2002年11月27日(水)「しんぶん赤旗」

地方政治の新しい流れと日本共産党

徳島県・高知県での志位委員長の訴え


 徳島県で十八日、高知県で二十一日開かれた日本共産党演説会での志位和夫委員長の演説のうち、地方政治の部分を紹介します。


徳島

 私は、いま全国を歩きますと、「自治体らしい自治体」をとりもどそうという新しい希望ある流れが、ひたひたと広がっていることを痛感します。今年の四月に、徳島で誕生した大田民主県政は、その先頭をいく流れの一つです。

 徳島にうかがいますと、あの吉野川可動堰(かどうぜき)に象徴される浪費と環境破壊の巨大開発にたいする怒りが大きく広がっていることを感じます。それと結びついた汚職・腐敗政治に「ノー」という声も非常に強い。住民のみなさんがみずから参加して、みずから新しい政治をつくろうという、熱い思いを感じます。その思いが合流してつくったすばらしい勝利が、大田民主県政の誕生でした。

 それから半年たちました。この県政は、自民、公明をはじめとする野党勢力の激しい妨害のなかでも、着実に新しい変化を県政につくっていると思います。

 私は、きょう、大田知事にもお会いして、“こういう点を注目している”と、三つのことを言いました。

汚職・腐敗に本格的メスが入り始めた

“天の声”を伝え見返りにわいろ
 第一の注目点は、なんといっても汚職・腐敗の政治に、本格的なメスが入りはじめたということではないでしょうか。(拍手)

 円藤前知事の汚職は、県発注の公共工事をめぐって、「天の声」を業界に伝え、見返りに「わいろ」をもらうという、非常に古典的なと申しますか、非常に単純なと申しますか(笑い)、そういう汚職事件でした。

 彼は、今年の二月の県議会の冒頭で、「天地神明に誓ってお金をもらっておりません。悔しくて、悔しくて」(笑い)と、こう言いました。テレビで全国に流れました。ところが、その直後に逮捕となりました。

 しかも、この「わいろ」が県議十一人、首長八人に、「選挙資金」として渡っていたことが報道で明らかになりました。腐敗の深刻な構造が明るみに出されました。

第三者委託の「調査団」を提案
 大田知事は、この問題にたいして本腰を入れた解明に乗り出しました。

 知事は、弁護士三人、公認会計士二人の外部五人で構成する「徳島県汚職問題調査団」の設置を、九月議会に提案しました。これは、今回の汚職事件だけでなく、過去の工事請負契約の分析もあわせておこない、職員倫理条例や工事発注システムの改善、業者・政治家などからの要求の記録の公開システムなどの提言もおこなう「調査団」です。

 調べてみましたら、汚職問題で、内部の調査だけでなく、外部の第三者に委託するのは、都道府県では、徳島県が、県政で初めてとりくむ画期的なものです。

 これに激しく抵抗したのが、自民、公明など、旧「オール与党」の勢力、今では「オール野党」の勢力です。彼らは、「県内部の問題は内部調査で十分だ」と言い、補正予算案から調査委託費一千万円を削り、なんと「ゼロ円」の委託費が予算に「計上」されるという、ひどいことになりました。九月議会のことです。

“妨害許さず”――立ち上がった徳島県民
 私は、このときに、徳島県のみなさんが、すぐさま大きな批判の声をあげ、運動に立ち上がったこと――これはすばらしいことだと思います。「朝日」にこういう投書が載りました。

 「自民党系の県議らは『身内の問題であるから、身内で調べる』と反対したという。……別の議員は『外部の人間だと秘密がばれる』」(笑い)――ずいぶん正直な人がいるんですね(笑い)――「と述べたという。そこには、真相を究明しようとする意気込みは感じられない。調査活動を不可能に追いやることで、姑息(こそく)なやり方というほかはない」

 市民グループ「民主主義のがっこう」の方々が「県民投票」にとりくんだところ、「調査団」の設置に賛成が94%ということです。保守系の方々の有志組織も、「調査団」設置を求める署名運動をやっているとうかがいました。「朝日」では「県民怒りカンパを 議会が予算つけぬなら自分が出す」という見出しで、次々とカンパが集まっていることを伝えました。

 きょうも知事に聞きますと、「預金通帳と印鑑を持ってこられる方もいました」と。なかには、「一千万円出す」という人もいたといいます。これにたいして、自民党系県議のコメントがおかしいですね。「県民が一千万円出すのはもったいない話だ」(爆笑)と。だったら賛成したらいいじゃないですか。(笑い、拍手)

 みんなの力で、疑惑隠しを許さず、徹底的に真相を究明して、うみを出し尽くすまで、がんばりぬこうじゃありませんか。(拍手)

