2002年9月3日(火)「しんぶん赤旗」

日朝首脳会談


直接対話の決断を歓迎


必要な協力は惜しまない


志位委員長が表明


写真

記者会見する志位和夫委員長=2日、国会内

日本共産党の志位委員長は二日、国会内で記者会見し、十七日におこなわれる日朝首脳会談に関する日本共産党の基本的立場について、次のようにのべました。

 一、わが党は、日本と北朝鮮の政府間交渉の正常なルートを開くことを、早くから主張してきたが、今回の両国政府の最高責任者同士による直接の対話という決断は、重要な意義があり、歓迎する。

 一、首脳会談が、日朝両国間に存在する諸問題を道理ある形で解決し、日朝の国交正常化にむけた前進をかちとるならば、それは日朝両国の平和と友好にとってのみならず、世界の平和に寄与するものとなる。

 その立場から日本共産党は、今回の日朝首脳会談が、国交正常化にむけた前進の一歩となることを強く希望し、そのための必要な協力は惜しまない。

 一、(与党内に拉致問題で大幅な前進がないと期待はずれだという声や、過大な期待をすべきでないという声があるが)

 交渉ごとだから、どういう前進が得られるかは、やる前からわからない面もあるだろう。いろいろな結果がありうるが、何もかも一回の首脳会談で解決しなければならないと最初からきめて、そうでなければだめだという考え方ではことは進まない。首脳会談の結果として、継続的に日朝間で話しあえる関係が前進するということになれば、それ自体が一歩踏み出した意義あることになると思う。

 交渉をすすめるうえで、八月二十五、二十六日におこなわれた日朝外務省局長級協議の合意は、大事な内容を含んでいる。そこでは「双方は、国交正常化に関する諸問題及び日朝間の諸懸案の解決を包括的に促進するという方式の下で国交正常化交渉を早期に再開することの可能性につき検討する」こととしたとされている。

 「国交正常化に関する諸問題」とは、植民地支配など過去の清算を含む国交正常化の問題であり、「日朝間の諸懸案の解決」というのは、拉致疑惑問題も含めた人道上の問題を含む問題の解決ということだ。それを「包括的」に議題にして、テーブルにのせて解決をはかるという方式でのぞむという確認になっている。これは賢明な交渉のすすめ方だと思う。どちらかを優先議題として、それが解決しないと進めないという方式でなく、「国交正常化に関する諸問題」と「日朝間の諸懸案の解決」を、「包括的」に話し合って、問題解決の方式についての一致点を見いだそうというやり方は、現状からみて適切なやり方だと思う。

 一、(必要な協力は惜しまないといわれたが、どのようなことがあるのか)

 必要ならば、大いに協力するということだ。その形態は、さまざまあると思う。わが党は、小泉首相とは国政の基本問題で対立しているが、この問題では首相は前向きの方向に踏み出そうとしているわけだし、ことは日本の国益、アジアと世界の平和にかかわる重大な問題であるので、野党であっても必要な協力をすることは当然だ。