2002年7月26日(金)「しんぶん赤旗」

医療改悪法案の委員会強行採決に抗議する国会要請行動

志位委員長のあいさつ

〈大要〉


日本共産党の志位和夫委員長が二十五日、参院厚生労働委員会での医療改悪法案の強行採決に抗議する国会要請行動でおこなったあいさつ(大要)は次のとおりです。


 医療改悪法案をめぐる国会の現状と私たちのたたかいの方向について、最後までみなさんとともにたたかう決意を込めて、ご報告したいと思います。(拍手)

「強行採決」は異常な議会制民主主義のじゅうりん、断じて認められない

 きょう、参議院の厚生労働委員会で、二時四十四分のことですが、与党から一方的な質疑打ち切りの動議が出され、「採決」なるものが強行されました。しかしこれは、まったく異常な、議会制民主主義をじゅうりんする暴挙であって、断じて認めるわけにはいきません。(「そうだ」の声、拍手)

 きょうの委員会がどういう異常な状況だったかについて報告しますと、まず、きょうの委員会のなかで法案の採決をするという提起は、与党からは一言もありませんでした。“きょう採決をやらせてくれ”という提起は、理事会で一言もなかった。それがないまま質疑に入って、こういう事態がひきおこされた。

 そして、「国民の声を聞け。少なくとも中央公聴会くらいはやるべきだ」という野党の要求に対しても、一言も回答がないまま審議に入ったのであります。

 そして、許しがたいことは、午後二時四十四分というのは、(質問者が)あと四人残っているんです。公明党の草川(昭三)議員、日本共産党の小池(晃)議員、国連の西川(きよし)議員、社民党の大脇(雅子)議員、四人の質疑時間が残っている。この四人の質疑は、与野党合意できちんと保障するということが決まっていたことなのです。それを途中で打ち切って、中断して強行「採決」というのはどういうことか。国会での審議権をまさに奪い取るやりかたでしょう。(「そうだ」の声、拍手)

 まさに、こんなひどい議会制民主主義破り、ルール破りはない。こんなものは認めるわけにはいかないというのが、私たちの立場であります。(「そうだ」の声、拍手)

こんな悪法は絶対に許さないというのが国民多数の声

 だいたいみなさん、この法案というのは、国民の六割前後はどの世論調査でも反対している。この前の委員会の参考人質疑でも、与党推薦も含めて六人中四人が、日本医師会や連合や全労連のみなさん、そろって反対ということを表明している。

 国民にとっては、これはがまんがならない。こんな不景気で苦しんでいるときに医療費の自己負担を上げられる、保険料も上げられる、一兆五千百億円もの負担増をかぶせられる。こんなことがやられたらお医者さんに行けなくなる。こんなことをやったらますます不景気がひどくなる。そうなれば、社会保障の土台も崩されてしまうし、景気悪化の悪循環も起こるではないか。こんなものは絶対許さないというのが、国民多数の声ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、きょうの暴挙は絶対に許すわけにはいきません。(「そうだ」の声、拍手)

委員会に差し戻せ、本会議のベルは押させないたたかいを最後まで委員会に差し戻せ、本会議のベルは押させないたたかいを最後まで

 たたかいの要求は二つです。

 一つは、きょうの強行「採決」なるものは認めるわけにはいきませんから、これは委員会に差し戻せ。これが第一の要求ですが、これは当然のことではないでしょうか。(拍手)

 それから、もう一つ。与党の側はあすの本会議での強行採決を、単独でも一方的にやるという構えでありますが、こんなルール破りを認めたら国会が死んでしまいます。ですから、本会議開会のベルを押させない。絶対に押すな、このたたかいをやりぬきたいと思います。みなさん、これも当然の要求ではないでしょうか。(拍手)

 さきほど、わが党から市田書記局長が参加して、野党四党の幹事長・書記局長会談がおこなわれました。そこで、わが党はいまの二点を主張しました。そして、この二つの点、委員会に差し戻せということ、本会議のベルを押すなということは、野党四党共同の要求として確認されました。(「オー」の声、拍手)

 私は、いまが非常に大事なたたかいどころだと思います。相手の側は最後の最後で、また、新たなルール破りを重ねたわけです。だれがみても明らかなルール破りを重ねた。

 ですから、ここで私たちは、このルール破りを許さないということで、スクラムを組んで、国民の声を集中して、そして野党が結束を固めて、暴挙をくいとめるために、最後までわれわれはあきらめないで、がんばりぬきたい。

 こういう大事な局面ですので、私たちは、最後までみなさんの期待にこたえるべく奮闘いたしますので、国民の怒りの声を国会に最後まで集中していただいて、この悪法を通さないために、廃案に追い込むために最後まで力を合わせたい。(拍手)

 このことを申し上げまして、私のあいさつをおわります。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)