公共事業の民主的改革が始まった

“ゼネコン病”の治療が始まった
 第二の変化として注目しているのは、公共事業の民主的改革がはじまったということです。

 自民党の県政、円藤県政時代には、徳島県でも、「ゼネコン病」がはびこっていました。浪費と環境破壊の巨大開発が、花盛りでありました。

 ゴルフ場をつくったけれど破たんした、大型観光施設をつくったけれど破たんした、工業団地をつくろうとしたけれど工場はこない。農道整備の計画も「こんなものは必要ない」「猿しか通らない」(笑い)と、きびしい批判を受ける。こういう話が次々とありまして、借金はどんどん増えて、八千億円を超えました。

 私は、大田民主県政になって、この“ゼネコン病”の治療の一歩がはじまっていると思います。

地元新聞注目の「二つの改革」
 徳島新聞に「県の公共事業改革着々 地元保護へ優遇策推進 優良企業の育成目指す」という記事が載りました。「徳島県は本年度に入って、県発注の公共工事をめぐり『入札制度の改善』と『県内中小企業の保護』という二つの改革を打ち出した」と注目しています。

 これまで県発注の公共事業で十億円を超える事業というのは、県外の大手ゼネコンに発注されていました。

 ところが、大田知事のもとでの改革で、県内業者同士の共同企業体=ジョイント・ベンチャーでも、入札参加が認められるようになりました。

 この記事にも書かれていますが、本年度事業の城東高校とか、県の消防学校の改築事業は、以前なら県外の大手ゼネコンに仕事をもっていかれていたのが、十二億円から十三億円かかる事業が県内業者同士の共同企業体の仕事になったそうです。

県建設業協会会長も「希望が」
 しかも、もう一つ、県内と県外の企業が共同企業体を組む場合には、県内企業の出資の比率の最低基準が二社の場合、これまで30%だったものを35%にまで引き上げた。出資比率を引き上げて、県内企業の利益が、増えるようにしました。全国を調べてみても、先駆的なとりくみです。

 ですから、県の建設業協会の池田会長も、徳島新聞でこう言っています。「出資比率の引き上げは、以前から県に要望してきたもの。やっと実現し、喜んでいる」。「われわれはこうしたことを歴代知事に陳情してきたが、どの知事も『おっしゃるとおり』というだけで実行してくれなかった。全国的に公共事業が先細りしていく状況だけに、この点は大いに評価したいし、希望がもてる」(「朝日」)とものべています。

 私は、こういう方途をずっとすすめていけば、公共事業の総額を減らしていっても、県内の産業や県内の中小業者にたいする仕事は、しっかり確保する道が開かれると思います。

環境と雇用守る「緑の公共事業」
 それから、きょう、知事と話をしたときに、「緑の公共事業」を重視しているという話がありまして、たいへん重要だと思いました。

 大田さんは、「子どものころは、徳島の山は豊かな山で、いろんな生物がたくさんすんでいた。カブトムシもいる。キジもいる。スズメもいるにぎやかな森だった。最近は、杉とヒノキ、せいぜい松くらいで、多様な森林でなくなって、森林が荒れてしまっている。これでは、徳島の未来はない。それで、十年間かけて、森林を整備する仕事にとりくみたい」と話をされていました。

 この三年間で、森林整備面積を三割拡大し、新たに作業に必要な二百二十七人の雇用を創出する報告案も出されたそうです。

 今度改築する城東高校には、県内で切り出した材木を使うよう指示したということです。

 森林をしっかり整備する、これを公共事業の新しい重点の一つにしていくというのは、大切なことだと思います。長野県の田中知事もやっています。なにしろ“一石三鳥”になる。環境保護でしょう。林業の振興でしょう。そして、雇用の創出にもなります。

 大田知事のお話では、森林整備は、ほとんど人件費に使われます。八割が人件費です。鉄やコンクリートはほとんど使わない。だいたい手作業で、人件費中心です。これは、うんと雇用効果があるということです。環境も守れます。「ぜひこれをやりたい」と話していました。

 ゼネコン花盛り、巨大開発型から、地元が潤う生活・環境型へと、公共事業の改革がはじまっている、ここでも希望ある変化がおこりつつあることが確認できるのではないでしょうか。(拍手)

県民参加で、県民とともにすすむ県政へ

 注目している第三の問題は、県政の姿勢が「住民が主人公」――民主主義に変わったということです。

 これまでの円藤知事というのは、県民のみなさんがどんなに可動堰に反対しても「可動堰がベスト」といって、聞く耳を持ちませんでした。

 しかし大田さんになって県民参加で、県民とともにすすむ県政への変化がはじまったのではないでしょうか。

「ほなけんど塾」「仕事興しフォーラム」
 徳島新聞が「検証・大田知事の六カ月」というのをやっています。

 そのなかに「政策決定の手法、住民意見反映を模索」、こういう見出しの記事があります。そこではこうのべています。「『民意に責任を持つ県政』。政策決定を図る上での大田知事の基本方針だ。知事は常に民意を口にし、住民を巻き込んでその意見を政策に反映させようとしている」

 この記事ではたとえば「ほなけんど塾」をあげています。これは別名「おっさん知事とのとことんトーク」という車座集会ですが、知事はそのとりくみをはじめている。それから「仕事興しフォーラム」という車座集会もはじめているそうです。徳島新聞の記事では、「ともに知事が県民と直接対話、地域の活性化策を探っている」と書いています。

