2002年11月25日(月)「しんぶん赤旗」

道理にたって政治動かす党の躍進を

志位委員長が訴え 郡山で演説会


 いっせい地方選挙と総選挙での日本共産党の躍進をめざして二十四日、福島県郡山市の「ユラックス熱海」で志位和夫委員長を迎えた演説会が開かれました。県内各地からバスを連ねて約三千人が参加。外交、経済から地方政治の焦点まで縦横に解き明かし、日本共産党の値打ちを語った志位委員長の演説に、参加者は何度も拍手を送りました。

 瀬戸孝則福島市長、浅和定次大玉村長、木賊政雄鏡石町長、幕田耕郎矢吹町長、古川道郎川俣新町長がメッセージを寄せ、日本共産党員首長の大橋芳啓・霊山(りょうぜん)町長が登壇してあいさつ。中央の悪政から住民と地方自治体を守るためには、日本共産党の五人以上の県議団が確かな道筋であると訴えました。

 拍手に迎えられ登壇した志位氏は、イラク問題で平和解決の国際世論をつくる一翼を担った党中東訪問団の活動を紹介。「日本政府にもとめる要求」として、(1)米国の一方的攻撃計画に反対すること(2)無法な米国の戦争には、いっさいの協力を拒否すること(3)ペルシャ湾に派遣している自衛隊艦船をただちに撤退させること(4)有事三法案はきっぱり廃案にすること――をあげ、日朝問題では北東アジアの安定を築き、あらゆる問題を包括的に交渉で解決する立場を貫くことを強調しました。

 福島県商工会議所会頭が、「不良債権処理の加速」による金利の引き上げ・貸しはがしに、中小企業は「絞め殺されようとしている」とのべていることを紹介し、国民生活を守る党の「四つの緊急要求」の実現を訴えると、「そうだ」のかけ声と拍手がわきおこりました。

 「福島県政で日本共産党の果たしている役割はどうでしょうか」と続けた志位氏は、前回いっせい地方選挙で三議席から五議席に躍進した党県議団が、県民の運動とむすびついて、自民、公明中心の「オール与党」の佐藤県政を動かしたことを、(1)巨大開発(2)県民の福祉と暮らし(3)原発問題の三つの分野で詳しく紹介しました。

 ――“ゼネコン病”の典型である福島空港滑走路延長、県営高速道、人工島は、党県議団の論戦が契機になり、県が計画の破たんを認め、見直しといわざるをえなくなった。

 ――乳幼児医療費助成の拡充では、党県議団の論戦、新婦人の請願署名運動の広がりのもと、小児医師会も動きだし、通院零歳、入院三歳未満だったのが、両方とも就学前までに拡充。一気に全国一の水準になった。

 ――さらに、五議席になって文教常任委員会で論戦を繰り広げられるようになると、日本共産党が紹介した「三十人以下学級実現を求める請願」を全会一致で採択。佐藤知事も小・中学校一年生、来年度から小学校二年生を三十人学級にすると表明し、県が全額負担する制度になった。

 志位氏は、原発の損傷隠ぺいが明るみにでるなかで佐藤知事がプルサーマル計画の「白紙撤回」と「核燃料サイクルの見直し」を表明したことは、当然のことだとのべました。

 そのうえで、自民、公明が原発の「安全神話」をふりまき、推進してきた責任をきびしく指摘。「いっかんして原子力行政の『安全神話』を批判し、とくにプルトニウム循環サイクルの中止を求めてきたのが日本共産党です。ここでも科学の立場にたってきた日本共産党の真価が発揮されています」とのべると、大きな拍手がおきました。

 志位氏は、福島県では、昨年十一月の福島市長選に続き、桑折町、霊山町、川俣町で革新民主の首長が誕生し、その数は現在八市町村に広がっている変化に注目。「ここには『自治体らしい自治体』をつくる新しい流れがあります。地方から政治をかえていきましょう」と、いっせい地方選と総選挙での躍進をよびかけ、参加者は声援と拍手でこたえました。

 いっせい地方選挙をたたかう県議選、市町村議選候補者がステージで紹介され、代表して三期目に挑む阿部裕美子県議があいさつしました。

 地元郡山市から参加した女性(20)は、「日本共産党が拉致問題を最初に国会で追及していたことには驚き。子どもがいるので、乳幼児医療費(の対象年齢拡大)も本当に助かります。共産党県議団には次の選挙でも絶対がんばってほしい」と話していました。