2002年8月11日(日) 「しんぶん赤旗」

参院補選 新しい歴史ひらく上げ潮つくろう

鳥取・演説会に会場あふれる1350人の熱気

志位委員長、情熱こめ訴え


 自民党前議員の死去にともなう参院補欠選挙(十月十五日告示、二十七日投票)が行われる鳥取県の鳥取市で十日、志位和夫委員長を迎えての日本共産党演説会が開かれ、千三百五十人が参加しました。会場の鳥取市民会館も、モニターテレビの設置された第二会場も人で埋まり、熱気に包まれました。

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志位和夫委員長(手前左)の訴えに聞き入る演説会参加者=10日、鳥取市・鳥取市民会館

 拍手のなかで登壇した志位委員長は冒頭、秘書給与疑惑で議員辞職した自民党の田中真紀子氏について、「国民に説明責任を果たさないまま辞職しても問題の解決にならない」とのべるとともに、「田中氏の議員辞職で衆参補欠選挙は全国で六つになり、その帰すうはますます重要になった」と指摘。「日本共産党は六選挙区すべてに候補者を立て躍進・勝利をかちとりたい」と決意をのべ、選挙戦の争点と日本共産党の値打ちを縦横に語りました。

 このなかで志位氏は、BSE(牛海綿状脳症)問題で政府・農水省交渉を続けた日本共産党国会議員団と市谷とも子候補らの運動が実り、七月三十日から国による老廃牛の買い上げが実施されるようになった成果を紹介。「農業は鳥取県の産業の大事な柱です。輸入しながら減反をすすめ、価格保障を解体するのは亡国の政治。これをただそうというすべての願いを市谷さんに託してください」と訴えると、割れるような拍手がおきました。

 国民負担増を押しつける一方で、巨大開発の浪費にまともなメスを入れようとしない小泉内閣の姿勢を告発した志位氏は、「巨大開発のムダ遣いのおしつけは地方では通用しなくなりつつある」として、地元・鳥取では長年の住民運動や日本共産党の主張で片山知事が県営中部ダムの中止を決断し、長野では田中県政の「脱ダム」宣言のもとで公共事業を福祉・環境型に切り替え、財政再建と地元経済活性化を両立させて追求するという新たな変化が生まれていることを紹介しました。

 さらに平和の問題で、今年の原水爆禁止世界大会の大きな成功にふれつつ、広島、長崎両市長が「平和宣言」で、米国の核政策を公然と批判したことは被爆地の声として重いものがあると指摘し、先制核攻撃を計画するブッシュ米大統領に「理解」をしめした小泉首相を厳しく批判。「いま日本も世界も大激動の時です。十月二十七日を『その時歴史は動いた』という日にしましょう、新しい歴史をひらく上げ潮をつくりだそうではありませんか」と訴え、大きな拍手に包まれました。

 日本共産党鳥取県委員会は、演説会を成功させようと、県内全自治体の首長や議長、農業団体に呼びかけるなど取り組みを強めてきました。

 演説会では、浄土真宗僧侶の千石文教さんが「仏教徒として平和と人権と命の平等をつよく求めている。憲法をないがしろにする自民党政治を打ち破り、平和な日本をつくるために、みなさんと心一つに頑張りたい」とあいさつしました。

 市谷とも子候補は「小泉内閣の悪政が、県民の生活を生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い詰めるなかで、保守的な人からも自民党政治を変えたいという声があがるなどの変化がおこっている」と強調、「力を合わせ希望の持てる二十一世紀をつくっていきましょう」と訴えました。

 鳥取市議選(十一月十七日告示、二十四日投票)の三候補と来年のいっせい地方選挙の候補者が紹介されました。

 倉吉市の男性(68)は「志位さんが冒頭で話した、農業を国の産業の基本にすべきだという共産党の政策を、農民として感動的に受け止めた」と話します。

 病院事務員の女性(26)は「医療制度改悪法案が通され、もうダメだとあきらめていた。志位さんから、今後それを実施させないたたかいが重要だと指摘されて、はっとさせられた。その方向で頑張りたい」と語っていました。