 県の各種委員会や審議会の委員も公募にして、たとえば男女共同参画審議委員とか、ワークシェアリングの検討委員には、連合だけでなくて全労連も参加している。ここもずいぶん変わってきたのではないでしょうか。

 私は先日、長野にうかがう機会がありましたが、田中知事もこの手法をうんと重視しているのが印象的でした。

 小さなほんとうに山奥の村まで全部訪ねて車座集会をやって、その声を聞き、勉強しながら知事も成長して、政策がどんどん前向きに変わってくるんですね。長野ではそれが見る見る県政を変えたんです。

 ですから、やっぱりこれは非常に大事だということを、知事にも話しまして、ぜひこれはどんどんすすめてくださいということを申しました。

 いろいろと野党勢力が妨害して、副知事とか出納長が決まっていないとかで、知事は非常に忙しそうなので、早く知事がこういう仕事もおおいにとりくめるように、野党は妨害はやめてくれと、私ははっきり言いたいと思います。(拍手)

2つの“負の遺産”の後始末
 大田知事は、円藤県政が残した“負の遺産”―悪い遺産の後始末をしなければなりません。私は、そのときにもこの県民参加という手法は、生かされていると思います。

 大型公共事業の問題をどう解決するか。二つの問題が、この間おこりました。

 一つは「徳島空港拡張・周辺整備事業計画」です。この空港拡張計画については、共産党の県議団は、必要性から見ても、県民負担から見ても、環境から見ても、反対をしてきました。

 知事はこの問題について、いったん凍結し、精査し、工事を再開という結論を出しました。共産党の県議団は、前県政の残した“負の遺産”とはいえ残念な経過だったと考えています。

 ただそういうなかでも大田知事は、地元をふくめ七回のタウンミーティングをやった。そして県民の意見を聞き、集約をする姿勢を最後まで貫いたことは、重要だと考えます。

 それからもう一つ、「マリンピア沖洲二期工事」というのが問題になっています。

 これも日本共産党の県議団は、必要性、環境の問題などから沖洲海岸の埋め立てには反対という立場です。

 この問題はこれから結論を出していこうというものですが、大田知事は、学識経験者や環境保護団体などで構成される検討委員会を設置して、徹底した情報公開、そして県民参加で、県としての方針を決めようとしています。私は、これも重要な姿勢だと思います。

 地元新聞を見ておりましたら、検討委員会を傍聴した傍聴者の発言が出ておりました。この検討委員会というのはすべて公開で、誰でも傍聴できて、誰でも発言できるという、ガラス張りでやられていると聞きました。傍聴者の方が、こういうふうにおっしゃっているんですね。「県民の知る権利を明確に説明してくれ、非常に人間味があふれていると感じた。委員や行政の人たちが県民を信頼している表れだと思う」

 こうした“負の遺産”を、どう解決するか、共産党の立場は明りょうですが、知事にはなかなか難しい解決が迫られている。しかし、知事が県民の声を聞きながら、いっしょになって解決しようというこの姿勢は、大事ではないでしょうか。

「五感を働かせ民意をくみあげたい」
 知事と会ったときに、車座集会をはじめとする、この姿勢については、私はおおいに評価したいと言いました。

 知事はこう言いました。「私は民意を一生懸命くみあげたい。くみあげるときに五感を働かせて民意をくみとる姿勢を貫きたい」というふうにおっしゃった。

 「五感」―目も耳も、すべての感覚を働かせて、五感を働かせてくみあげたいということをおっしゃった。

 私は、なかなか難しい問題もあるだろう、私たちは私たちの意見をちゃんと言います、埋め立ての問題などはもちろん反対するわけですが、しかし知事がそういう民意をくみとるという姿勢を貫けば、難しい問題も解決できると思う、ということを申しました。

「民主主義と環境を“徳島ブランド”に」
 そうしましたら、知事はこうおっしゃいました。

 「徳島県から全国に発信したいことが二つある。一つは徳島県を民主主義の県にしたい」――県民が民主主義で何でも話せて、県民といっしょに新しい政治をつくる県にしたいというんですね。

 もう一つは「環境保全の県にしたい」、緑の県にしたい。「民主主義と環境保全を“徳島ブランド”にしたい」というのが、大田さんが私に言った言葉です。

 これにたいして私は全面的に賛成だということを申し上げましたが、これは誰もが賛成できるみんなの願いじゃないでしょうか。(拍手)

民主県政を前進させる共産党か、妨害するだけの自民、公明か

霊山寺のお守り使う罰あたり
 徳島県政は、「自治体らしい自治体」としての歩みをいまはじめた、歩きはじめた一歩のところなんです。この大田民主県政を前進させる勢力を伸ばすか、それとも妨害するだけの勢力を許すか、というのが今度の選挙の焦点です。

