2002年4月22日(月)「しんぶん赤旗」

参院新潟補選

政治腐敗ただし

暮らし・平和守る党を

志位委員長が訴え


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くわはら加代子候補、志位委員長がともに訴える日本共産党の街頭演説=21日、新潟県長岡市

 参院新潟補選(二十八日投票)が最終盤を迎え、小泉首相はじめ各党党首らが相次いで来援し、激烈になっている中、日本共産党の志位和夫委員長は二十一日、くわはら加代子候補の応援で新潟県入りし、新潟市と長岡市で街頭演説。「機密費問題で、ぜひ志位さんの話が聞きたい」という人や、「しんぶん赤旗」を購読しはじめ、「利権政治にはらわたが煮えくり返るよう。長いこと自民党支持だったがこんどは共産党」という人など、それぞれ二千三百人、千五百人が参加しました。

 「小泉内閣が発足してからちょうど一年の選挙。小泉首相は『自民党を変える、壊す』と叫んだが、いまでは『小泉改革の正体は見えた』が多くの国民の気持ちではないでしょうか」。志位委員長はこう切りだし、小泉政権一年の実態について、底知れない腐敗にまみれ、暮らしと経済を壊し、平和と憲法をふみつけにするものだったと告発。「このどこに改革があるでしょうか。古い、汚れた、危険な自民党政治をもっと乱暴にすすめただけではないか」と訴え、くわはら候補の勝利で悪政への厳しい審判を下そうと力を込めてよびかけました。

 志位氏は、(1)腐敗政治をただす力をもった政党はどこか(2)国民の暮らしを支える力をもつ政党はどこか(3)憲法と平和を守りぬく力のある政党はどこか、の三つの角度から争点を解明しました。

 税金を食い物にし、日ロ領土交渉で国益を損なう「二重外交」を行った鈴木宗男衆院議員の疑惑や、「国家機密」の名に隠れて党略的・私的に国民の血税を流用していた機密費疑惑の究明をするどころか、小泉首相、政府は疑惑にフタをする態度をとっていると厳しく批判。日本共産党が、企業献金とも機密費とも無縁の党として、腐敗政治の究明の先頭に立ってきたこと、「この党への一票こそよごれた政治を大掃除するたしかな一票」と訴えました。

 暮らしの問題で小泉内閣は、中小企業をつぶし、「リストラ」応援の政治をすすめ、そのうえ大幅な窓口負担増となる医療大改悪を強行しようとしています。志位氏は、国庫負担率を元にもどし、高すぎる薬剤費を欧米並みに引き下げれば解決の道は開けると強調。自民党が高薬価にメスを入れられないのは、製薬業界から年間で二億五千万円もの政治献金が流れているからだ、「小泉首相は『三方一両損』というが、『損』を押しつけられているのは国民だけ、製薬大企業と自民党はぬくぬくとばく大な利益を手にしているではありませんか」との指摘に「そうだ」の声援が飛びました。

 憲法と平和をめぐる問題で志位氏は、「戦争国家法案」が戦争を放棄した憲法九条をはじめ、国民の人権や自由、地方自治など、憲法のすべてを停止に追いこむ違憲法案だ、と厳しく批判。八十年間、平和を命がけで貫いた党として、広大な共同を広げ、戦争国家法案を阻止するためにがんばりぬく決意を述べました。

 志位氏は、小泉政権と自公保の悪政連合に「もはや二十一世紀の日本の政治を担う資格なし。この審判をはっきり下そう」と訴え。他の野党との関係について、国会での一致点にもとづく共闘をすすめていくが、同時に他の野党が自民党政治を変える政策の足場をもてない問題点をもっていること、日本共産党こそ自民党政治を変える展望と足場をもっていると述べ、「清潔な政治への願い、くらしを守る願い、憲法と平和を守る願いをどうか日本共産党のくわはらさんに」と呼びかけ、大きな拍手と声援に包まれました。

 くわはら候補は「利権政治・機密費疑惑への怒りと、暮らしをよくしたいとの思いを、清潔な日本共産党の私に」と気迫の訴え。

 長崎明・新潟大学名誉教授は「尊い戦争の犠牲を礎にしてできた平和憲法をなし崩しにする有事法制は許せない。阻止するために、くわはらさんを国会に送り出してほしい」とあいさつしました。

 水原町から参加した男性(20)は「志位さんの話は一語一語、熱が入っていてこちらも熱くなった。有事法制は日本人として絶対に阻止したい。他の若い候補がいるが、くわはらさんの政策や人間性が優れているのでぜひ国会に行ってもらいたい」と語っていました。