陸に対応できない」との「根拠」については、旧運輸省の委員会が二十二万回の発着が可能と試算していたこと。

 ――「二〇〇七年度には関空の利用が十六万回を超える」との「根拠」については、国土交通省が、〇七年度では十三・六万回にとどまると需要予測を出していること。

 ――「府民も求めている」との「根拠」については、「朝日」の世論調査でも、二期工事の「延期・中止」が67%に達していること。

 そして「日本共産党をのばし、『逆立ち』府政からの転換を踏み出そう。『大阪が変われば、日本は変わる』というその第一歩をしるす選挙にしよう」と力づよくよびかけました。

 政党のあり方の問題で、多くの政党が訴えるべき政治戦略がなく、よるべき組織もないなか、「“政党らしい政党”として、政党本来の活動を堂々と展開しているのは日本共産党だけです」と強調し、このなかで、拉致問題を利用した公明党の反共攻撃にきびしく反撃。

 最後に志位氏が「日本共産党を大きくし、今度の選挙で必ず勝利者に」と訴えると、会場はわれるような大きな拍手に包まれました。