 旧「オール与党」=新「オール野党」がやっていることは、ひたすら前進のための努力を妨害することだけです。

 とくに恥ずかしかったのは、この勢力が知事にたいする問責決議を無理やり通した。そして、彼らが「連帯」した先があったのです。類は友をよぶ。道理のかけらもない知事の不信任を無理やり通して、全国から非難をあびた長野県のダム推進の県議会多数派―「県政会」、これが徳島県の自民党が「連帯」した先です。

 何を持っていったのかというと、栄養ドリンク五百本(笑い)。これだけだったらまだしも、何と霊山寺の必勝祈願のお守りを掲げて駆けつけたのが許せない。「私たちも大田知事打倒めざしてがんばってまいります。一歩も引かずにがんばってください」と、エールを送ったんですね。

 しかし、霊山寺といえば、四国八十八カ所の「一番さん」でしょう。一番霊場です。弘法大師が人間のもつ八十八の煩悩をなくそうといって開いた「一番さん」でしょ。そのお守りを持っていっちゃったというんですから(笑い)、煩悩の塊みたいな利権政治屋に持っていっちゃったというのですから(爆笑)、こんな「お守り」を使うなど私は弘法大師も怒る(笑い)、罰あたりだと言わなければなりません。(笑い、拍手)

 こういう人たちに、県政の未来を担う資格はないという審判をはっきり下そうではありませんか。(拍手)

浪費と環境破壊の巨大開発を止める
 その中で私は、日本共産党の県議団、地方議員団の果たしている役割はすばらしいと思います。

 一つは、浪費と環境破壊の巨大開発を住民とともにストップさせてきた。この役割は県民のみなさん、市民のみなさんが認めるところではないでしょうか。

 徳島の住民運動はほんとうにすばらしい力を持っていると思います。海洋パーク事業を中止させ、細川内ダムを中止させ、吉野川可動堰を白紙にした。こういう住民のみなさんの運動の流れの中で、日本共産党はつねに、住民運動のみなさんと、誠実に共同をはかることを貫いてきました。

 私は、可動堰反対の市民運動の方から、こういうメールを去年いただいたことがあるのです。「この最大のテーマは住民どうしが、どうしたら共感しあえるかです。しかしそれを教えてくれたのは、貴党(共産党)なのです。徳島では海釣り公園という巨大レジャー施設に反対する貴党が、住民投票運動を繰り広げ、その最中に与党議員のわいろが発覚して、計画が中止されることがありました。貴党の徳島の方々は、実にねばり強く、説明に回られました」。「志位委員長。徳島の住民は貴党のこれまでの功績を忘れるはずはありません」。こういって、知事選でいっしょにたたかおうという熱い呼びかけが、私の所に伝わってきたことがあります。

 こういう声が、住民運動のみなさんから寄せられたことを、ほんとうにうれしく誇らしく思ったしだいであります。(拍手)

福祉とくらし守る先頭に立って
 二つ目に、福祉とくらしを守るという、自治体本来の役割を果たさせる先頭に立ってきたのが、日本共産党だということです。

 これは、県政が新しくなったけれども、まだ本格的な予算は組んでいないわけです。ですから、みなさんの福祉とくらしのとりくみをどうするかは、今後のたたかいにかかっています。

 自民党県政の時代には、福祉とくらしは、冷たくあつかわれました。ここでも“負の遺産”は残っています。

 介護保険の問題でも、高すぎる保険料なのに減免制度がない、利用料にも減免制度がない。国保の料金も高すぎて払えない。県下の国保滞納世帯は一割にたっします。これをどう引き下げていくかも大きな課題です。介護と国保、やっぱりこういう問題で、みなさんの要求をになえる党は日本共産党です。

 すでに前進の一歩がはじまったものもあります。三十人学級の問題です。長年のみなさんの願いだったわけですが、「三十人学級一万人署名の会」という団体のみなさんが署名をとりくまれて、一万人の予定だったのが、二万人をこえる署名が集まった。この議会で、与党が取り上げ、日本共産党も取り上げる中で、知事が「来年度から何らかの形で少人数学級を導入したい」という答弁をして、道が一歩開けたではありませんか。

 これを第一歩にして、介護の問題でも、国保の問題でも、福祉の問題、くらしの問題について、今後どうやって道を開くか。これはみなさんのたたかいにかかっている。日本共産党をどれだけ伸ばすかにかかっているということを、私は心から訴えたいと思うのであります。(拍手)

同和行政の改革はさけてとおれない
 三つ目に言いたいのは、日本共産党は与党でありますが、県政の弱点は改めるように堂々と主張する、建設的与党です。

 とくに「解同」(部落解放同盟)による同和行政の乱脈・私物化にたいしては、勇気あるきびしい批判者の立場を、与党としても、しっかりしっかり貫いて、この改革にとりくんでいくというのは変わらぬ日本共産党の姿勢であります。

 この問題では、とうとう徳島市の方は、共産党の議員団が大きく伸びるなかで、市独自の同和対策事業は終結、打ち切りで動きだしました。

 県政でも、「解同」の利権あさりの問題の解決が必要です。その突破口となる問題提起の質問をわが党の県議団はやりました。肉骨粉製造の「解同」系の最大手の業者の「徳島化製」が、県から常識では考えられない補助金とか、無利子融資をもらっていた。補助金で年間三億円ももらっている。毎年三億円ものお金を道理のたたないやり方で流しているわけですから、勇気をもってここにメスを入れる必要があります。

 この問題の改革は、こんご民主県政が、ほんとうに公正・民主的な県政として信頼をうるためには、絶対に避けて通れない問題です。

 日本共産党はみなさんとともに、解決のために力を尽くしてまいりたい。この決意を申し上げるものです。(拍手)

 徳島県政の三つの変化、私たち日本共産党の三つの役割ということを申しました。この党を伸ばしてこそ、徳島の民主県政を前進させるたしかな力となることは明りょうではないでしょうか。(拍手)


高知

橋本県政の変化と日本共産党の三つの原則

 私は、昨日から高知県にまいりまして、橋本知事とも懇談する機会があり、内外の諸問題について、ずいぶんと多面的な意見交換となり、それぞれの立場はありますが、広い範囲で意見が一致するという話し合いができました。

 私は、この高知で、橋本県政のもとでおこっている変化は、たいへんに注目すべきものだと思います。

 この変化はどこからつくられたか。六名に前進した日本共産党県議団の役割はほんとうに大きなものがあるのです。

 日本共産党の県議団は、県政では三つの点を原則にして活動してきました。

 第一は、橋本県政にたいしては、「是々非々」の立場を貫く。いいものはいい、悪いものは悪い、この立場です。自民党などは矛盾を抱えながらも、「是は非」、「非は是」(笑い)、という立場ですから、対照的です。

 第二は、自民党県政の残した“負の遺産”―悪い遺産は、メスを入れて、自民党県政の復活につながるような逆流を許さないということです。

 第三は、県民のみなさんの切実な要求を、具体的、建設的に提案して、県政を動かすということです。

 この三つを原則に日本共産党の県議団は、がんばってきた。

 その結果、どういう変化がおこっているか。私は、三つの点を強調したいと思います。

県政の最大の弱点だった同和行政の大転換

 第一は、高知県の同和行政の大転換を勝ち取った。このことであります。(拍手)

 「解同」(部落解放同盟)の利権あさり、それに唯々諾々と従う行政のゆがみ。これこそ高知県政の最大の弱点でありました。これは橋本県政になってからも引き継がれた弱点でした。

 この弱点を、勇気をもってただすために、一貫して奮闘をしたのが日本共産党でした。

画期的転機になったのは「やみ融資」事件
 画期的転機になったのは、「やみ融資」事件でした。

 「解同」県連幹部が支援する縫製企業「モードアバンセ」に、「高度化資金」として、十四億円もの融資がされていた。さらにこの企業が経営破たんに直面したときに、なんとか助けようとして、県商工労働部があわてて、知事にも議会にも知らせずに予算を流用して、十二億円もの「やみ融資」をしていた。合計二十六億円もの融資が焦げついた事件です。

 私は、この問題が発生し、真相究明がすすみ、解決にいたるまでに果たした党県議団の役割は、わが党でなくては絶対になしえないすばらしいものがあったと思います。

「同和行政だからこそ、こんな異常な事件が」
 一つは、事件が明るみに出たとき、この事件の本質は同和行政のゆがみにある、このことをズバリと言った。「同和行政だからこそ、このような異常な融資がおこなわれた」―この問題の本質をズバリ突いたのは日本共産党だけでした。

 同和行政の抜本的転換と、真相の徹底究明を結びつけてすすめるという、たたかいの先頭にたったのが日本共産党でした。

百条委員会設置にいたるドラマチックな展開
 二つ目は、それでは、「やみ融資」問題の究明をどうやってすすめるか。県議会に百条委員会という、真相解明のための委員会を設置させた。これをすすめた原動力になったのが日本共産党でした。

 当初は、自民、公明など他会派は、設置に消極的だったわけですが、これを動かして、全会一致の設置となった。

 決め手となったのが、モード社と暴力団組長とのつながりを明らかにした、日本共産党の独自活動と質問でした。

 高知新聞社が、この事件についての連載をまとめた『黒い陽炎』という本をだしていますが、非常にリアルに内情をルポルタージュしています。

 これを読みますと、実は高知新聞の取材班も、モード社と暴力団との関係を追っていた、ところがと、こう書いてあります。

 「取材班がモード社の土地を洗っていたころ、同じ狙いで調査を進めている人物がいた。三月十三日の予算委員会で闇融資疑惑に迫った共産党の公文豪議員だった」(どよめき)

 公文議員が、現場調査で事実を洗い出していく。事実をつきとめて、共産党の議員団の会議で提起をする。その場面を『黒い陽炎』はこう書いています。

 「共産党は団会議を開いた。『マスコミも知っている。このままにはしておけない』。…どうすればいいか。のちに百条委員会で偽証等告発検討小委員会の委員長となる弁護士の梶原守光議員が言った。『よし、わしが総務委員会で取り上げよう』」。(「おお」という声、どよめき)

 「総務委員会が始まった。梶原議員が手を上げ、ゆっくりと切りだした。『たった今、判明した新事実です。協業組合は高度化資金で取得した土地の約九割を暴力団関係者から購入している。県は承知しているか』。委員会室は騒然とした。兵谷芳康総務部長は『存じ上げない』と戸惑うばかりだった。取材班も驚いた。一瞬、《やられた》と思った。《先を越されたか》と(笑い)。傍聴席では腕組みをした公文議員が満足そうにうなずいていた(笑い、拍手)」

 なかなかうまく書くもんです。(笑い)

 「暴力団の介在疑惑が浮上したことで、真相究明の流れは一気に加速した」

59人の証人尋問、26人を刑事告発
 ここからまた、新しい局面がはじまるんです。なかなかドラマチックな展開ですね。(笑い)

 百条委員会を設置して、百条委員会は一年三カ月、徹底追及をやって、証人尋問は五十九人やったということです。

 ほんとうのことは、五十九人が言っても、みんなそろうんです。しかし、うそは五十九人もの人がいっしょにつけない(笑い)。ですから五十九人もやれば、偽証がどんどんでてくる。

 そして、元副知事、元出納長、元部課長、「解同」県連正副委員長、企業幹部など二十六人を刑事事件として告発した。偽証等告発検討小委員会の委員長は梶原議員でした。

 梶原議員は、「もし失敗したら私が責任をとる」といって、告発にふみきっていく。結局、捜査当局を動かして、起訴に持ちこんでいくわけですね。マスコミも「梶原氏がいなかったら今日の成果はなかっただろう」と書きました。まさにそういう、県政を動かすドラマチックな展開になりました。これが、私は、二つ目の役割だと思います。

知事の責任問題――筋を通し議会まとめる
 三つ目は、橋本知事の責任問題です。この問題で道理ある責任の取り方を提案して、議会をまとめた。これは日本共産党県議団の力だと思います。

 党議員団は、橋本知事に、同和行政への「全面的かつ深い総括」をきびしく要求しました。橋本知事は、「同和対策にたいしてきびしく総括し、出なおすことが必要」と答弁しました。

 そうなってきますと、知事の責任問題というのが、テーマになってきます。

 自民党などは、いつも橋本知事が自分たちのいいなりにならないからと、橋本知事を辞めさせる絶好のチャンスだと考えて、辞職勧告決議案を出しました。

 このときに、日本共産党県議団のとった行動は、私は、実に見事なものだったと思います。

 県議団がとった対応というのは、一連の「やみ融資」問題は、過去の自民党県政のときに、レールが敷かれたあしき遺物であって、橋本知事の姿勢や体質が原因で生まれたものではないこと、同時に、行政のトップとして橋本知事の重い責任はまぬがれないこと、しかし、橋本知事だけが責任を負うべき問題ではなく、自民党も、議会も、責任があること、さらに、橋本知事は就任以来改革の努力と実績をあげてきたこと、などを総合的に勘案して、問責決議案を出したんですね。つまり責任は問いつつ、知事は続けなさいということですね。党議員団は、たいへんよく考えた“おとなの対応”(笑い)といいますか、道理もあれば節度もある対応をしたと、私は思います。(拍手)

 これが出てきたものですから、自民党は辞職勧告を強行できなくなって、共産党提出の問責決議案を一部修正して、全会一致で可決した。こうして、橋本知事という高知県にとって大事な人を守りながら、同時に責任はちゃんと明らかにした。私は、これは“芸術的”な(笑い)決着だと思いますが、いかがでしょうか。(大きな拍手)

日本共産党の値打ちは、万人の認めるところ
 そのことによって得られつつある成果は、実に大きいと思います。

 予算をともなう七十三の同和事業のうち、四十九事業を終了、廃止した。三十三億六千万円の削減です。長年の高知県のこの病気を、見事に克服しつつある。その先頭に立って、不屈にがんばりぬいたのは、日本共産党だったというのは、県民のみなさんの、万人が認めるところではないでしょうか。(大きな拍手)

福祉とくらしの要求を担って、県政を動かす

乳幼児医療費無料化の拡充――議案提案権を行使して
 第二に、党県議団の果たした役割として、県民のみなさんの福祉とくらしを守って、要求をになって、県政を動かしてきたことがあげられると思います。

 たとえば、乳幼児医療費の無料化の問題です。

 私が三年前の九九年三月に選挙の応援でこちらにうかがったときには、自民党が当時、「三歳児未満の乳幼児医療費無料化を求める請願」を足掛け三年にわたってたなざらしにしたあげく、否決してしまったことを告発し、日本共産党を伸ばして、これを実現しようじゃないかと、訴えたことを思い出します。

 その選挙、九九年四月の県議選で日本共産党が前進し議案提案権を獲得したわけです。そして、党県議団はさっそくその権利を行使して、三歳児未満の医療費を無料化にする条例を出した。ついに県議会の正式な議題にのぼったわけです。

自民、公明の反対論に道理がないことが天下に明らかになって
 正式な議題になった以上、答弁席に共産党が座る。県議会で議論をしなくてはなりません。自民党も正式な議題になった以上、反対なら反対の理屈を言わなければならなくなったのです。

 この条例は、結論は、自民、公明によって否決されるのですが、討論を通じて反対論に道理がないことが明らかになりました。

 自民党がつけた難癖というのは、大きくいって、つぎの三つでした。

 一つは、だいたい共産党が単独で議案提案権を使ったことが唐突でけしからんと。(笑い)

 二つ目は、所得制限をつけてないのは、けしからん。

 三つ目は、財源がないじゃないか。こう難癖をつけてきたんですね。

 提案者の梶原県議が堂々と答弁に立って、反論しました。

 まず共産党が出したのがけしからんということについては、だいたい選挙で県民から議案提案権を与えられたものとして、積極的にその議案提案権を行使して条例を出すのは、県民にたいする責務ではないかと、堂々と言い、単独で出したのはけしからんというが、自民党は請願に賛成してくれなかったではないかと(笑い)、どこがいったい悪いんだと、やりました。

 所得制限がないのがけしからんということについては、県内の市町村で乳幼児医療費の無料化をやっているところで、所得制限をかけているところはないではないか、県だけ所得制限かけたら制度の後退になるという反論をしました。

 財源の問題については、これは傑作なんですが、わずか一カ月前の知事選挙で自民党の候補も、三歳児までの医療費無料化を言っているのです。そうすると財源がないからできない、無責任だっていうなら、自分たちも無責任な公約をしていることになるではないかと。(笑い)

 これで、ぐうの音も出なくなっちゃった。

 こうして、議会という場で、公の舞台で論戦をして、向こうに道理がないことが明らかになりますと、やっぱり政治が動いてくるんですよ。

 この議会の取り組みと、県民のみなさんの運動で、橋本知事を動かして、とうとう二〇〇一年四月から、就学前まで入院について乳幼児の医療費の無料化制度が拡充されました。ぜひ、さらに県議団を大きくして、通院でも充実をはかっていこうではございませんか。(拍手)

「非は非」――重度障害(児)者医療費助成切り捨て問題
 くらしの問題では、「是々非々」の「非」の部分もあります。重度障害児、障害者の方々への医療費助成の問題です。

 県は、今年二月、この独自施策の見直し=切り捨て案を出してきました。これは、入院給食費を助成対象からはずすなどの、ずいぶん冷たい内容です。

 党の議員団はただちに見直し案を撤回すべきだと、論陣をはりました。これは、いまたたかいの最中です。この問題は、知事がやろうとしていることでも、「非」ですから、「非は非」で、がんばっている。

 そのがんばりを、たとえば、高知新聞が論戦を振り返ってこういっています。

 「塚地佐智氏(共産)は、入院中の食費助成の導入に際し、『福祉医療の対象者にとって(食費負担が)家計に及ぼす影響は大きい』とした知事答弁を引き合いに出し、知事に『痛い点を突かれた』とまで言わせた」

 知事に「痛い点を突かれた」、そこまで言わせるところまで、いまきているわけですが、しかし、この問題はなかなかきびしいつばぜりあいです。

 自民、公明は「非は是」ですから(笑い)、この問題では、障害者と家族のみなさんの請願署名の紹介を拒否する、こういう立場であります。

 日本共産党は、「是々非々」という立場を高知県政ではとっていると申しましたが、こういうところにきちんと本領が発揮されていると私は思います。

 党を大きくして、福祉の後退は絶対許さないという審判を、どうか今度の選挙でくだしていこうではございませんか。(拍手)

国いいなりでなく、県民の立場にたって

 第三に、日本共産党県議団の役割として申したいのは、国いいなりの県政ではいけないという立場をつらぬいていることです。

 自治体というのは、政府の出先機関ではありません。住民の立場で、国にたいしても、いうべきことはいう県政にしなければいけない。国の政治は悪くても、悪い政治からみなさんのくらしを守る県政にしなくてはいけない。こういう立場での一貫した働きです。

 県民のみなさんの声と運動、党のがんばり、そして橋本知事のそれを受けとめる柔軟な力。さまざまな力が一体になって、いろいろな変化がおこっています。

 橋本知事が、非核港湾条例を提案したのもその一つです。米軍機の低空飛行訓練に反対しているのもその一つです。有事法制への批判を言っていることも重要です。

 昨日、私との懇談の中では、市町村の合併の問題でも、合併を押しつけるやり方を無理にすすめるのはよくないということをおっしゃっておられました。そういう筋を通す発言もしています。

農業問題――農家の心ぶつけた議員団の論戦が知事を変える
 ただそういうなかでも、知事と日本共産党の立場が最初はずいぶん異なっていた問題もあります。たとえば、農業問題がそうでした。

 この問題では、党議員団の論戦が知事の姿勢を大きく変えて、自民党政治の農業つぶし政策をうちやぶる流れを高知県から広げています。

 一期目の橋本知事の発言を見ますと、減反については「やむをえない」、中山間地の所得保障についても「国民の理解は得られにくい」、セーフガードについても、その発動については、自由貿易が持論で消極的でした。なかなかへだたりが大きかったんです。

 しかし、このところ輸入がどんどん進められる。米価下支えのしくみがなくなる。だいたい一俵二万七千円くらいだったお米が、いまは一万四千円から一万五千円でしょう。とても、もう農業をやっていけない。高知の場合、農業粗生産高に占めるお米の割合は割と少ないのですが、しかし、いろいろな野菜をつくっていたりしている農家であっても、お米が基本です。お米の値段が守られないところでは農業は成り立ちません。

 この問題で、一つひとつ、農家のみなさんの心、怒りをぶつけて、変えていったのが、私は日本共産党の論戦だったと思います。

きびしいが、温かみのある、党議員団の論戦
 農業問題は田頭議員が先頭に立って取り組んでこられた。

 議事録を読みますと、田頭さんの農業論戦は、橋本知事の姿勢をきびしくただす、きびしい言葉も言っているけれども、温かみがあるんです。しかも幡多弁ですからね(笑い)。私には、わかりづらいんですけれども(笑い)、しかし、温かいんです。

 ここに(議事録を)持ってきたんですが、今年七月におこなった質問ですが、農産物の価格保障とセーフガードの問題をとりあげて、知事と論戦をしています。

 最初に質問をやって答弁があり、二回目の質問をやって答弁があり、三回目の質問をやっています。一回目の質問はあまりいい答弁ではなかった。もう一回質問して二回目の答弁のときに、知事が「国にも申し上げていく」と、国にたいしてものを言う態度を言いました。

 それを受けて三回目に田頭さんは、こういうふうに言うんですね。

 「それでは三回目の質問をいたしたいと思います。知事の答弁ですけれども、今後の課題として、最初の答弁にね、後で答弁したような内容を農業問題のときにはね、各農家の人たちと話をするときにはそういう立場で話さな、いきませんよ。自由主義経済ですからやれませんだとかね、むつかしいだとか、そういうがが先に来るでしょう。(笑い)ほいたらね、(笑い)本当の農民の心がわかっているのか。高知県の農業のことをあんた本当に考えているのかどうか、ということについてね、これは厳しい批判がねやっぱり出てきますし、ありますよ。だから、そこらあたりをきちっとはっきりして、国の壁が厚くともね、やっぱり全国の知事が本当に日本の農業を守り、その地域の農業を守り、米を守り、野菜を守りね、やっぱり国土を守ってやっていくという立場に立ってやれば、国の政治は変えられると思いますよ」

 こういって話すんですね(拍手)。これは「ほいたらね」とか入ってますから(笑い)、てっきり委員会の質問かと思ったら、本会議でやってるんです(笑い)。すごいですね(爆笑)。こういう調子で、農家と心を一つにした行政のあり方を説いているわけです。胸を打つものがあります。

 ですから、こういう調子でやられますから、橋本知事も「うーん」となるわけですね。

日本農業の再生は、「土佐の山間より出づ」となるように
 知事は、減反の問題でも「減反押しつけ反対」を全国にさきがけて表明しました。国にたいして「すみやかにセーフガードを発動するべき」だと、いまは明言しています。中山間地への所得保障制度も全国にさきがけて導入して、いまでは国の制度になっていますが、その道を開きました。

 ここにもすばらしい姿があらわれていると思います。国にたいしてちゃんとものを言いなさい、自治体なんだから、県民のみなさんの立場に立ってものを言うのが自治体ですよ、このあり方を説いているじゃないですか。

 みなさん。農業の問題でも、日本農業の再生を高知からかちとっていきましょう。「自由は土佐の山間より出づ」という有名な言葉がありますけれど、農業再生は「土佐の山間より出づ」ということになるようにがんばりましょう。力をあわせようじゃありませんか。(大きな拍手)

いっせい地方選挙と総選挙での躍進を

 高知では、日本共産党は、なかなか選挙に強いのです。県内ですでに九の市町村が、革新・民主の自治体になっております。九九年のいっせい地方選挙後、二十四市町村の議員選挙で五十五人の候補者を立てて、全員当選です。六議席増やし、九十八人の議員団になっています。やはり、ここには高知でおこってる深い前向きの変化があらわれていると思います。

 ただ、これから先もこれを続けるのは、容易ではない仕事になります。今度の改選は、この前のいっせい地方選挙で躍進したところをさらにもっと伸ばそうということですから、たいへんながんばりがいります。これから先が正念場です。ぜひいっせい地方選挙と総選挙での躍進のために、みなさんのお力をお貸しいただきたい。心からお願いいたします。(拍手)